日本経済研究センター経済予測班では、経済予測・分析の中で見えたトピックスに焦点を絞ったリポート、「経済百葉箱」を創刊します。経済はしばしば気象にたとえられますが、「百葉箱」はご存知のように、気温や湿度を正確に測定するための箱であり、「観測」の原点となる存在です。本リポートは随時掲載します。
日本では1990年代後半から緩やかなデフレが続いている。その背景については従来から様々な議論が展開されているが、デフレ脱却を最優先課題に掲げ誕生した安倍新政権が、財界に対して異例の賃上げ要請を行うなど、最近、「賃金」がデフレ脱却のための重要な要素として注目されている。そこで本稿では、本当に賃金がデフレ脱却のカギを握っていると言えるのか、日本と経済的なつながりの深い米国や、日本と同様に少子高齢化が進行する韓国などと比較しながら、詳しく検討する。▼ ポイント ▼●米国とは異なり、日本・韓国では賃金の変化が物価に大きく影響している。●日本では雇用より賃金を調整する傾向が強まったことがデフレに寄与(賃金デフレ)。●デフレ脱却の鍵は賃金が握っており、中でも所定内給与の引き上げが必要。