トップ » 研究リポート » 金融研究 » 2011.12

2011.12 金融研究

銀行経営に3つの「脆弱性」
―表面上は収益改善も、ダウンサイドリスク潜む

2011年12月27日発表
主査:岩田一政・日本経済研究センター代表理事・理事長
総括:平田英明・日本経済研究センター研究本部(金融班総括)副主任研究員/法政大学経営学部准教授

本文本文JCER NET メンバー限定

金融研究班 阿部 直正、上田 翔一、金岡 諭史、澤 大輔、杉本 拓郎、武井 哲也

2010年度の銀行決算を詳細に分析し、銀行経営に内在する課題を探った。収益は09年度から改善、リーマン・ショックの影響からは立ち直ったが、11年度以降は東日本大震災が影を投げかける。震災、利ざやの低下に加え、銀行経営が抱える3つの「脆弱性」は、今後の収益のダウンサイドリスクとなりそうだ。

@ 不良債権基準の緩和で、従来なら同債権に区分された「予備軍」が水面下で増加している可能性がある。
A 運用先が国債に偏る傾向が強まっており、金利上昇時の価格下落リスクが大きくなっている。特に、地銀は大手銀行に比べ長期債の保有比率が高く、注意を要する。
B 地方金融機関が同一地域内で株式を持ち合うケースが増えており、地域で起きるショック(災害、地場産業の衰退、高齢化等)に対し、リスク分散機能が低下している。

金融機関のリスクに対する備えは、時間軸、地域といった点で十分に分散しているとはいえず、これらをいかに改善していくかが中長期的課題となろう。
※2012年1月6日に、全国銀行の修正総資産、実質自己資本比率@、実質自己資本比率Aを修正しました。

図表1 第二地銀、地銀の利ざや低下が顕著



図表2 西日本の地銀、第二地銀、域内での持ち合い傾向高い


注)上記数字は地銀、第二地銀のみを集計したもの。



△このページのトップへ

バックナンバーはこちら