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日本経済研究センター 50年の歩み

 日本経済研究センター設立50周年を記念した「エコノミストの戦後史」が日本経済新聞出版社から刊行されました。1963年12月に設立された本センターは日本経済新聞社と密接な関係を持ちつつ、会員制度により経済界、学界、官界がサポートする非営利・中立の研究機関(公益社団法人)であり、日本の経済シンクタンクの草分け的存在です。本ページではその歩みを年代別に振り返り、紹介します。
(1963年12月23日、日経センターの設立が許可されました。写真は設立時の円城寺次郎初代理事長)
日経センターと日本経済の50年の年表(「エコノミストの戦後史」より転載)はこちら(PDF)


1960年代

 IMF加盟、東京五輪開催の年である1964年から本格的な活動を始めた日本経済研究センターは、日本における民間経済予測の先駆者でもありました。経済企画庁から金森久雄氏(後に第3代理事長)を主任研究員に迎えて「段階的接近法による18カ月予測」を開始。また、設立当初から会員企業を対象とした研修コースを設け、このコースに派遣される「委託研究生」が経済予測に携わり、後に活躍する多くのエコノミストや経営幹部をビジネス界に送り出しました。
(写真は左から有沢広巳初代会長、大来佐武郎第2代理事長)

1970年代

 円切り上げをはじめ経済の国際化が進んだ70年代、「グローバリスト」としても知られる後の外務大臣、大来佐武郎理事長・会長のもと、フリードマン、サムエルソン、マンデルら海外著名経済学者の招聘に加え、日米欧エコノミスト会議、太平洋貿易開発会議など国際会議・コンファレンスを積極展開。日本を代表する民間シンクタンクとして活動。貿易・資本自由化、石油危機などを巡り米ブルッキングス研究所、独キール研究所など欧米の主要シンクタンクと活発に意見交換も行いました。
(写真は大盛況だったサムエルソン教授講演会)

1980年代

 日米経済摩擦が大きな政策課題として浮上する中で、1979年の「変容する日米経済関係」を皮切りに、日米経済シンポジウムを相次ぎ開催しました。国際研究を強化するため、「国際室」を新設。政策課題に切り込むため、研究発表の場として『JCER REPORT』も創刊しました。また、経済予測が一般化し、各調査機関が予測を競う中で、センターは「超短期経済予測」を新たに開発し発表しました。
(写真は日本経済新聞社との共催イベントとして定着した1980年代の「景気討論会」)
 

1990年代

 バブル経済崩壊後、日本経済の停滞打破が課題となり、構造改革・規制改革が経済政策の大きなテーマとなりました。センターも1992年に公共政策研究部を新設、それまで手薄だった社会福祉、人口高齢化、医療問題なども新たに分析・研究対象にしました。日米摩擦の火種が依然消えない中で、数回にわたり、日米経済フォーラムを開催。全米経済研究所(NBER)との合同コンファレンスも定例になりました。この時期、日経センターの委託研究生OBが1000人を突破しました。(2013年3月で1428人)
(写真は金森久雄第4代会長、香西泰第4代理事長)

2000年代

 経済発展の続く「アジア」に焦点をあてた時期です。アジア研究の強化を視野に、2005年にアジア研究部を新設。2006年にはアジア地域の経済問題を中心とする政策提言型の英文ジャーナル「AEPR(Asian Economic Policy Review)」を創刊しました。また、同年から日本経済新聞社と協力し、アジアの研究者を毎年定期的に招聘する「日経アジアスカラシップ」事業も開始しました。同スカラシップによる招聘者は2013年度まで16人を数えます。
(写真はAEPRの第1回編集会議)

2010年代

 2010年10月、岩田一政・現理事長を迎え、「的確な経済予測とタイムリーな政策提言」を活動の両輪とし、東日本大震災からの復興やデフレ脱却などの課題に対し、積極的な政策提言を行っています。2012年度、13年度と50周年記念研究「2050年への構想」プロジェクトに取り組みました。日本経済新聞社が取り組む「日経・CSISバーチャルシンクタンク」の運営にも協力しており、新たな政策課題に対する日本からの国際的な発信強化に注力していく方針です。
(写真は安倍晋三首相も迎えて開いた日経新聞、テレビ東京と共催の第50回エコノミスト懇親会、13年12月5日。センター設立翌年から開いた本懇親会もちょうど50回を迎えた)


日本経済新聞出版社より12月13日発売
エコノミストの戦後史 日本経済50年の歩みを振り返る
小峰隆夫、岡崎哲二、寺西重郎、松島茂、中村尚史、中林真幸
日本経済研究センター50年史編纂委員会編
定価 5250円(本体5000円)
戦後日本の経済発展を彩ったエコノミストたち。彼らは危機をどのように認識し、提言したのか。高度成長、石油ショック、バブル崩壊など、日本経済を襲った大事件を手がかりに戦後経済史を振り返るエコノミストを対象とした初のオーラル・ヒストリー。戦後経済の転換期はどのように捉えられたのかを生の証言で明らかにします。

インタビュー対象者(登場順)
金森久雄/宮ア勇/野田一夫/篠塚英子/小峰隆夫/伊東光晴/今井賢一/貝塚啓明/市村真一/新野幸次郎/西部邁/関口末夫/嶋中雄二/斎藤精一郎/森永卓郎/鈴木淑夫/八代尚宏/吉川洋/浜田宏一/新井淳一