トップ » ESPフォーキャスト

ESPフォーキャスト調査

12月5日発表:14年度実質成長率はマイナス0.5%―長期予測ではデフレ脱却へ

2014年12月調査を公表しました。

@14年度実質成長率はマイナス0.50%に―初のマイナス成長予測に。
 2014年度の実質成長率予測は▲0.50%になった。前月の11月調査に比べると0.68%ポイントもの大幅下方修正だ。輸出以外の民需がそろって0.4-0.8%ポイント下がった。

1412予測と1411予測の比較2014年度実質成長率予測の推移

 日本経済がマイナス成長になるのは09年度以来5年ぶりのこと。最初にマイナス成長を記録した第1次石油ショックの74年度から数えて7度目になる。
 13年1月から予測を始め、ことしの6、7月には0.85%まで高まっていた。それが8月予測から5カ月続けての下方修正になった。低位8機関、全予測機関、高位8機関と、すべてマイナス予測になった。

A10-12月期実質成長率は年率3.25%に高まる。

14年10-12月期実質成長率予測の推移

 10-12月期は3.25%と高めの成長予測になった。
 13年1月時点では1.05%だった。ことし8月までは1%台だったが、9月調査で2%台に乗せ、11月調査は2.51%で、今月には3%台に上がってきた。
 消費増税に伴う調整は当初比較的早く終わるとみていたが、調整は予想以上に長く深くなった。回復の後ずれが10-12月の成長を押し上げるかっこうになっている。

B回復のカギ握る民間設備投資。

2014年度実質民間設備投資予測の推移

 14年度が予想外の低成長になった原因の一つは民間設備投資の不振にある。
 13年1月調査では2.13%の増加予測だったが、総じて上方修正を続け、ことし7月調査では5.22%まで上がってきていた。それが12月調査では1.94%と調査開始以来の最低に沈んだ。
 来年度には“4番バッター”の期待がかかる。12月調査では15年度の増加率は3.90%で堅調な姿が描かれている。

C15年度実質成長率は1.70%に。

2015年度実質成長率予測の推移

 15年10月からの消費増税が見送られたことで15年度実質成長率予測が上がった。
 調査を始めた14年1月では1.35%で、前月調査まで1.3-1.4%で推移していた。それが今月で一気に1.7%へ上がった。

D消費者物価目標の達成は一段と厳しく。
 黒田日銀の「2%・2年」目標が達成されるかどうかという問いに前月までは2名のフォーキャスターが「イエス」と答えていた。それが12月調査では1名になってしまった。
 14年度平均の上昇率見通しも前月調査からさらに0.05%ポイント下がって1.05%になった。
 15年度も前月調査から0.02%ポイント下がって1.09%になった。円安は進んでいるが、一方で原油が急激に下がっていることが響いている。

2014年度消費者物価上昇率予測の推移

E日本経済はデフレから脱却―2025年度までを予測。
 今月は年2回の長期予測月に当たる。詳しい予測は2年と決めているので15年度まで。番外で16年度の実質成長率と消費者物価上昇率を聞いているが、長期予測は詳細予測のある年の翌年度から5年ずつの予測を聞いている。 「長期予測のサマリー」は次のようになる。

長期予測のサマリー

 実質成長はリーマン・ショック不況にあえいだ2006-2010年度の年平均0.3%から2011-2015年度で0.9%に回復する。2016年度からの10年間も1%台前半の成長率が持続する。
 2000年代の10年間、下がり続けた消費者物価は2011-2015年度で年平均0.5%のプラスに転換、その後の5年間は1.4%、1.5%と着実にデフレから脱却していく姿が描かれている。

F「軽い景気後退」もすでに終わった可能性が強い。
 「次の景気転換点(山)はもう過ぎたかどうか」を聞いたところ、「はい」と答えた人は前月調査の19名から3名増えて22名になった。「いいえ」は19名で、「はい」が過半数を超えた。1月をピークに景気後退局面に向かった可能性が一段と強まった。
  仮に景気後退局面に向かったとすると、今回の景気上昇は14カ月で、戦後の我が国の景気循環としては昭和50年代初めの「安定成長景気」、20世紀末の「IT景気」の22カ月を下回る最短命景気になる。
 「景気後退」と答えた人に「谷」の時期を聞いた。22名のうち17名が「14年8月」と答えた。仮にこの判断が正しいとすると、「アベノミクス景気」は「T」が終わり、「U」が始まっている。

G金融緩和予測がさらに後退。
 日銀が10月31日に金融の追加緩和策を打ち出したことで、金融緩和予測が大幅に後退した。
 「次の金融政策の変更」の質問に対し、「引き締め」と答えた人が前月調査の12名からさらに2名増えて14名になった。

H消費増税に伴う景気対策で15年度の実質成長率は0.29%高めに。
 予測に消費増税に伴う景気対策としての補正予算を織り込んでいるかどうかを聞いた。「イエス」は28名だった。前月調査より7名増えている。
 対策前の15年度実質成長率は1.34%。これに対策の効果を加えた成長率は1.63%。この差0.29%が対策の効果になる。GDPに換算するとおよそ1.5兆円になる。

I原油価格予測が急落。
 原油価格の予測が大きく下がった。
 WTI (ニューヨーク原油先物)の15年予測はバレル当たり79.74ドルになった。15年の原油価格予測を始めてからの最安値。9月調査では101.65ドルだった。
 ことしのWTIは6月20日に107.26ドルの最高値を付けた後、11月末の66ドルまでほぼ一本調子で下げている。下方修正が続きそうだ。

2015暦年原油価格予測の推移

調査結果

2012年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

「ESPフォーキャスト調査」サービスのご案内 △このページのトップへ


調査結果の公表予定
2015年 1月調査 1月13日
2015年 2月調査 2月10日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。