2012年1月6日発表 迫 昭彦 、<監修>坪内浩 、小林辰男
5〜10年先を考えるのが中期予測のミッション。今の延長線上に何があるのか、先行きを左右するポイントは何か、研究員がいくつかの角度から検討します。
◆<中国のエネルギー問題>CO2削減の国際公約、余裕ある目標―モータリゼーションの緩やかな進行、鉄鋼部門の近代化が成長制約回避のカギに(迫 昭彦)(12/01/06) 中国は2009年に地球温暖化防止への貢献策として2020年時点でのCO2排出削減目標を国際的に公約した。GDP1単位当たりのCO2排出量を05年比40〜45%にするという。過去のトレンドを確認したところ、目標水準は国際エネルギー機関(IEA)が予測したエネルギー需要からみて比較的余裕がある。今後10年の中国の経済成長にとってエネルギー需要が大きな制約要因とはならない可能性が高い。 一方、懸念材料もある。20年時点では重化学工業へ過度に依存する成長パターンは依然として継続しているだろう。著しく進むモータリゼーションや重工業依存の成長が、自縛として制約要因となる恐れも残る。ミクロには石油需要の5割近くを占めると言われる自動車の保有台数の動向、鉄鋼業における石炭消費率の改善が、どの程度の速度で進むかが、国際公約を達成するうえでカギを握ることになる。 中国は09年の気候変動枠組み条約第15回会議(COP15)でGDPあたりCO2排出量削減の目標を05年比40〜45%と公表した。本稿ではこの目標をエネルギー原単位(GDP一単位当たり生み出すのに必要なエネルギー量)の目標に換算した上で、想定される経済成長率の下で20年にどれ位のエネルギー消費量に相当するかを計算する。(2012年3月7日)報告書の発刊にあたり、フォーマットを統一しています。また、最新の中国経済見通しに合わせています。