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ESPフォーキャスト調査

9月5日発表:今年度の実質成長は0.48%に縮小―消費不振が響く

2014年9月調査を公表しました。

@14年度実質成長率を2カ月続けて大幅下方修正。
 2014年度の実質成長率予測は0.48%になった。7月調査の0.85%に比べると、0.37%ポイントもの大幅下方修正になる。8月調査で0.18%ポイント下げ、さらに今月調査で0.19%ポイント下げた。2カ月続けての大幅下方修正は珍しい。ここに来て消費増税への楽観論が剥落、14年度実質成長率は昨年5月頃の予測に後戻りした格好だ。

2014年度実質成長率予測の推移

 A今年度実質民間最終消費支出はマイナス1.87%に。
 実質成長率の下方修正の主因は実質民間最終消費だ。
 昨年1月に14年度予測を始めたときからESPフォーキャスト調査は消費増税を織り込んでいた。だから13年1月の実質民間最終消費予測も▲0.73%とマイナスだった。
 これが消費増税の始まった直後のことし5月で▲0.48%とマイナス幅が縮まった。6月以降、マイナス幅が少しずつ広がっていたが7月調査では▲0.64%と踏ん張っていた。
 たがが外れたのは8月調査で▲0.99%に後退。それが今回、▲1.87%にまで下がった。
 フォーキャスターの多くは駆け込みとこの反動減だけなら消費の落ち込みはそれほど深刻にはならないだろうと考えていたのではないか。それがここに来て実質所得の大幅なマイナスがもたらす消費税本来のデフレ効果に注目、消費予測の大幅な見直しにつながっているのではなかろうか。

2014年度実質民間消費予測の推移

B14年度の実質民間在庫投資が膨らむ。

2014年度実質民間在庫投資予測の推移

 実質最終需要下方修正の裏返しとして、民間在庫の予測が膨らんでいる。
 実質成長率への寄与度でみた実質民間在庫投資は予測を始めた13年1月時点では0.04%だった。フォーキャスターは在庫の見通しをほぼニュートラルに置いていたことになる。
 月を追ってプラス方向への修正が続いていたが、ことし7月予測では0.12%だった。それが8月予測で0.20%になり、今月は0.35%にまで上昇した。「意図せざる在庫」が増えると読んでの上方修正と考えられる。

C7-9月期の実質成長率は前期比年率で4.01%に。
 4-6月期の落ち込みが大きかった分7-9月の実質成長率は高くなる。前月調査の4.08%とほぼ同じ4%強の予測になった。

14年7-9月期実質成長率予測の推移

D14年度消費者物価の上方修正が続く。
 今月調査でも14年度消費者物価予測は消費増税の影響を除いたベースで1.17%となり、前月調査からわずか0.03%ポイントだが上回った。
 だが、四半期ベースでみると、4-6月の1.4%がピークで、7-9月は1.17%に後退する。
 黒田日銀の「2%・2年」は依然、達成は厳しい。

E不気味な「1月ピーク説」。
 前月調査で初めて顔を出した「1月ピーク説」が今月は2名から3名に増えた。3月ピーク説のお一人を加えると、4人がアベノミクス景気の景気後退入りを予測していることになる。
 目下のところは景気後退判断は限定的だ。景気の上昇・下降を表すDI予測を見ている限り、下降を表す50%割れは4-6月の1四半期だけで、7-9月以降、次の消費増税前に当たる15年7-9月まで50%超が続く見通しになっている。

F一段とばらける金融の追加緩和時期。
 「次の金融政策の変更」を聞いた質問に「緩和」は前月とほぼ同じ31名。だが、「緩和時期」は前月あった9月が消え、逆に11月が新規に2名登場した。10月が2名減り、来年4月が1人増えた。
 年末までの経済政策をにらんだとき、最大の焦点は15年10月からの消費税増税第2弾、2%追加引き上げをやるのかどうかだ。
 すでに追加増税をにらんだ「1兆円対策」のアドバルーンが上がっている。
 消費増税に積極的な黒田日銀も何か応援を繰り出すのではないか―10月か11月の追加緩和予測の背後にある判断だ。
 すでにマネタリーベースを年間60―70兆円増やすことが既定の事実になっている状態で、どんな追加緩和があるのだろうか。

G弱含みのユーロ圏実質成長率予測。
 2014年のユーロ圏実質成長率予測は前月調査の1.00%から0.85%に下がった。
 2013年の▲0.4%からことしは「回復の年」になるはずだった。ところが実際は軟調な景気情勢が続いている。
 2015年も前月の1.38%成長から1.29%成長に後退している。ユーロ圏が順調にぬかるみを脱していけるのかどうか―アベノミクス景気の将来を占う上でも目が離せない。

調査結果

2012年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2014年10月調査10月 9日
2014年11月調査11月12日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。