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ESPフォーキャスト調査

10月9日発表:14年度実質成長は0.34%に低下―景気後退の可能性強まる

2014年10月調査を公表しました。

@14年度実質成長率、さらに低下。
 2014年度の実質成長率予測は0.34%になった。前月の9月調査で7月調査に比べ0.37%もの下方修正、さらに今月で前月調査比0.14%の下方修正で、今年度の実質成長率は昨年4月当時の予測水準に逆戻りしてしまった。
 昨年の4月といえば黒田日銀の新金融政策を十分織り込む前の予測だ。ことし6月には0.85%まで上がっていたものが一気に剥落した。低位8機関の予測はマイナス含みのゼロ成長。マイナスは昨年8月以来のこととなる。

2014年度実質成長率予測の推移

A下方修正の主因は民需。

1410予測と1409予測の比較

 9月予測と比べると、民間の消費、住宅、設備、輸出がそろって下方修正になっている。
 消費は5月調査では▲0.48%だった。「消費増税でも消費は堅調」を裏付ける予測だった。それが月を追って下落幅が大きくなり、8月調査の▲0.99%が前月調査で▲1.87%と0.9%もの下方修正。今月はここからさらに0.27%下がった。
 今月調査で最もネガティブなシグナルは民間設備投資の下方修正かもしれない。4月調査の3.59%から先月は5.15%に上がっていたものが逆戻りした。▲1.92%は4需要項目の中で最も大きな下方修正だ。

B景気後退の可能性が強まる。
 景気基準日付の最新は12年11月の「谷」。ここを出発点に「アベノミクス景気」は上昇を続けているものと思われてきた。
 「次の景気転換点(山)はもう過ぎたかどうか」を聞いたところ、「はい」と答えた人が今月は11名だった。先月の4名から一気に7名増えた。「いいえ」が30名だから回答者の4分の1だが、1月をピークに景気後退局面に向かった可能性が強まっている。
 仮に景気後退局面に向かったとすると、今回の景気上昇は14カ月で、戦後の我が国の景気循環としては昭和50年代初めの「安定成長景気」、20世紀末の「IT景気」の22カ月を下回る最短命景気になる。

C7-9月期の実質成長率は前期比年率で3.66%に。
 4-6月期の落ち込みが大きかった分7-9月の実質成長率は高くなる。前月調査の4.01%は下回ったが3.66%は十分高い成長率と言える。

14年7-9月期実質成長率予測の推移

D消費者物価上昇率の目標達成は一段と厳しく。
 アベノミクス景気がスタートして以来ほぼ一本調子で上げてきた消費者物価上昇率が伸び悩んでいる。
 ことし4-6月期の上昇率は消費税込みで3.3%、消費税の影響を除くと1.4%だった。7-9月期以降の予測はこれを超えられない。
 年度の消費増税を除く上昇率で見ると、14年度は1.16%止まりだ。15年度でも1.18%。「2%・2年」を判定する15年4-6月期の前年同期比は1.08%で目標の半分しか上がっていない。判定までの時間が少なくなってきているだけに目標達成は一段と厳しくなってきた。

Eフォーキャスターのほぼ半数が消費税の追加増税対策を織り込む。
 消費増税に伴う景気の冷え込みで来年10月からの消費増税判断が難しくなってきている。
 7-9月期の実質成長率3.66%という予測は追加増税にポジティブな材料と言えそうだ。だが、すでにアベノミクス景気が後退局面にあるとすると、追加増税に水を差す材料と言える。
 本調査のフォーキャスターは一貫して15年10月からの追加増税を織り込んで予測している。しかも本年度補正予算を聞いた特別質問に答えた40名中19名は追加増税を前提にした上で増税対策まで織り込んで予測していることがわかった。
 19名の予測を平均すると、対策は15年度の実質成長率を0.3%引き上げる。これをGDPに換算するとほぼ1.5兆円になる。

F依然強い金融の追加緩和期待。
 「次の金融政策の変更」を聞いた質問への回答は「緩和」が32名、「引き締め」が6名だった。金融政策の手詰まり感がにじんでいる段階でも、フォーキャスターの追加緩和に対する期待は強い。
 緩和時期は10月が10名、11月から来年1月までが10名、来年4月が8名と3つに割れている。
 当面は10月末の「展望リポート」の発表が注目点だ。

Gマーケット予測はやや株高・円安に修正。
 2014年度の日経平均株価は15,911円、円ドル相場は106円15銭との予測になった。
 今年度のマーケット予測は今春の16,000円、105円から9月調査まではじり貧の状態で来た。9月になってマーケットが円安・株高方向に動き出し、円相場は一時110円を上回る円安になった。フォーキャスターもこれに反応した格好だ。
 2015年度の予測は株価が17,105円、円相場は110円8銭。9月調査より株高・円安の予測になっている。

Hユーロ圏実質成長率予測は一段と低下。
 ユーロ安が止まらない。6月末で1.365ドルだったユーロ・ドル相場が3カ月後の9月末で1.269ドルにまで下がった。ユーロ圏の経済不振を反映している。
 フォーキャスターの2014年ユーロ圏実質成長率予測は先月の0.85%から当月は0.77%へとさらに下がった。8月調査まではなんとか1%を維持していたものがここに来てガタガタと下がっている。

2014年ユーロ圏実質成長率予測の推移

調査結果

2012年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2014年11月調査11月12日
2014年12月調査12月 5日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。