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Discussion Paper 78 2002.5

規制改革特区の提案を巡る論点について




白石賢・内閣府政策統括官(経済社会システム担当)付総括参事官補佐

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要約

 総合規制改革会議、経済財政諮問会議において、それぞれ「規制改革特区」、「構造改革特区」の提案がなされた。これらの特区は今まで存在した地域振興法などと異なり、法令等に基づく規制を一部地域について実験的に全国と異なるものにするものであり、法律的に一国多制度を認めるなど法律的な問題も多い。

 特区の形式として考えられるものには、地方自治体に対して憲法95条で認められた地方特別法を適用して行うもの、地方自治体の条例により行うもの、国が地域指定という形式で規制法を緩和するものが考えられる。前二者は住民の合意形成が住民投票や地方議会を通じてなされる点でメリットが大きいが、逆に特区の早期実現には向かない可能性がある。一方第三のものは、従来の規制緩和のやり方の延長線上にあることから特区の早期実現の可能性は高いものの、一方で、地域差をどのように容認するかなどについて法的にクリアしなければならない課題も多い。しかしながら、第三のものについても、実務的な観点から課題は多いものの、特区を認めるという基本については、過去の判例等から判断する限りは、立法・行政権の裁量の範囲内で、一定の事前手続の下で一部地域に優遇的な規制緩和などを認めることは可能だと考えられる。
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