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7〜9月期、年率1.31%成長を予測 -消費不振は一時的、内需主導成長へ-

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2017年9月調査を公表しました(2017年9月19日)

 2016年度優秀フォーキャスターを公表しました(9月20日)
 詳細は優秀フォーキャスターページをご覧ください。


 民間エコノミストが見込む7〜9月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、年率1.31%となった。全般に好調だった4〜6月期に比べ、消費や住宅投資、公共投資が不振だった。しかし17〜18年度の成長見通しはさらに上方修正され、内需主導の成長の定着が見込まれている。内需堅調の背景の一つとして、労働需給逼迫の下での賃金上昇が確認された。

@7〜9月期成長率、4〜6月期の2.5%成長から鈍化――17年度成長率は1.6%に
 17年7〜9月期の実質成長率予測は前月の1.44%から1.31%へ下方修正された。これは、民間消費の大幅な落ち込みを他の需要項目で埋められなかったことによる。輸出と設備投資に加えて、消費不振に起因した意図せざる在庫積み増しはプラスに寄与するものの、消費だけでなく住宅投資や公的需要も寄与度を低めるとの見方だ(図表1、図表2)。




 民間消費は横ばいに下方修正されたが、その背景には夏季賞与の不振や東日本の長雨など天候要因があるとみられる。しかし10〜12月期以降は小幅上方修正され、17年度見通しは8月調査の1.0%から1.5%成長に高まった。民間設備投資も7〜9月期、17年度共に年率2〜3%の増勢を保っている。その結果、17年度1.6%の成長との見方だ。

A景気の内需主導定着へ
 先月の本欄で「景気に内需定着の芽」と紹介した。その傾向は9月調査でますます鮮明になってきた。3カ月前の6月調査と比べると、17年度成長率予測は1.4%から1.6%に好転。その内訳として外需の寄与度は0.3%から今月はほぼゼロに下がった。内需が1.6%の増加寄与だ。内需の中では、3カ月前比、民需が0.9%から1.2%に、公需も0.2%から0.4%に寄与度を高めている(図表3)。



 今回の調査では17年度の輸出予測が3カ月連続で引き下げられるなかで、生産の見通しは3カ月連続で引き上げられた。18年度についても、1.1%成長への寄与は民需1.0%、公需0.1%と内需主導だ。景気の内需主導が定着するとフォーキャスターはみているようだ。

B18年度は1.1%成長
 18年度までの主要項目別見通しを詳しく見てみる(図表4)。3カ月前と比べて、17年度の需要項目では、民間消費、住宅投資、公共投資の上方修正が目立つ。家計需要については、所得面で労働需給の逼迫を受けた所定内給与の堅調な伸びが背景にあろう(C参照)。

 一方、設備投資は3カ月前とほぼ同じだ。輸出は依然プラスながら、むしろ下方修正されている。このようななかでIIPも上方修正された。



 18年度については、輸出の増勢が鈍化し、公共投資が減少する中でも1.1%と、1%台の実質成長を維持するものとフォーキャスターはみている。

C労働需給逼迫が18年度所定内給与押し上げ要因に
 所定内給与上昇率は、17年度0.4%、18年度0.6%と、6月調査と同じ見通しだった。一方、失業率の見通しは、予測期間最終期(19年1〜3月)に、初めて2.6%まで低下する。失業率と賃金の関係をみると、18年度にまた一段失業率が低下し、所定内給与が上昇するというフォーキャスターが多い。労働需給逼迫に伴う賃金上昇が18年度に進むという見方が強いようだ(図表5)。



 パートタイム比率は、16年度と比べて18年度に低下すると予測するフォーキャスターが17名、横ばいが11名、高まると予測するのは12名と、見方は割れた。なお、パートタイム比率の今後の変化の方向性をどうみるかと、失業率や賃金の見方には、特に関連性はみられなかった。

D米国金融政策に気迷い見込む 〜 景気足踏み下のドル安・円高予想増加
 米国成長率見通しは、8月調査と比べ17・18年ともに小幅下方修正され(17年2.14%、18年2.36%)、円レート見通し(年度平均)は、1.14〜1.37円/ドル幅で円高修正された(図表6)。



 一方、7月の米連邦準備理事会(FOMC)で物価見通しの不確実性を理由に利上げ慎重論が出たが、本調査でも、7割の29人が「米国金利の年内1回引き上げ」を予測する一方で、「年内引き上げなし」という予想が前月の6人から12人に増加した。

(門多治・伊藤由樹子)

調査結果

2015年12月調査まではどなたでもご覧になれます。

■「ESPフォーキャスト調査」とは
 経済企画協会が2004年から実施してきた「ESPフォーキャスト調査」事業を2012年4月より日本経済研究センターが引き継ぎました。
 この調査は日本経済の将来予測を行っている民間エコノミスト約40名から、日本経済の株価・円相場を含む重要な指標の予測値や総合景気判断等についての質問票に毎月回答頂き、その集計結果から、今後の経済動向、景気の持続性などについてのコンセンサスを明らかにするものです。

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調査結果の公表予定
2017年10月調査 10月10日
2017年11月調査 11月09日
いずれも15:00頃を予定

*上記の予定は現時点での予定であり変更する可能性があります。