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Discussion Paper 147 2018.2

人生100年 10年長く就業を
――世代格差 均せる可能性


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猿山純夫 ・日本経済研究センター事務局長付首席研究員 、前田佐恵子・日本経済研究センター研究本部主任研究員 、蓮見亮・日本経済研究センター研究本部研究員 、黒岩和輝・日本経済研究センター

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要旨

 「人生100年」時代を迎え、寿命が延びることが各世代の得失にどのような影響を与えるのかを検証する。長寿命化で追加的に享受できる便益(消費)を評価するとともに、高齢者がより長く働くことによる経済貢献に焦点を当てる。高齢者が自ら働き稼ぐ期間を延ばし、年金支給開始年齢を引き上げれば、税・社会保障の財政収支が好転し、若年・将来世代の負担を下げることができる。「若い世代ほど重い負担を背負う」という構図がどこまで修正できるのかを検討する。
 各世代の代表として、団塊世代にほぼ相当する1950年生まれ、その子どもに相当する1980年生まれ、さらにその30年後の2010年生まれの3世代を取り上げる。国民経済計算(SNA)の属性別家計勘定などを用い、将来について一定のマクロ経済の想定を置き、検証したところ明らかになったのは以下の諸点である。若い世代を代表する2010年生まれ世代は、1950年以降に生じた長寿命化により生涯消費が9〜13%拡大する。現役引退年齢を現状より10年遅らせることができれば、他の条件が一定なら国と地方の基礎的財政収支がGDP比6〜7%改善する。その財政余剰を負担軽減に充てれば、若い世代の負担を軽減することができる。世代会計(税・社会保障の受益と負担の収支)でみると若い世代ほど純負担が大きく高齢化による不利益を受けるが、長寿命化に伴う消費の増分、労働参加が増えることによる消費の増分を加えると、若い世代ほど不利益を受けるとは言えなくなる。ただし、政府債務の本格的な削減を図る場合には、若い世代や将来世代に大きな負担がかかることに留意が必要である。
 人生100年時代には65歳の現役引退は早すぎる。10歳長く働く制度作りを進めるべきだ。長寿命化に伴う追加的な消費を十分享受できるよう、健康寿命を延ばすことが重要になる。
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