中期経済予測
中期経済予測(論点)
貿易自由化でグリーン成長の後押しを
−関税撤廃で日本のエコ製品輸出、0.8%増も
2012年3月23日発表
吾郷伊都子・研究生(日本貿易振興機構(ジェトロ)より派遣)
<監修>小林辰男・日本経済研究センター研究本部主任研究員
日本の環境物品(エコ製品)貿易は、輸出額が輸入額を一貫して上回っている。総額で31年ぶりの赤字を記録した2011年でも黒字を維持した。07年以降は中国やNIES諸国の台頭によって黒字幅は縮小傾向にあるが、環境分野は日本が競争力を持つ分野の一つである。本稿は貿易自由化がエコ製品の貿易にどのような影響を与え、日本のグリーン成長に寄与するのかどうか、可能性を探った。
| <ポイント> |
(1)
| 日本の環境物品の輸出額は2兆円(輸出総額の2.9%)で、貿易収支は一貫して黒字。競争力を持つ分野だが、最近は中国やNIESの世界シェアが増大。 |
| (2) | 環境物品の関税を撤廃した場合、日本の輸出は少なくとも0.8%増加する可能性がある。 |
| (3) | 環境物品の定義は、各国の溝が埋まらず世界的な合意ができていない。日本は対外的には輸出対象を明確化するための定義の確定、対内的には環境分野での技術革新に向けて努力することが重要である。 |


第38回中期経済予測(2011年度−2020年度)
エネルギー・国際分業、迫られる再構築
−除染費用、国民に重い負担
2012年3月2日発表
総主査:岩田一政・日本経済研究センター代表理事・理事長
主査:坪内浩・日本経済研究センター研究本部主任研究員
我が国経済は東日本大震災から急速に回復しつつあるが、原発事故を受けてエネルギー供給の構成について大幅な見直しが迫られており、欧州における信用不安の広がりなどを背景に各国の成長率の見通しが下方修正されている。そうした中で、我が国経済は着実な成長を続けることができるだろうか?こうした問いに答えたのが今回の中期予測である。
本論については、当センターが昨年12月に公表した第38回中期経済予測「エネルギー・国際分業、迫られる再構築−除染費用、国民に重い負担」(以下12月予測)を改訂した。主な変更点は以下のとおり。
1.欧州における信用不安の広がりなどにより世界経済の予測を下方修正(世界成長率は予測期間前半4.7%(12月予測は4.9%))。
2.WTI原油価格については、足元の実績を織り込む形で2020年に154.1ドル/バレルに上方修正(12月予測では146.9ドル/バレル)。
3.SNAの基準改訂を踏まえ2005年基準のGDP予測とする(12月予測は2000年基準のGDP予測)。
4.標準シナリオの消費税率の引き上げスケジュールを政府案のとおり2014年4月より8%、2015年10月より10%とした(12月予測は15年度から1%ずつ引き上げ19年度に10%の税率)。
5.人口予測を日経センターが独自に作成した(12月予測は国立社会保障・人口問題研究所の予測(平成18年12月推計)を参照した)。


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