トップ » ESPフォーキャスト

ESPフォーキャスト調査

7月9日発表:4-6月期実質成長は0.72%に低下―15年度消費者物価は0.33%と横ばい

  • Tweet this articl
2015年7月調査を公表しました。

@4-6月期の実質成長は大幅に低下―15年度全体ではわずかの下方修正。
 4-6月期の実質成長率は1カ月前の予測に比べ1%ポイント近い大幅な下方修正になった。


 下方修正の最大の要因は輸出の不調だ。前期比増加率は前回調査から1.15%ポイントも下がった。


 4-6月期の実質成長率予測は昨年1月に年率1.62%でスタートした。今年の3月から5月までは2%台まで高まっていたものが、6月に1.70%に落ち、今月で0.72%にまで落ちた。
 だが、年度全体では1.66%成長で前月の1.67%から微減にとどまる。1-3月期の2次QEが高めに修正され、15年度へのゲタが上がった分で4-6月期の下方修正分を帳消しにしてしまうためだ。

A15年度鉱工業生産の伸びは1.72%に減速。
 3%近い伸び率で推移していた15年度の鉱工業生産予測が今月、1.72%まで落ちた。昨年1月に15年度の予測を始めて以来、1%台に落ちるのは初めてだ。
 4-6月期の予測が今回、前期比▲0.94%とマイナスに落ち込んでいる。7-9月期以降は上方修正が続くが、発射台が小さくなったことで15年度全体が縮小した。


B膠着状態の消費者物価予測―2%達成の判断も依然拮抗。


 消費者物価上昇率(前年同期比)の四半期別推移では、ことし7-9月期が若干マイナスとなった後、10-12月期以降少しずつ上昇率を高めていく。年度全体では15年度が0.33%、16年度は1.22%になった。15年度予測はここ数カ月横ばいとなっている。原油価格下落等の予測値への反映がひと段落した模様だ。16年度予測に関しては、聞き取り開始当初からさほど大きな動きはみられない。消費者物価予測は15、16年度ともに膠着状態になってきた。
 消費者物価上昇率2%の達成が可能かどうかを聞いている特別調査の回答は「はい」(できる)が19名、「いいえ」(できない)が20名。依然として、拮抗状態が続いている。達成可能という回答のうち、2016年度中の達成は5名。日銀の目標達成を2016年度前半頃とみても、きわめて厳しい情勢のようだ。

C15年度実質賃金の伸び率は0.2%に。
 特別調査の所定内給与の伸び率と年度予測での消費者物価指数上昇率から算出した実質賃金は、予測機関平均値で15年度0.2%の伸びとなった。ベアの実施による所定内給与の増加や原油価格下落に伴う消費者物価上昇率の低下に伴い、今年度は実質賃金の増加が見込まれる。
 この実質賃金を横軸、実質民間消費を縦軸にとって予測機関ごとに散布図を描いてみると、フォーキャスターが両者の関係をどのようにみているかがわかる。
 フォーキャスターごとのばらつきが大きいが、おぼろげに右上がりの直線が浮かび上がる。実質賃金の増加が消費を底上げしていることがわかる。


D株高・円安方向への修正が続く。
 今月調査で15年度の日経平均株価は20,830円、対ドル円相場は123.11円だった。
 15年度の日経平均株価の予測を始めた昨年1月では17,327円だった。途中で中だるみがあったが、12月には18,319円と1万8,000円台に乗せている。
 ことしに入ってからはほぼ毎月上方修正を続けている。
 円相場の昨年1月時点での15年度予測は107円95銭。こちらも中だるみがあったが10月には110円台に乗せた。ここから今年1月にかけて急ピッチに円安方向に軌道修正、1月には121円92銭まで円安が進む予測になっている。
 問題はギリシャ危機がどうなるかだろう。ギリシャがEUの緊縮提案にノーを突きつけた7月6日のマーケットは株安・円高に振れた。ギリシャと同時に中国経済の動向も気になる。マーケットから目を離せない日々が続きそうだ。


Eユーロ圏の15年実質成長率予測に天井感。
 ユーロ圏実質成長率の15年予測は1.36%になった。今年の1月時点の予測は1.04%だったからずいぶん改善したことになる。
 問題はこれからがどうなるかだ。
 ギリシャがユーロ圏から離脱するような事態になれば世界経済への影響は計り知れない。そのような極端な変化がないとしてもユーロ圏経済がこのまま回復を続けるかどうかは予断を許さない。


 

F米国の15年実質成長率に下げ止まり感。
 米国の15年実質成長率はことし4月まで3%台だった。FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに向かう有力な根拠の一つと言われていた。
 それが、5月調査から下方修正に向かった。5月に2.71%、6月に2.42%と下がって、今月は2.30%になった。低位8機関の予測は2.05%だからまだ下がる可能性もあるが、そろそろ下げ止まるのではないかとみられている。


 
(文責:池田吉紀・舘祐太)

調査結果

2013年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

調査参考資料(PDF形式)・関連資料はこちら

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

「ESPフォーキャスト調査」サービスのご案内 △このページのトップへ


調査結果の公表予定
2015年 8月調査 8月11日
2015年 9月調査 9月 7日

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。