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第44回(標準シナリオ)中期経済予測(2017-2030年度)

成長の芽を見出せない日本経済
―賃金配分低く 投資も加速せず―

足元の日本経済は、海外景気の好調等に支えられ、景気拡大を続けている。しかし、中期的な経済見通しは依然として慎重にみる必要がある。力強い成長へと至らない要因のひとつとして、現在の所得の偏在が挙げられる。足元の企業の投資も上向いてきたとはいえ、収益の伸びと比べれば緩やかであり、また、更新投資や省力化に注力したものが多いことから、新規市場や商品の開拓による生産性向上への効果は限定的となる。また、高い生産性の向上が見込めない中で、労働需給がタイト化しても、賃金の上昇は低調であり、消費の伸びも期待できない。内需の伸び悩みが続けば、企業の期待する経済成長率は低くとどまり、国内への投資が抑制されると考えられる。
 この流れを変えていくには、新たな成長の芽を見出す必要がある。まずは、前向きな投資や人材活用により生産性を高め、そこから得られる成果をさらに賃金に振り向けるなど、所得分配のバランスを回復していく姿が求められるだろう。


中期予測は、来年3月に改革努力を織り込んだ「改革シナリオ」を公表する予定です。その際、今回公表する「標準シナリオ」については、12月に公表される国民所得統計の年次推計値などを踏まえ改定版を併せて公表する予定です。


<予測のポイント>

・成長力: 潜在成長率は、2020年代後半には0%台半ばに低下
・物価: 消費者物価上昇率は予測期間中1%程度にとどまる
・賃金: 物価並みの伸び率にとどまり、実質賃金は横ばいで推移
・財政収支: 緩やかな改善にとどまり、2030年までに赤字を解消せず
・経常収支: 対GDP比3%以下まで緩やかに低下
・産業: 製造業は内需先細りで外需頼みへ、医療・福祉では大幅な雇用増



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