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ESPフォーキャスト調査

8月12日発表:今年度実質成長は0.67%に下方修正―振幅激しい消費増税景気

2014年8月調査を公表しました。

@14年度実質成長率は0.67%に―民間消費を大幅下方修正。
 2014年度の実質成長率予測は0.67%になった。前月の7月調査に比べると0.18%ポイントもの大幅下方修正になる。

1408予測と1407予測の比較

 民間消費の大幅下方修正が主因だ。1-3月期の実質GDPが2次QEで年率6.7%へと大幅上方修正になり、駆け込みが予想外に大きかったとの判断が4-6月期の消費を見直す判断につながった。

A7-9月期実質成長は年率4.08%―さらなる上方修正に。

14年7-9月期実質成長率予測の推移

 4-6月期の実質成長率予測は▲6.81%。前月調査から1.91%ポイントもの下方修正だ。4-6月期の消費が当初の予測以上に1-3月期に繰り上がった、との判断だ。
 7-9月期の経済行動は正常化するとフォーキャスターの多くは考えている。とすると、4-6月で減ったものが7-9月期の増加になる。「谷深ければ山高し」、その分7-9月期の成長率がかさ上げされる、という理屈だ。
 消費増税景気の振幅が大きくなる。

B14年度消費者物価の上方修正が続く。

2014年度消費者物価上昇率予測の推移

 消費者物価予測は昨年来、実績に引っ張られる形での上方修正を続けてきた。今月の予測は消費増税の影響を除くベースで14年度は1.14%上昇。0.03%ポイントの上方修正になる。
 ただ、四半期ごとの動きを見ると、10-12月期の1.05%までじりじりと下げる。その結果15年度平均は1.16%と14年度と大差ない姿にとどまっている。黒田日銀が目標とする2%は遠い。

C失業率予測の下方修正が続く。
 四半期別完全失業率予測を3カ月ごとにグラフに描いてみた。
 ことし7-9月期にフォーカスすると、例えば昨年の2月予測では4.01%だった。それが昨年の8月には3.85%に下がった。
 今月の予測は3.59%。16年1-3月期の予測は3.42%になっている。
 年度ごとの失業率を過去にたどっていくと、3.4%だったのは1996年度だ。仮に16年1-3月期の3.4%を16年度予測とみると、実に20年前に遡る。失業率は97年度の金融危機以降上昇、2002年度で5.4%まで上がった。それが小泉改革、リーマン・ショック対策などを経て、今回のアベノミクスで低下に拍車がかかった格好だ。逆に人手不足が問題になってきている。

完全失業率予測の推移(四半期ベース)

D「1月ピーク説」が登場。
 「次の景気転換点(山)は過ぎたか」との問いに「イエス」と答えたフォーキャスターが3人いる。1人は前月調査でも「イエス」と答えていたが、2人が新たに加わった。しかも前月までの「14年3月」ピークではなく「14年1月」がピークだったと判断する。
 最新の景気基準日付は2012年11月の「谷」。「復興景気」とでも呼べる2009年4月から始まった景気上昇が12年4月でピークを打ち、下降に転じ、それも12年11月で止まった、というのが暫定的だが一応政府の公式見解になっている。それが1年ちょっとで天井を打ち、下降に転じたとの判断だ。消費増税でもアベノミクス景気は腰折れしない、というのがこれまでの標準的な見方だった。今回にわかに現れた「1月ピーク説」がこれを覆すことになるのか―15年10月からの消費増税第2弾への判断ともからんで目が離せない。

E低位8機関の経常収支赤字予測が消える。
 経常収支予測の下方修正が続く中、6月調査で低位8機関の予測が初めてマイナスになった。
 先月7月の調査では、「下方修正に下げ止まりの気配」と書いた。
 今月調査では、低位8機関の赤字予測が消えた。2014年度の全機関平均の経常収支予測も2.9兆円と前月より幾分黒字が増えた。とはいえ、赤字転落の見通しが払拭されたわけではない。

2014年度経常収支予測の推移

F金融の追加緩和予測は来年1-4月が増える。
 今月の調査でも最も多い予測は10月追加緩和だが、予測者は15名で前月より1名少なくなった。8-9月とみていた3名の内、2名は来年1-4月へと軸足を移したようだ。
 結果として来年1-4月追加緩和予測が前月の8名から今月は12名に増えた。 アベノミクスのスタート以来支配的だった株高・円安予測も休止状態でアベノミクス景気にかつてのような勢いが消えてきていることは確か。昨年4月4日に打ち出したマネタリーベース270兆円ターゲットの期限は12月。本調査では15年末のマネタリーベースを334.5兆円と予測、270兆円後も年間60-70兆円増やすとの暗黙の理解は成立しているが、ポスト・270兆円の金融政策を明確に語るべきだという意見は多い。

調査結果

2012年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2014年 9月調査 9月 5日
2014年10月調査10月 9日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。