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Discussion Paper 127 2010.4

JCER環境経済マクロモデルによる炭素税課税効果の分析




猿山純夫・日本経済研究センター主任研究員 、蓮見亮・日本経済研究センター研究員 、佐倉環・日本経済研究センター研究員

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要旨

 本稿は、08年度の地球温暖化問題に関する懇談会の下に設置された「中期目標検討委員会」での分析に使用したJCER環境経済マクロモデルについて、その後改良も含めてその構造を詳細に説明するとともに、同委員会では行わなかった炭素税課税効果を試算したものである。

 2011年度にCO2 1トン当たり1,000円、税率を20年度に同10,000円まで高めるような炭素税を導入すると、BaU(Business as Usual、自然体の成長シナリオ)では90年比1.2%増を見込む20年度のCO2排出量は▲5%前後まで減少、20,000円まで高める場合には約▲8%まで削減が進む。

 経済に対しては、(1)炭素課税が物価上昇をもたらし内需を抑制する(2)国産品が割高となり輸出を押し下げる――といった影響がでる。ただし、炭素税収の使途によって、影響には差が生じる。税収を全額政府支出に充てた場合は、民需抑制効果よりも、政府支出増加という需要増が大きく、実質国内総生産(GDP)はBaUを上回る。社会保険料の減額に回す場合は、消費がBaUを上回るものの、実質GDPはBaU比でやや悪化する。

 なお、今回のシミュレーション試算の前提となるシナリオ設定は環境省の依頼によるもので、その現実性、妥当性については別途、検証が必要である。

キーワード:日本の温暖化対策、マクロ計量モデル分析、温室効果ガス削減の中期目標

【参考】日経センターは2010年度から温暖化防止と経済成長の両立を可能にする経済・産業政策とは何か、経済学的な分析を中心に技術的な可能性を含めて検証します。政府の目標である2020年までに90年比で温暖化ガスを25%削減する場合の社会への影響を試算しつつ、具体的な政策を提案していきます。
「25%削減時代の日本経済」プロジェクトはこちら−コツコツ(CO2 CO2)考える
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