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JCER 中国・アジアウォッチ

北朝鮮と東南アジア(上)
揺れる「非同盟」の外交と経済関係−「南南協力」掲げるも制裁で貿易減少へ

2017年3月6日発表

李 燦雨・特任研究員 

概要

北朝鮮の金正恩労働党委員長の異母兄である金正男氏と見られる北朝鮮外交旅券を持つ男性が2月13日、マレーシアのクアラルンプールで死亡した事件の波紋が広がっている。マレーシアの捜査当局は北朝鮮が関与した殺害事件である可能性が高いと判断。マレーシア政府は北朝鮮籍者のビザ無し入国を6日付で停止し、マレーシア駐在のカン・チョル大使の国外追放を発表した。今後の展開によっては北朝鮮と東南アジアの関係にさらに大きな影響を及ぼす可能性もある。ここでは事件が起こった東南アジアと北朝鮮の関係について分析。北朝鮮と東南アジア諸国の政治・経済関係の歴史を振り返るとともに、今後の見通しについて検討する。

【ポイント】
@東南アジア諸国は「非同盟外交」を基本とし、ASEAN加盟10カ国すべてが韓国と北朝鮮の双方と国交を結んでいる。北朝鮮も「非同盟外交」の方針で東南アジア諸国との関係を重視してきた。

A北朝鮮は東南アジアとの経済関係も重視し、2011年末に発足した金正恩政権は発展途上国同士の経済・技術協力、「南南協力」を重視する姿勢を打ち出した。14年以降、ラオス、ベトナム、ミャンマー、インドネシア、シンガポールなどに外相が訪問し、南南協力の具体化に取り組んだ。

Bしかし、11年から14年にかけて増えた北朝鮮と東南アジアの貿易は15年に再び後退。16年には北朝鮮の2度の核実験と相次ぐミサイル発射に対する国連安保理の2回の制裁決議でさらに減少したと考えられる。

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好評の「北朝鮮と東南アジア」シリーズ
(上)「揺れる「非同盟」の外交と経済関係−「南南協力」掲げるも制裁で貿易減少へ」(李燦雨、3月6日)
(中)「つまずいた北朝鮮の「南南協力」戦略−事件でマレーシアとの関係にしこり」(李燦雨、伊集院敦、4月6日)

「対北朝鮮制裁強化、効果は予断許さず−実効性は中国の対応次第、米中関係も鍵」(李燦雨、16年12月6日)

「米新政権とアジア」シリーズ
第1回「「米国第一」でアジア重視路線を見直し−転機の同盟関係、通商政策は迷走も」(伊集院敦、11月10日)
第2回「トランプ氏の中国政策、にじむ「経済最優先」−通商に力点、戦略対応は米ロ関係も変数に」(伊集院敦、11月16日)
第3回「対北朝鮮、圧力強化で中国にもプレッシャー−軍事オプション、直接対話も排除せず」(伊集院敦、11月25日)
第4回「インタビュー:関係発展へ日米同盟の「再発明」を〜ケント・カルダー米ライシャワーセンター所長」(伊集院敦、12月8日)
第5回「インタビュー:米韓の戦時統制権問題への波及懸念〜康仁徳・元韓国統一相」(伊集院敦、12月19日)
第6回「インタビュー:米ロ改善は日ロ関係にもプラス〜アンドレイ・ベロフ福井県立大学教授」(伊集院敦、17年1月4日)
第7回「インタビュー:米中は経済・安保両面で摩擦が増大 〜姜龍範・天津外国語大学教授」(伊集院敦、17年1月16日)
第8回「インタビュー:トランプ政権で朝鮮半島は緊張激化 〜ヤンC・キム米ジョージ・ワシントン大名誉教授」(伊集院敦、17年1月23日)
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