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6月5日発表:4-6月期は実質1.7%成長―26年度長期予測はデフレ脱却

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2015年6月調査を公表しました。

@なだらかな成長が続く―4-6月期は前期比年率で実質1.70%に。
 「トンネルを抜けると雪国であった」は川端康成の『雪国』。消費増税のトンネルを抜けると、そこにあったのはなだらかな成長軌道だった。
 16年10-12月期までの各四半期は年率2%弱の実質成長率が続く。消費増税を控えた17年1-3月期は駆け込み需要で2.97%まで成長率が上がる予測になっている。


 15年度は1.67%になる。10月からの消費増税第2弾が見送りになってから1.3%台だった今年度の実質成長が昨年12月調査で1.7%に上がった。それ以降この予測を維持していることになる。

A7-9月期が底の消費者物価―2%達成の判断は依然拮抗。
 ことし7-9月期の消費者物価は前年同期比で若干のマイナス、との予測になった。しかし夏場が底で10-12月以降少しずつ上昇率を高めていく。
 年度全体では15年度が0.33%、16年度は1.21%になった。
 初めて17年度の消費者物価を聞いた。予測は消費増税分2%を含む上昇率で前年比2.62%だった。これから消費増税の影響を除いた予測値は1.30%だった。消費税2%の物価への影響は14年度と同じだとすると1.4%になる。この分を全体の上昇率から差し引くと1.22%だが、回答はこれより0.08ポイント大きい。ということは、差し引く分が小さくなっているということで、軽減税率の導入を念頭に置いていることになる。それが0.08ポイントかどうかはこれからの政策論議にかかっている。
 13年4月4日に日銀が約束した消費者物価上昇率2%の達成が可能かどうかを聞いている特別調査の回答は「はい」(できる)が19名、「いいえ」(できない)が20名だった。拮抗状態が続いている。

B景気は上昇局面を歩む。
 毎月、景気動向指数(DI)一致指数の四半期毎の予測を聞いている。
 15年1-3月期の実績は60だった。50が分岐点で、これを上回ると「上昇」だから、足元の景気は拡大を続けていることになる。
 いつから上昇を続けているのか――。
 公式見解は2012年11月の「谷」で止まっている。ちょうどアベノミクスが始まったタイミングだ。それ以降ずっと上昇局面にあるのか、というと、そうでもない。
 景気の転換点を聞いた特別調査に対する回答は、回答者40人の内21人がすでに「山」を迎えた、と答えている。
 しかもこの21人全員が「谷」も通り抜けている、と答えている。アベノミクス景気はいったん14年1月もしくは3月に終わり、“ミニ景気後退”に陥ったが、同年8月に底を打って再上昇に転じている、との判断だ。
 DI一致指数の実績を見ても、2012年の景気後退の後、2014年にもう一つへこみがある。問題はこれが景気後退かどうかの判断だ。
 DIの実績に予測をつなげると下図のようになる。当分、上昇局面を歩む、との判断になる。
 

C2026年度予測は実質1%成長軌道―デフレからは脱却。
 今月は年2回の長期予測月に当たる。詳細予測は16年度までで、長期予測は詳細予測のある年の翌年度から5年毎の予測を聞いている。


 実質成長率はリーマンショック不況にあえいだ2007-2011年度の年平均▲0.3%から2012-2016年度で1.1%へ回復する。2017年度からの10年間も1%前後の成長率が持続するが、後半になるにつれ成長率が鈍化する。
 2000年代に下がり続けた消費者物価は2012-2016年度で年平均0.6%のプラスに転換。その後も、1.4%、1.5%と上昇し、着実にデフレから脱却していく。2017年度以降の消費者物価予測に表れた消費増税分は年平均で0.2-0.3%ポイント。5年で1-1.5%だが、消費増税を念頭に置いていない予測も多く税率は定かではないが、さらなる消費増税が必要と考えているフォーキャスターが多いのは確かだ。

D原油価格予測はやや上方修正。
 昨年11月調査で「原油価格予測が急落」と書いて以来、毎月原油価格予測を追跡してきた。ことし3月調査で「原油価格予測が下げ止まる」と打った。
 15暦年ベースでのWTIは今月、バレル58.52ドルの予測になっている。4月の56.17ドルに比べると、2.35ドル上がっている。少しだが上方修正に動いている。

E米国の15年実質成長率さらに下方修正。
 米商務省が5月29日に発表したことし1-3月期の実質成長率は▲0.7%になった。速報値の0.2%から改定値はさらに下がった。
 フォーキャスターの15年実質成長率予測も5月調査の2.71%が今月は2.42%へと大きく下がった。1-3月期が予想外の低成長だったことが響いている。

 
(文責:池田吉紀・舘祐太)

調査結果

2013年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2015年 7月調査 7月 9日
2015年 8月調査 8月11日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。