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ESPフォーキャスト調査

11月12日発表:実質成長率は年度、四半期とも下方修正―アベノミクス景気Uの始まりか

2014年11月調査を公表しました。

@7-9月期実質成長率は前期比年率で2.47%に。
 14年7-9月期の実質成長率予測は2.47%になった。前月調査の3.66%に比べると1.19%の下方修正。ことし6月頃の予測に後戻りした。
 6月調査と比べると、民間最終消費と民間設備投資は今回の予測の方が高い。悪かったのは輸出だ。
 「2%台なら合格」というのであれば、15年10月の消費増税第2弾にはゴーサインとなるが。なかなか微妙な数字かもしれない。

14年7-9月期実質成長率予測の推移

A14年度実質成長率は調査開始以来最低に。

1411予測と1410予測の比較

 14年度の実質成長率は前月調査よりさらに下がって0.18%になった。調査を始めた昨年1月が0.23%でこれまでの最低だった。今月はこれを下回り調査開始以来の最低になった。
 前月調査に比べ民間需要はそろって下方修正になっている。

2014年度実質成長率予測の推移

B日銀、ESPF共に下方修正―「展望リポート」との比較。

日銀展望リポートとの比較

 日銀は10月31日に「展望リポート」をまとめると共に追加金融緩和を決めた。
 展望リポートで最も大きく動いたのは14年度の実質成長率見通しだ。7月時点では1.0%としていたものを0.5%と半分に落とした。ESPF(本調査)も7月時点では0.85%と高めの予測だったものが今月で0.2%まで落ちた。

日銀「展望リポート」との確率分布比較

 消費者物価上昇率の予測は14年度の実質成長率予測に比べると日銀、ESPF共それほど大きな変更はない。
 消費者物価上昇率予測で両者が大きく違うのは15年度以降だ。上図は上昇率区分ごとの確率予測の比較だ。棒グラフがESPF、オレンジの折れ線が日銀。日銀の場合、予測の高い方と低い方それぞれに10%刻みで予測値が出ている。このパーセンテージを予測値のゾーン毎に計算したのが上図のオレンジ線だ。確率分布のグラフは中央値近傍にピークができる。2つの山に共通しているのは低い方に裾野が長い。1つのゾーンが0.25%だから、2つの山はゾーン2つ分ずれている。こうしてみると、展望リポートの数字もかなりきわどい均衡の上に成り立っていることがわかる。

C「アベノミクス景気U」が始まる。
 景気基準日付の最新は12年11月の「谷」。ここを出発点に「アベノミクス景気」は上昇を続けてきたがどうやら14年1月でピークを打ったようだ。
 「次の景気転換点(山)はもう過ぎたかどうか」を聞いたところ、「はい」と答えた人が今月は19名だった。先月の11名から一気に8名増えた。「いいえ」が22名だから回答者の半分弱だが、1月をピークに景気後退局面に向かった可能性が強まっている。
 仮に景気後退局面に向かったとすると、今回の景気上昇は14カ月で、戦後の我が国の景気循環としては昭和50年代初めの「安定成長景気」、20世紀末の「IT景気」の22カ月を下回る最短命景気になる。
 「景気後退」と答えた人に「谷」の時期を聞いた。19名中過半の10名が「14年8月」と答えた。仮にこの判断が正しいとすると、「アベノミクス景気」は「T」が終わり、「U」が始まっている。

D金融緩和予測が後退。
 日銀が10月31日に金融の追加緩和策を打ち出したことで、これ以上の金融緩和はない、と判断した人が増えた。
 「次の金融政策の変更」の質問に対し、「引き締め」と答えた人が前月調査の6名から12名へと倍増した。
 「緩和」と答えた人もその時期は「15年10月以降」が14名と圧倒的に多かった。今回の追加緩和でしばらくは金融政策は動かないとの判断が大勢になった。

E消費税の追加増税対策で15年度の実質成長率は0.34%高めに。
 予測に消費増税対策としての補正予算を織り込んでいるかどうかを聞いた質問で「イエス」は21名だった。前月調査より2名増えている。
 対策前の15年度実質成長率は0.95%。これに対策の効果を加えた成長率は1.29%。この差0.34%が対策の効果になる。GDPに換算すると1.8兆円になる。

F原油価格予測が急落。
 原油価格の予測が14、15年共に大きく下がった。
 WTI (ニューヨーク原油先物)の14年予測はバレル当たり95.89ドルになった。これまでの最安値は昨年1月予測の98.33ドルだった。これを大幅に下回る予測開始以来の最安値になった。
 15年予測は今回の14年予測を大幅に下回る91.13ドル。
 ことしのWTIは6月20日に107.26ドルの最高値を付けた後、11月4日の77.19ドルまでほぼ一本調子で下げている。下方修正が続きそうだ。

2014・2015暦年原油価格予測の推移

調査結果

2012年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2014年12月調査12月 5日
2015年 1月調査 1月13日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。