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日本経済研究センターは日本企業のアジアに対する強い関心にお応えするため、2015年度から新たに「アジア経済短期予測」を年2回(2月、8月)、ホームページ上で発表しています。対象国は中国およびタイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアのASEAN4カ国です。GDPを中心にした各種指標を通じて各国経済の現況や短期見通しを紹介するとともに、注目すべきトピックスもグラフを使って分かりやすく解説します。みなさまのビジネスの参考となれば幸いです。また、アジア経済の中期予測も年1回発表予定です。

第3回アジア経済中期予測(2017-2030年)

デジタル・アジア5.0――イノベーション力が変える勢力図

日本経済研究センターは「アジア経済中期予測」(予測期間2017-30年)をまとめた。予測対象は中国、インド、NIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)、ASEAN5(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム)の11ヵ国・地域。さらに日本、米国についてもアジア各国・地域との比較のため加えた。

 第2次世界大戦終結後、アジアは地域戦争や経済危機などの転機を経て、成長の突端となる国・地域が次々と変遷し、全体が成長してきた。成長点となった国・地域は、情報関連機器などのイノベーションに産業構造をうまく対応させ、米国など先進国への輸出を中心に経済を拡大させた。アジア通貨危機(1997年)後から今に至る時期は、中国が「世界の工場」として地位を固めた「アジア4.0」と位置づけられ、スマートフォンの普及などでデジタル技術があらゆる産業や生活分野に及ぶ時代となり、第5フェーズ(5.0)に入りつつある。

中国成長率は生産性伸びるも2.8%に鈍化
 デジタル技術などイノベーションへの対応力が国・地域の経済成長を大きく左右するとの観点から、アジア諸国の経済予測をした。今後10年間で高い成長率を誇るのはフィリピン(2030年6.4%)、インド(同5.2%)、ベトナム(同5.0%)だ。2016年に6.7%とインドと同程度の成長率だった中国は2030年に2.8%にまで減速する。中国は生産性の寄与度は高いものの、資本ストックの調整が進む。

インドは2028年に経済規模で日本抜く
 中国は成長率は減速するものの、2016年に米国の6割程度だった経済規模は2030年までに8割超の大きさに迫る。ただし米国には追いつかない見通しだ。日本との格差は2030年には4.4倍に広がる(2016年は2.3倍)。2016年に日本の5割ほどだったインドは2028年に日本を追い抜き、2030年には1.2倍になる。2030年代にはインドが中国からアジア経済成長のけん引役を引き継ぐ姿が視野に入るだろう。またインドネシアは韓国を追い上げ、2030年にほぼ肩を並べる。フィリピンが2027年にタイを抜き、2029年に台湾を抜く。人口でも経済でもアジアの重心が東アジアからインドやASEANなど南方にシフトしていく。

 1人当たりドル建てGDPでは、マレーシアが2023年に、中国が2年遅れて2025年に高所得国入りする。タイはあと一歩で高所得国になれない。インドネシアは2019年、フィリピンは2022年、ベトナムは2028年に高位中所得国となる。高成長のインドは2030年に高位中所得国に僅かに及ばない。シンガポールはアジアでは米国を追い上げる唯一の国となり、香港、日本に差を付ける。他方で日本は香港との差も拡大し、韓国に追い上げられる構図となる。


第3回 アジア経済中期予測 報告書 『デジタル・アジア5.0――イノベーション力が変える勢力図』

報告書全文    /  概要

各章 

はじめに
第I部 アジア発展の歴史分析 ――危機、イノベーションで成長点シフト上原正詩
第II部 生産関数を使ったマクロ経済予測 ――高成長の主役は中国からインド、フィリピン、ベトナムへ田原健吾、茂木洋之、真鍋和也ほか
第III部 最先端産業の動向 ――2030年のスマホ、半導体、決済、自動車ビジネス(寄稿)
 第1章 ポスト・スマホは「イヤホン」「グラス」「ウォッチ」 ――AI音声アシスタント登場が追い風に山根康宏
 第2章 半導体産業、3DメモリーやフリーCPUで構造変化 ――先行する韓台に中国追随、異業種参入も津田建二
 第3章 加速する中国のスマホ決済 ――消費シーンのイノベーションを喚起趙瑋琳
 第4章 自動車産業、新エネルギー車へ大転換 ――中国が世界市場を先導へ和田憲一郎
結び

予測総括表

総括表 2017-2030年のアジア経済予測  

説明会スライド

説明会スライド(2017.12.6.)  

報告書 会員限定販売:3,000円+税(送料別)

【お知らせ】

※アジア経済中期予測関連セミナー 東京説明会を12月6日、大阪説明会を12月8日に開催しました
※12月5日 報告書全文を掲載しました。会員の皆様には報告書を12月8日にお送りしております。
※12月6日付日本経済新聞朝刊・国際1面に関連記事が掲載されました。
※12月7日 Nikkei Asian Reviewウェブサイトに記事が掲載されました:India's economy to be world's No.3 by 2028: forecast


【アジア経済中期予測】

第2回アジア経済中期予測:中国・ASEAN4(2016.9.27.)

Asia's Path to 2030 -- China's economy will undergo a difficult phase (※中期予測報告書英文サマリー 2016.9.28.)

【研究リポート】


「タイ、デジタル政策「タイランド4.0」推進−デジタル・パークにIoT研究所、投資呼び水に」 (上原正詩 2017.9.7.)


「中国創業革命」シリーズ

「国際都市上海、スタートアップも国際的―チャイナクセラレーター、Xノードなど育成競う」 (上原正詩 2017.8.4.)

「杭州、浙江大学人脈にアリババが加勢―「夢想小鎮」に「大衆創業」で800社集結」 (上原正詩 2017.8.2.)

「深圳発、モノ作りスタートアップの作り方―華強北のアクセラレーター「HAX」の挑戦」 (上原正詩 2017.7.31.)

「深圳、中国の「新シリコンバレー」に―電気自動車、ドローンなど新ハイテク産業集積」 (上原正詩 2017.7.26.)


※その他、アジアに関する情報は「中国・アジアウォッチ」に。

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