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ESPフォーキャスト調査

成長・物価の低迷が続く―1〜3月期実質成長率は0.28%

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2016年5月調査を公表しました。

 (前回4月調査の「結果概要」「結果全文」のうち、13番(マイナス金利の影響)と14番(消費増税延期の是非)の記載内容に一部誤りがありました。具体的な修正内容は差し替えたファイルに記載しております)

@下を向く日本経済――1年前とは様変わりの成長・物価
 16年度経済について今月調査の結果を1年前の予測と比べてみた。実質成長率など主要な8項目を抜き出してみると、今月の予測はいずれも1年前を下回っている。
 実質成長率は1年前の半分になってしまった。消費者物価上昇率は1%強低くなっている。日経平均株価は4,000円低く、円相場は12円の円高ドル安になっている。


A実質成長率 1〜3月期はプラス確保、4〜6月期は下方修正
 16年1〜3月期の実質成長率予測は0.28%とかろうじてプラスを確保した。しかし、4〜6月期予測が0.69%まで下方修正となり、16年度全体の予測も前月を下回った。四半期別の回答をみると、4〜6月期は、消費、投資、輸出がいずれも下方修正となったほか、鉱工業生産の伸びも鈍化しており、足元の景気を弱気にみるエコノミストが増えている。


B16年度物価見通し、ゼロに接近――長期金利はマイナス圏に
 CPI(生鮮食品を除く総合)は足元では下落に転じており、16年度見通しも0.16%と一段と低下した。円高で輸入物価が下落しやすいことや、内外需とも勢いを欠いていることから、物価上昇は描きにくい環境だ。4月末の日銀「展望リポート」も、民間エコノミスト予測を追うように物価見通しを下方修正した。ただし、17年度は、1%に届かないとみる民間予測を尻目に、日銀は1%台後半の上昇率予測を維持している。
 物価と歩調を合わせて、長期金利見通しも引き下げが続いている。16年度見通しは前月初めてマイナス圏に突入、今回は▲0.05まで低下した。



C5カ月連続で「円高・株安」に修正
 市場での円高・株安の流れを映し、エコノミストも予想を軌道修正している。日経平均の16年度予想値は前月から400円近く下方修正となり、円相場は3.7円程度円高に振れた。円高・株安への修正は5カ月連続。


D金融追加緩和予測が6・7月に集中
 「ESPフォーキャスト予測のように4月追加緩和をしていれば“地獄の連休”にはならなかったのに」とホゾを噛んでいるフォーキャスターもおられるのではないか。
 連休を前にした4月27日、対ドル円相場の終値は111円20銭だった。4月中旬に108円程度の円高だったものが、日銀の追加緩和予想でスルスルと111円台まで円安になっていた。そこから“地獄の連休”が始まる。いったん105円台の円高まで付けた。日銀が追加緩和を見送ったことで円安期待が飛んだ。
 今月の追加緩和予測は40名だった。4月調査から1名増えただけだが、3月調査に比べると7名増えている。4月に4人のフォーキャスターが加わったので単純な比較はできないが、全体として追加緩和に傾斜してきたのは確か。引き締め予測人数の推移をみると、2月の7名が3月は4名に減り、4月は2名、今月は1名に減った。
 緩和予測の中心は6月と7月。6月は13名、7月が20名だ。回答者41名の内、8割の人が6・7月に追加緩和を予測していることになる。

E米利上げ、年内は多くて2回
 16年末の米政策金利(FFレート)の見通しは、前月に比べわずかに下方修正となった。最も回答が多かったレンジは「0.5〜0.75%」で前月から1段階下がった。その上の「0.75%〜1.0%」の回答も多く、この2レンジで全体の8割以上を占める。現在の誘導目標「0.25〜0.5%」からすると、年内の利上げは多くても2回という計算になる。


F中国景気判断はやや改善
 3月調査まで毎月慎重さが増していた中国景気予測が、4月調査で下げ止まり、中国景気への警戒予測は今月、やや緩んだ。
 昨年の10月調査から中国経済予測の一環として製造業PMI(購買担当者景気指数)の四半期見通しを聞いている。50超を「上昇」、50を「保ち合い」、50未満を「下降」とした予測だが、前月調査では今年7〜9月まで「下降」が「上昇」を上回っていた。それが、今月調査で7〜9月予測の「上昇」が13名となり、「下降」の10名を上回った。それ以降調査最終期である17年7〜9月まで「上昇」が「下降」をかなり上回る予測になっている。
 この予測結果が正しいとすると、中国景気もようやく改善へ踏み出したと判断できる。

(担当:門多治・猿山純夫・池田吉紀)

調査結果

2014年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2016年 6月調査 6月 7日
2016年 7月調査 7月11日
いずれも15:00頃を予定

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。