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2017.3 産業ピックアップ

高齢者の医療・介護を考える
―健康寿命延伸とICT活用で介護の効率化を
―働く高齢者増でGDPを1.5〜2兆円押し上げ

 日本は世界でも類を見ない速さで少子高齢化が進行し、生産年齢人口が減少する中、国民医療費、介護保険給付費は増加を続け、財政を圧迫しており、社会保障制度が中長期的に破綻する懸念もある。産業調査班では、超高齢化社会において可能な限り介護を必要としない試みと、介護が必要になった場合への官民の対応、の2つの観点から現在の取り組みを整理・評価し、持続可能な医療介護システムの維持と経済の活性化につなげる方策を考えた。平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばし、不健康寿命をいかに短くするかが、医療費、介護給付費抑制のカギを握る。健康寿命を延ばし、働く高齢者が増加すると、少なくとも年間1.5〜2兆円、経済の押し上げ効果が見込まれる(総論図表)。健康寿命を延ばし、高齢者の自立を支援する官民の取り組みが始まっている。
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総論図表 高齢者の労働力率が高まれば財政負担の軽減に


(資料)国立社会保障・人口問題研究所、内閣府『平成28年版高齢社会白書』、国税庁『平成27年分民間給与実態統計調査』

産業調査報告


総論・各論概要
 
産業調査班
全文 / 目次 
 
小林辰男・主任研究員(監修)
宮ア孝史・副主任研究員
青蝟ヴ(東日本銀行より派遣)
長島嘉洋(足利銀行より派遣)
中村亮介(八十二銀行より派遣)
吉田諭史(横浜銀行より派遣)

収録内容
<総論>
 1.医療・介護は急速に財政を圧迫
 2.健康寿命の延伸策とICT・ロボのフル活用がカギ
<各論>
第1章 医療・介護制度の現状
1−1.日本の医療・介護制度の概要――2020年代半ばに負担急増
1−2.海外の医療・介護制度
第2章 超高齢社会の到来に向けた論点
2−1.生涯活躍社会の実現に向けて――健康寿命とQOLの向上を
2−2.介護現場の課題と取り組み処遇改善策がカギ
BOX 1 在宅医療を支える――セコムの医療サービス事業
第3章 まとめ
3−1.健康寿命の延伸――潜在的な経済効果は巨額の可能性
3−2.介護現場の効率化・産業化――機器の導入促進に期待
BOX2 “就労寿命”の延長を―医師・高齢者・家族・社会の意識改革が不可欠
インタビュー  石蔵文信・大阪樟蔭女子大学教授(循環器・心療内科医)
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16年度産業調査シリーズ
「非製造業も生産性の向上を−外需獲得とICTの活用が成長のカギ、訪日外国人増加でサービス収支黒字化へ」(16年12月)
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