トップ » セミナー » 読むゼミ

読むゼミ

講演内容を文章に要約した抄録です。講演開催から2週間程度で掲載していますので、ご利用ください。
※読むゼミ原稿は、日経センター担当者が録音テープをもとにまとめ、講師のチェックを受けています。
※半年ごとにまとめて掲載しています。過去のセミナー(バックナンバー)は下の窓の「開催時期」から時期を選択いただき、ボタンを押すと表示されます。

「聴くゼミ」はこちら。

シリーズ「徹底研究トランプ政権」の講演録集はこちらNEW

連続セミナー「論争マイナス金利政策」の講演録集はこちら / 『激論 マイナス金利政策』出版しました

バックナンバー(開催時期)

2017年1月〜6月開催のセミナー

香港返還20周年、自由都市の行方
2017年6月23日(金) 開催  (掲載日:2017年7月10日)
日本経済研究センター
講師
倉田徹・立教大学法学部教授
要旨
民主化の実現は白紙に―「国家の安全」優先へ
@香港返還により「一国二制度」によって香港は自由都市と位置づけられているが、返還50年後の2047年には、どのようになっているのか。中国政府の指導者の考えによって対香港政策が変わっていく中で、香港の若者たちは「中国化」による香港の変質への危機感を抱き、民主化運動を展開している。
A香港返還直後に起きたアジア通貨危機、重症急性呼吸器症候群(SARS)の大流行で香港経済は失速した。それを支えたのは中国からの旅行者の「爆買い」などだ。中国政府は香港に対してアメとムチの政策を使い分けて、不人気だった香港行政長官を解任させるなどした一方、香港の普通選挙を認めないなどの強硬姿勢をとっている。
B中国の強硬路線に対し香港の対中感情は悪化している。7月1日の香港返還20年式典で習近平国家主席が何を発言するかで、今後の香港政策が見えてくるだろう。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪シリーズ スタートアップ経済≫第2回
フィンテックが変える経営戦略
2017年6月22日(木) 開催  (掲載日:2017年7月12日)
日本経済研究センター
講師
伊藤千恵・電通国際情報サービス金融事業開発部長
要旨
金融サービスは機能分化、主導権は利用者へ―業種を超えたオープンイノベーションが重要
@フィンテックの本質は、音楽のiTunes、出版のAmazonなどと同じように、金融サービスの主導権(どういった金融サービスを使うか)が利用者側に移っていく大きな潮流である。
A金融サービスは、家や車を買いたい、子供の将来のためといったより本源的な欲求に付随している。そこに機能毎に分割(アンバンドル化)された個別の金融サービスが用意され、場面に応じて最適なサービスを選択できるようになる。日本では、まだそれには10年くらいの時間がかかるだろう。
Bフィンテックは全業種の基礎部分に関連し、あらゆる業種/事業/サービスで、フィンテックによる恩恵または影響、もしくは考え直さなければならない部分が必ず発生する。新たなビジネスの芽は異業種間の領域にあると考える。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
第54回通常総会記念講演
見えてきた「日本のAI技術戦略」
2017年6月15日(木) 開催  (掲載日:2017年6月27日)
日本経済研究センター
講師
安西祐一郎・日本学術振興会理事長
要旨
日本らしい技術とサービスの発揮を―ユーザー企業主導の戦略がカギ
@産学官が集った人工知能技術戦略会議において、日本の人工知能(AI)技術の研究開発目標と産業化のロードマップが策定された。4つの重点分野を定め、2030年の社会を予測し、必要とされるAI技術の姿を明らかにした。
A米国の情報技術(IT)大企業は戦略の一環として、AIを含む先端情報通信技術に大規模な投資をしている。AI技術の利用では、ユーザー企業が中心的な役割を果たし、大学やIT企業の技術を活用する段階に突入している。
B日本は、AIが使える技術を迅速に見極めて直ちに活用する一方で、何が商品化するかを見通し、先手を打つことが重要である。人と人、人とモノをつなぐ日本らしい技術やサービスを活かした研究戦略を構築するべきだ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第9回
世界はどう変わる:日本の戦略は?
2017年6月8日(木) 開催  (掲載日:2017年6月22日)
日本経済研究センター
講師
田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長
司会)泉宣道・日本経済研究センター研究主幹
要旨
日本は近隣諸国の成長余力に活路を
@冷戦の終結がもたらしたグローバライゼーションは、25年の時を経て様々な問題を顕在化させた。グローバライゼーションによる格差拡大はポピュリズムの台頭をもたらし、トランプ政権が生まれた。トランプ大統領による‘America first’は米国のリーダーシップを著しく棄損し、従来の外交モデルは転換期を迎えている。今後、トランプ政権は世界と対峙を深めていくだろう。
A日本にとってその影響が一番懸念されるのが北朝鮮問題だ。北朝鮮が核を戦力として持つまでの猶予は2年程度しかないのではないか。米国はしっかりした出口戦略をもって行動すべきであり、日本もそれを認識して米国と協議しながらこの問題に取り組むべきだ。
B日本はこれまでのように米国に追随していく時代は終わった。日本の利益を突き詰め、日米安保体制の中で日本の役割を拡大すると同時に成長余力の大きい近隣諸国の活力の取り込みも重要だ。その上で、プロフェッショナリズムに基づいた政官の関係が求められる。
詳細(PDF)はこちら
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
株価座談会
トランプ政策と日本株−2017年度の相場展望
2017年6月7日(水) 開催  (掲載日:2017年6月8日)
日本経済研究センター
講師
阪上亮太・JPモルガン証券株式調査部チーフ株式ストラテジスト
伊井哲朗・コモンズ投信社長兼最高運用責任者
司会)田中直巳・日本経済新聞社証券部長
要旨
 6月7日に日本経済研究センターが開いた株価座談会では、コモンズ投信の伊井哲朗社長兼最高投資責任者(CIO)とJPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストが、日本企業の稼ぐ力の回復が株価を牽引するとの意見で一致。日経平均株価は今年度後半にかけ2万1000円を超える可能性も。
17年6月8日付日経新聞朝刊に掲載の関連記事ははこちら
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
どうなる欧州経済―「重心」シフトを読む
2017年6月6日(火) 開催  (掲載日:2017年6月19日)
日本経済研究センター
講師
田中理・第一生命経済研究所主席エコノミスト
要旨
英国、合意なきEU離脱の懸念―ECBは緩和縮小、理事人事に注目
@欧州経済の今後を占ううえで、政治リスクに引き続き注目している。まず英国では総選挙で保守党が予想外の退潮をみせたことにより、政権運営は難航が予想される。欧州連合(EU)からの離脱交渉が時間切れとなり、合意なき離脱に追い込まれる可能性がある。
Aフランスはマクロン新大統領が議会基盤の確立に成功したが、改革を実行できるかが次の焦点。ギリシャは来夏の支援終了までに国債発行を再開できるかが鍵。最も不安定なのはイタリアで、来春までに予定される総選挙で、万一、反体制派が政権を握るようだと、共通通貨のユーロからの離脱懸念も浮上する。
B足元の経済は安定的に成長しており、欧州中央銀行(ECB)は大規模金融緩和の縮小に転じそうだ。賃金・物価の低位安定で、慎重な舵取りが想定される。中期的には緩和縮小によって政治的な動揺が金融市場に影響を与えるリスクが再び高まる懸念がある。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第8回
経済政策はどう変わるか―日本企業の向き合い方
2017年6月2日(金) 開催  (掲載日:2017年6月21日)
日本経済研究センター
講師
山越厚志・日本経済団体連合会米国事務所長
要旨
日本企業の米国への貢献を発信したい―連邦・州レベルの働きかけで相乗効果を
@世界に大きな衝撃を与えたトランプ大統領の誕生は、米国社会が抱える構造問題を反映している。すなわち、グローバル競争激化による地方の疲弊や格差の拡大、それに伴う貧困層の絶望と怒り、ミドル・クラスの不安などが、ワシントン、ニューヨークの政治・経済・メディアのエリートに対する批判となった。
Aトランプ政権発足から100日以上が経過したが、保守派の最高裁判事任命や規制緩和の動き以外に、目立った功績は指摘されていない。むしろ、環太平洋経済連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉は、米国経済の将来に禍根を残すのではと懸念されている。
Bトランプ支持者は、これまでの勢力に対する反感から熱心な支持を続けている。米国が抱える構造問題の解消は容易ではないが、日本企業が各地に根ざして米国の経済・社会に貢献してきたこと、そして今後ますます貢献し得ることを粘り強く発信して行きたい。
詳細(PDF)はこちら
第4次産業革命の中の日本―産業にみるAI・IoTの活用度
2017年5月26日(金) 開催  (掲載日:2017年6月16日)
日本経済研究センター
講師
坂内隆・本田技研工業環境安全企画部部長
永井歩・アスタミューゼ社長
井上知義・日本経済研究センター主任研究員
司会)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
要旨
投資は日本の得意分野へ集中を―生産性向上、レガシーからの脱却が必要
@人工知能(AI、Artificial Intelligence)、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)といった情報通信技術の進化と普及は、第4次産業革命とも言われ、経済社会構造が大きく変化しようとしている。そうした中でわが国経済、産業はどう変わるのか、企業や政府はどう対応すべきか。判断が迫られる局面に来ている。
A日本企業は、AI・IoTへの投資は費用対効果の把握が難しいため、投資判断を避ける傾向がある。また、投資をしても生産性向上に結びつかない産業も存在する。一方、自動車産業では、環境、安全等の技術で欧米に比べ優位性がある。こうした得意分野で集中的にAI・IoTへの投資を行えば、投資拡大のサイクルが生まれる。
BAI・IoT投資にあたっては、負のレガシー(遺産)である既存のシステムや業務体制の抜本的な改革を併せて行うことが不可欠である。AI・IoTの有効活用が実現すれば、経済成長率4%程度の押上げ効果が期待できる。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(永井氏)
セミナー資料(井上)
※関連リポート:第4次産業革命の中の日本
「ICT活用、最優良企業並みなら成長率4%押し上げも−ハードとヒト偏重の経済社会体制からの脱却を」(2017年5月25日発表 日本経済研究センター)
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第7回
激震走る日本、中国、朝鮮半島
2017年5月25日(木) 開催  (掲載日:2017年6月12日)
日本経済研究センター
講師
薮中三十二・立命館大学特別招聘教授
司会)泉宣道・日本経済研究センター研究主幹
要旨
トランプ期待失速、世界はリーダー不在の時代―北朝鮮問題で中国の役割重視、日本はアジアと共生も
@トランプ政権はオバマケア代替法案漂流やロシア疑惑で、期待が失速している。世界はリーダーレス(不在)の時代に入ったとの認識が必要だ。
A中国に対しては先の習近平主席訪米の際にも高い評価を示し、当面良好な関係を維持する可能性が高い。米国は北朝鮮問題を優先し、この分野で中国の役割に期待している。経済問題は先送りし、南シナ海問題の優先度も低下させている。
B北朝鮮の大陸間弾道ミサイル開発に強い危機感を抱き、「全ての選択肢」をちらつかせている。当面、中国がカギを握るが、ギリギリの局面で何らかの対話に入る可能性がある。
C日本は、従来にも増して米国だけに頼らないアジア外交が必要となる。東シナ海油ガス田を巡る中国の動きなど、日中協調の可能性を探る中国側のメッセージを見逃さず、東アジアとの共生を目指す針路を追求すべきだ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪特別連続セミナー どうなる財政 どうする財政≫第4回
金融政策との接点
2017年5月24日(水) 開催  (掲載日:2017年6月9日)
日本経済研究センター
講師
翁邦雄・法政大学大学院政策創造研究科客員教授
司会)菅野幹雄・日本経済新聞コメンテーター
要旨
金融政策による財政コスト軽減は疑問―急がれる出口議論、周到な準備を
@日銀の「長短金利操作付き量的・質的緩和」政策には将来の自然利子率を低下させるなどの副作用がある。金融政策は本来、需要の「前借り」であり、潜在成長率引上げにはつながらない。
Aヘリコプターマネーや国債の永久債への組み換え、政府紙幣発行など、金融政策に関連させて財政コストを抑えようとする提案は、「統合政府」の観点に立てば、ほとんど効果はない。ただ日銀が無利子永久国債を引き受け、かつ独自の判断で売却可能とする岩村早大教授の提案は、金融政策の自由度を高める点で興味深い。
B金融緩和の出口で金利が上昇すると、日銀は長期にわたり損失を計上、国庫納付金は納められなくなる。また、金融システムの安定性を確保するうえでも、出口戦略に関し、周到な議論と準備が急がれる。
詳細(PDF)はこちら
大統領選後の韓国の行方
2017年5月16日(火) 開催  (掲載日:2017年6月5日)
日本経済研究センター
講師
西野純也・慶應義塾大学法学部教授、現代韓国研究センター長
要旨
文在寅政権を待ち構える構造問題―日韓関係の再構築には時間も
@史上初の弾劾・罷免を受けて行われた大統領選挙は、最終的に保守・革新の対立が鮮明に現れる結果に終わった。文在寅(ムン・ジェイン)政権には、韓国社会に蓄積された閉塞感を打破する改革と、世論の分裂を回復する国民統合という、矛盾を含んだ使命が与えられている。
A本来の政権移行期間も無く発足した文政権だが、国会では少数与党であり、閣僚の任命にも時間が必要になるため、当面は大統領周辺の人材が政権運営の要になる。国民の間では国民統合・過去の精算に加えて、雇用などの経済問題・政治改革に期待が高い。高齢化社会を迎えて、社会保障問題への関心も高まりつつある。
B選挙期間中は北朝鮮との対話を強調していた文大統領だが、対米関係が最大の外交課題であり、同時に中国・ロシアとの関係強化にも取り組むだろう。世論の理解がこれまで以上に必要な点から、日韓関係の改善には双方が粘り強くならなければならない。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
徹底討論ASEAN経済―シンガポール&マレーシア編
2017年5月12日(金) 開催  (掲載日:2017年5月29日)
日本経済研究センター
講師
熊谷聡・日本貿易振興機構アジア経済研究所 新領域研究センター経済地理研究グループ長
小林公司・みずほ総合研究所上席主任研究員
モデレーター)牛山隆一・日本経済研究センター主任研究員
要旨
マレーシア経済、企業間の競争促進がカギ―シンガポール、生産性向上の難題
@マレーシア経済は1人当たり国内総生産(GDP)が1万ドルを超え、順調に成長してきた。長期にわたって成長が止まるような「中進国の罠」は考えにくいが、将来、経済発展へのプロセスが完了した時点でも4−5万ドルの所得には達しないかもしれない。ブミプトラ政策の下でマレー系の資本保有比率を高めるという目標が、政府系企業への過度の優遇や、華人系資本の活用不足を通じて、企業部門の非効率性につながっている。
Aシンガポール経済は、1990年代以降、実質経済成長率が趨勢的に低下してきたが、成長要因の内訳をみると、生産性要因が縮小し、殆ど労働投入要因により成長が支えられているという問題が浮かびあがる。新産業育成への明確なビジョンを欠く中、今後成長維持のためには、外国人労働力受け入れ継続が必要だが、管理専門職などの流入でシンガポール人との競合が発生、これが中間層の不満につながり政治的にも悩ましい状況を生んでいる。
B日本企業の投資先として見た場合、マレーシアは、ミドルマネジメント層が育っているほか、イスラム圏やインド市場などへのアプローチが可能などの利点がある。一方、シンガポールは、コスト上昇などにより、地域統括拠点としての優位性が薄れる懸念がある。
詳細(PDF)はこちら
資料
熊谷氏セミナー資料
小林氏セミナー資料
≪特別連続セミナー どうなる財政 どうする財政≫第3回
社会保障と働き方の一体改革を
2017年5月9日(火) 開催  (掲載日:2017年5月24日)
日本経済研究センター
講師
八代尚宏・昭和女子大学グローバルビジネス学部長・特命教授
司会)河越正明・日本経済研究センター主任研究員
要旨
社会保障制度の改革急げ―政府と民間の適切な組み合わせを
@日本の財政赤字の主因は高齢化による社会保障費の膨張にある。高齢者に偏った現在の制度を、雇用慣行を含めて人口減少社会に対応した仕組みに作り変える構造改革を加速する必要がある。
A社会保障費削減に向けて年金改革が急務。支給開始年齢の70歳への引き上げなど世代間格差縮小を目指す。現行制度が持続できなければ最大の被害者は高齢者自身であることを説得すべきだ。同時に、高齢者が活躍できるよう定年制等の年齢差別を禁止できる雇用・賃金制度の導入もセットで行う必要がある。
B医療費も大部分を高齢者が占めている。「家庭医」を積極的に導入し、高齢者の重複受診や過剰診療を抑制し、医療費削減が必要だ。介護保険も政府の基礎的介護に民間の上乗せ介護を適切に組み合わせる「混合介護」を実現するべき。市場経済をうまく応用すれば、介護サービスは高齢化社会の成長産業になりうる。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
<大阪>北東アジアの地政学的変化―朝鮮半島情勢を読み解く
2017年4月24日(月) 開催  (掲載日:2017年5月8日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
李相哲・龍谷大学社会学部教授
伊集院敦・日本経済研究センター首席研究員
要旨
金正恩政権支える「宮廷経済」―現体制下での非核化は困難
@現在の北朝鮮の経済は、密輸入などのヤミ経済と「宮廷経済」が支えている。「宮廷経済」とは故・金正日総書記が作り上げたもので、いわゆるロイヤルファミリーや一部のエリート層たちだけの経済システムである。この経済システムは、国際社会から非難され、資金ルートの遮断にあって縮小傾向にある。
Aにもかかわらず、北朝鮮の金正恩政権は核開発やミサイル発射実験にこだわり続けている。北朝鮮は韓国を制圧したいと常に考えており、現体制を維持するためにも、核やミサイルは必要と思っている。したがって現体制下での非核化はあり得ない。
B最近、北朝鮮で起きていることは、「宮廷経済」をキーワードに考えると理解しやすいのではないか。叔父の張成沢氏が処刑されたのも、実兄の金正男氏が殺害されたのも、マネーを巡る争いが原因ではないかと考えられる。
李氏講演詳細(PDF)はこちら
※参考16年度アジア研究報告書「転機の朝鮮半島―地政学的変化と北朝鮮経済」
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第5回
アジア・中国政策はどう変わるか
2017年4月21日(金) 開催  (掲載日:2017年5月11日)
日本経済研究センター
講師
青山瑠妙・早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
要旨
協調と対立で揺れる米中関係、見えぬ方向性―中国は多国間協力通じ影響力拡大図る
@トランプ政権は対中強硬派が要職の多くを占める。米国の「関与政策」の見直しが必要との評価でおおむね合意が得られているが、どのように見直すべきかについては意見が対立している。米中首脳会談でも、今後の方向性は見出せなかった。
A習近平体制における対外戦略の主軸は「一帯一路」構想である。世界における米国の影響力が低下し、ヨーロッパでも政権が不安定化している今、中国は多国間協力を通じてグローバル・ガバナンスへの積極的な参加を図っている。
B米国にとって米中関係と日米関係はともに重要であり、トレード・オフの関係にはない。対アジア政策において日本は重要な同盟国であり、ミサイル発射実験および核開発を巡る北朝鮮の問題では、中国の協力が欠かせない。また、アジアの未来を占ううえでは、米中に加え、ロシアの動きを見ていく必要がある。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
原子力に未来はあるのか―存続・脱原発それぞれの課題
※セミナー関連リポートはこちら
2017年4月18日(火) 開催  (掲載日:2017年5月8日)
日本経済研究センター
講師
橘川武郎・東京理科大学大学院イノベーション研究科教授
山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事・研究所長
鈴木達治郎・日本経済研究センター特任研究員、長崎大学核兵器廃絶研究センター長・教授
司会)小林辰男・日本経済研究センター主任研究員
要旨
国内原子力、再編は不可避に―信頼回復には情報公開と本音の議論−
@信頼回復なしに原発維持は不可能だが、客観的な情報やデータの公開が不足しているうえ、避難計画などは客観的な評価も受けていない。第三者機関などによる中立的な情報発信が大切だ。そのうえで合理的で論理的な議論を本音でできる環境づくりが求められる。
A再稼働が難しい状況にある沸騰水型(BWR)原発は、強い発電事業者として再編し、公益電源として活用することも有力な選択肢だ。その際に東電は、原子力を持たない事業会社として電力自由化時代に生き残れるだろう。
B長期的な脱原発は経済的にもエネルギー安全保障上も問題なく達成できる可能性はある。しかし、その際も廃炉や廃棄物処理などの人材を確保、育成することが欠かせない。ただ世界では新興国を中心に原発が増える余地も十分にあり、原子力の未来を悲観的に考える必要はないとの見方もあった。
詳細(PDF)はこちら (5/22から一般公開)
資料
橘川氏セミナー資料
鈴木氏セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪特別連続セミナー どうなる財政 どうする財政≫第2回
財政再建と経済再生
2017年4月14日(金) 開催  (掲載日:2017年5月2日)
日本経済研究センター
講師
伊藤元重・東京大学名誉教授、学習院大学国際社会科学部教授
司会)実哲也・日本経済新聞社上級論説委員
要旨
2025年までの社会保障改革戦略を― データに基づく政策を打て
@財政の持続可能性を考える上で、マクロ経済全体を考慮せずに議論することは不適切であり、財政赤字のみを問題視するのは好ましくない。近年の厳しいマクロ経済環境の中で、日本の財政は徐々に健全性を回復させつつあると評価すべきである。
A日本の財政問題は、累積債務、毎年の赤字、社会保障支出の増加の3点に分類できる。それら全てを一挙に解決できる手段は存在しない。機械的な増税・歳出削減による効果にも限界があり、十分な解決策にはなりえない。金融政策の影響も考慮しつつ、慎重な経済・財政政策の運営が必要だ。
B長期的に考えると、財政健全化には社会保障支出の削減が最も重要な課題だ。後発医薬品の普及、地域間格差の解消など、事実とデータに基づいた政策を地道に推進するべきだ。自治体、保険者、医療・介護関係者、サービスの受益者である国民それぞれが自覚を持って問題に対処することが、日本では不可欠になる。
詳細(PDF)はこちら
≪シリーズ スタートアップ経済≫第1回
大学発ベンチャーとイノベーション・エコシステム
2017年4月13日(木) 開催  (掲載日:2017年5月1日)
日本経済研究センター
講師
各務茂夫・東京大学教授・産学協創推進本部イノベーション推進部長
要旨
大企業によるベンチャーの戦略的取り込みがイノベーション創出の鍵―米国に習い、日本も好循環の確立を
@日本の経済成長が鈍化する中、イノベーションを生み出す役割を大学に期待する声が高まっている。東京大学をはじめ国立大学が2004年4月に法人化され、大学で生まれる発明を資産として活用することが求められるようになった。大学発ベンチャーの設立もそうした流れの一つだ。
A日米の代表的企業の時価総額を比べると米国が日本を圧倒している。米国ではベンチャー企業など外部資源をM&A(合併・買収)を通じて取り込み、オープンイノベーションの実践を通じて成長に結び付けてきた。日本でも大企業がベンチャー企業のM&Aを数多く手掛けるようになれば、ベンチャーキャピタルによるベンチャー支援の拡大という好循環につながる。
B国立大学法人化を契機にこの十数年間に、東大からは約290社の大学関連ベンチャー企業が生まれている。資金提供などベンチャー支援の様々な仕組みができつつある。東大発ベンチャーで成功した起業家が新たな資金の出し手になるなど米国シリコンバレーに見られるようなロールモデルのケースが出てきている。日本は「課題先進国」から「課題解決先進国」になるべく大企業・ベンチャー企業・大学という3者が連携を更に深めていく必要がある。
詳細(PDF)はこちら
人工知能が変える10年後のビジネス
2017年4月12日(水) 開催  (掲載日:2017年4月27日)
日本経済研究センター
講師
野村直之・メタデータ社長
要旨
人工知能普及で雇用大崩壊のウソ―AI活用による生産性向上が急務
@汎用人工知能が出来る見込みは全くたっていない。現状の人工知能(AI)は道具にすぎない。AIが人間の仕事を代替出来るようになってきたが、人間味のある仕事は代替されない。むしろ、新しい技術の登場によって、将来、より高度なサービスへのニーズが高まる。より多くのアウトプットの実現のため、生産性の向上が急務だ。
A計算速度の向上とビッグデータによってディープラーニングが可能になった。既にAIは人間の認識精度を上回っている。ただし、AIを活用する上で、精度の目標設定が重要だ。目標に応じて開発コストや課題が変わってくる。また、正しい入力と出力のペアである「正解データ」をいかに低コストで作るかが課題だ。
BAIが人間の能力を全て代替する目途は立っていない。人間がAIに対してもっている優位性は、「なぜ」といった疑問を抱くことだ。人間がAIの劣化コピーにならないためにも、コミュニケーション能力や、人文科学、芸術への好奇心が欠かせない。
詳細(PDF)はこちら
<大阪>働き方改革の行方 ― 同一労働同一賃金と長時間労働
2017年4月12日(水) 開催  (掲載日:2017年4月21日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
水町勇一郎・東京大学社会科学研究所教授
要旨
時間外労働に上限規制を導入―非正規処遇改善へ指針も整備
@政府の働き方改革実現会議はこのほど働き方改革実行計画をまとめた。議論したテーマは9項目に上るが、最重要課題は、同一労働同一賃金の実現による正規雇用労働者・非正規雇用労働者の待遇差解消と長時間労働の是正、この2点である。
A長時間労働の是正では、法改正による時間外労働の上限規制の導入と、勤務間インターバル制度の普及を打ち出している。また、現行制度で時間外労働の限度基準告示の適用除外となっている自動車運転、建設事業についても5年後に上限規制を導入する。
B同一労働同一賃金の実現に向けては、ガイドラインの策定と法改正の2点を実行することになっている。ガイドライン案はすでに具体的な内容が示されており、均等・均衡待遇を確保することと、賃金だけでなくすべての待遇を対象とすることがポイントだ。このガイドライン案を基に、今後法改正の立案作業が進む。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(水町氏)
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第4回
通商政策とグローバル化の行方
2017年4月10日(月) 開催  (掲載日:2017年4月17日)
日本経済研究センター
講師
ミレヤ・ソリス・米ブルッキングス研究所上級研究員兼日本研究部長
要旨
保護主義の行方なお不透明―日本はTPPでリーダーシップを
@環太平洋経済連携協定(TPP)離脱を決めたトランプ大統領は、保護主義を前面に押し出し、米国民からの支持をあつめた。米国の市場開放を経済の悪化や失業率の増加の原因としているが、原因の多くは技術革新と生産性向上によるものである。また、労働者への職業教育に投資をしてこなかった結果、雇用の硬直化が進み、失業期間の長期化につながる。
Aトランプ政権は現在の貿易赤字を米国の経済成長や国益にかなっていないと考えている。国内産業の保護を重要視し、多国間の通商ルールを無視し、自国が有利な通商協定を結ぼうとしている。しかし、米国議会やビジネス界からは反対の声も上がっている。関税をかけることで、相手国が報復関税をかける悪いシナリオを危惧している。
B米国が内向き政策をとる間に、日本がTPPのリーダーシップをとり、米中が台頭してくるのを防ぐことができる。TPPに他の加盟国が加われる枠組みを用意すれば米国も再交渉してくる余地もある。優位に立とうとする米国と日本が二国間協議をする際は慎重にするべきだ。だがエネルギー、インフラ分野など議論できるテーマもある。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪特別連続セミナー どうなる財政 どうする財政≫第1回
財政再建と日本経済
2017年3月28日(火) 開催  (掲載日:2017年4月17日)
日本経済研究センター
講師
吉川 洋・立正大学経済学部教授
司会)河越正明・日本経済研究センター主任研究員
要旨
社会保障、消費増税と一体で―財政再建、経済成長頼みでは無理
@日本の財政赤字が膨らんでいる理由は、社会保障費が拡大していることに尽きる。少子高齢化の進展や、正規・非正規社員といった格差への対応など、その役割はますます高まっている。社会保障の給付総額は約118兆円(2016年度)で、財源は6割が保険料、残り4割が公費だ。公費が税金で賄われていればよいが、十分でなく、それが財政赤字になっている。
A財政再建には経済成長が必要という考えは正しいが、それだけでは解決できない。人口が減少してもそれなりに経済成長できるというのが私の持論だ。しかし景気を引き合いに出して消費税アップから逃げてはいけない。財政再建のためには正面から歳入・歳出にメスを入れなければいけない。
B最近話題の「シムズ理論」は数学的モデルとしては正しくても、現実の経済を描写する上では論外。今日のマクロ経済学の病理だ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
イノベーションとリスクテイク―新世代スタートアップ支援のリアル
2017年3月21日(火) 開催  (掲載日:2017年4月24日)
日本経済研究センター
講師
孫泰蔵・ミスルトウ代表取締役社長 兼 CEO
要旨
「IoR」起業家が劇的に社会を変革―チャレンジ増へ副業後押しを
@技術革新はこれまでにも劇的なパラダイムシフトを起こしてきた。現在、あらゆるモノがネットにつながるIoTとビッグデータ解析が、社会の効率を劇的に向上しつつあり、2020年ごろにはロボット工学をネット化する「IoR」が登場するだろう。世界では技術トレンドをとらえたスタートアップ企業が活躍しており、例えばアフリカでドローンを利用した低コストの医療物資搬送が実現している。
A経営のあり方も変わる。これまではカリスマ型リーダーがイノベーションを牽引したが、最近は技術者たちがボランティアで開発するインフラプロジェクトさえ出現。こうした自立したメンバーと仕事を結びつける「サーバント型リーダー」が増えていくだろう。
B日本でイノベーションを推進するには、チャレンジすることのリスクを大幅に低減しなければならない。まず生計を維持しつつ挑戦できるよう、副業の後押しを提唱したい。また日本がもつ技術力、人材は素晴らしく、世界に自信を持ってアピールすべきだ。
詳細(PDF)はこちら
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第3回
中国からみた米国、日本との関係―2017年の展望
2017年3月7日(火) 開催  (掲載日:2017年4月4日)
日本経済研究センター
講師
宮本雄二・元駐中国大使、宮本アジア研究所代表
朱建栄・東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部教授
金堅敏・富士通総研主席研究員
杜進・拓殖大学国際学部教授
モデレーター)伊集院敦・日本経済研究センター首席研究員
要旨
経済制裁回避へ、対米譲歩の動きも―「中国の夢」実現へ、協調の道さぐる
@トランプ米大統領は、貿易面での対中制裁を口にしている。中国政府は表向き推移を見極めている構えだが、人民元を高めに誘導したり、米国債を買い増したりするなど、対米譲歩と取れる動きも始めた。実際に貿易制裁が実施されれば、中国はもちろん、中国に部品などを輸出する日本など周辺国への影響も大きい。
A北朝鮮の核開発が進む中、中国政府は国連の対北朝鮮制裁で初めて米国と協調したほか、一時、南シナ海の領有権をめぐって緊張の高まった米国や東南アジア諸国とも融和姿勢に転じている。中国国内では、もはや北朝鮮は緩衝地帯にはならないとの意見も増えており、政治・外交面でも、北朝鮮問題で日米韓との協力を模索しているようにみえる。
B習近平国家主席の最大の目標は「中国の夢」の実現であり、そのためには安定的な経済成長を持続する必要がある。権力闘争を伴う腐敗の撲滅や構造改革はそのための手段とみることができる。一方、中国ではネット経済や環境などニューエコノミー分野の「創新(イノベーション)」が進んでおり、こうした分野では米国や日本と協調の余地が大きい。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(宮本氏)
セミナー資料(朱氏)
セミナー資料(杜氏)
<大阪>金融政策と財政コスト
2017年3月6日(月) 開催  (掲載日:2017年3月21日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
小黒一正・法政大学経済学部教授
左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
要旨
異次元金融緩和は早晩限界に―急がれる日銀の財務内容改善
@日銀は長期国債を年間80兆円のペースで購入するなどの異次元の金融緩和を進めてきたが、政府が目標とする年2%のインフレ率は達成できておらず、異次元緩和政策の限界が見えてきた。
A国債の大量購入により、日銀のバランスシートは悪化しており、オーバー・パーで国債を購入したことによる10兆円のアモチ損、12兆円に上るETF、デフレ脱却後の金利正常化過程で発生が予想される逆ザヤというリスクも、日銀は抱えている。
B仮に日銀が国債をすべて買い切っても、財政再建は不可能だ。社会保障と税の一体改革を進めることで財政再建を目指すべきである。日銀の財務改善のため、損失補てんを可能とする日銀法の改正や、財務省・日銀・金融庁を中心とする危機管理体制の強化も急がれよう。また、金融政策に限界があるといっても、「物価水準の財政理論」の採用は、今の財政状況では危険である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料@(小黒氏)
セミナー資料A(小黒氏)
セミナー資料(左三川主任研究員)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
ESPフォーキャスト調査特別セミナー
匠に学ぶ景気の読み方―予測精度を高める工夫は
2017年2月22日(水) 開催  (掲載日:2017年3月10日)
日本経済研究センター
講師
新家義貴・第一生命経済研究所主席エコノミスト
花田普・三井住友信託銀行経済調査チーム長
司会)小峰隆夫・日本経済研究センター研究顧問、ESPフォーキャスト調査委員長
要旨
設備投資・生産増で17年度景気は回復―正確な現状把握が予測の基本―
@2015年度の優秀フォーキャスター新家氏と花田氏は、景気は回復に向かい、17年度は1%以上の成長が期待できるとの見方で一致した。花田氏は雇用に加え生産の回復が明確になってきた点を評価、新家氏は輸出回復を背景に設備投資が伸び、18年度には消費にも波及する可能性があるとした。両氏ともリスクとして、米国の経済政策など海外要因を挙げた。
A予測の心構えとして、新家氏は結論ありきでデータを見るのではなく、正確な現状把握をしたうえで予測すること、構造と循環を区別すること、「べき論」や従来の予測に固執しないことを強調した。花田氏は物価の予測精度を上げるために、ガソリン価格・電気代を注視していたことや、名目成長率に響く輸出入価格を精査していた経験を披露した。
B日経センターは初めて実施したESPフォーキャスターを対象とする「予測スタイル調査」の結果を紹介した。足元の四半期予測は積み上げを重視するボトムアップ型、より長い次年度予測は大局観を重視するトップダウン型予測が相対的に多いことがわかった。潜在成長率については、若いフォーキャスターほど低目を想定していることなどもわかった。
詳細(PDF)はこちら
スロートレードとアジア経済の成長戦略
2017年2月17日(金) 開催  (掲載日:2017年3月6日)
日本経済研究センター
講師
長井滋人・日本銀行国際局長
要旨
貿易量減少は構造的要因が過半―サービス業の生産性引上げで経済成長を
@世界の貿易量は2008年の金融危機後大きく下落し、世界のGDP伸び率を下回ったままである。このスロートレード現象は景気変動による循環的要因よりも構造的要因によるところが大きい。グローバル・バリュー・チェーン展開の飽和、中国による内製化の進展、投資から消費主導の成長への移行といった要因が作用している。
Aスロートレードの時代に日本やアジア各国が今後の成長を高めていくには、モノの輸出中心の成長モデルを脱却し、サービス業の生産性引き上げを通じて高付加価値化を図っていくことが重要である。
B米国の保護主義的動きの背景には、IT化、グローバル化による中間層の職の喪失や格差拡大に対する不満がある。経常赤字を補って余りある資本流入を活用した金融業の発展や金融緩和がもたらした住宅バブルが低中所得層の不満を覆い隠していたが、危機後はこうした金融を通じたグローバル化の恩恵も及びにくくなっている。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第2回
米国金融経済情勢を展望する
2017年2月15日(水) 開催  (掲載日:2017年3月1日)
日本経済研究センター
講師
竹中正治・龍谷大学経済学部教授
要旨
拡大に向かう米国貿易赤字と保護主義の行方―国境税で貿易赤字は縮小せず
@米国経済は景気回復の後半局面に入っている。FRBの金利、インフレ見通しが2017年には達成される可能性が高まった。こうした状況下で、トランプ政権が掲げる「10年間で2500万人」の雇用創出目標の達成は難しいだろう。
A経常収支(国内総生産(GDP)比率)と実質ドル相場の変化には強い負の相関があり、平均2年半のタイムラグがある。ドル相場が現行の実質ドル高水準を維持すると、米国は今後2〜3年、経常・貿易収支の赤字拡大に直面する。トランプ政権がこれを看過できない場合、保護主義、重商主義的な姿勢がより「狂暴化」するリスクを考えておく必要がある。
B2月28日に行われる大統領演説で、税制改革の内容がどこまで具体的に示されるかが注目される。80年代前半のレーガン政権の大規模減税では、景気の上振れ効果は2年続いた。
C国境税を導入しても、為替相場がドル高に変化し、輸出価格の下落、輸入価格の上昇もドル相場の上昇で相殺されるため、貿易・経常収支の赤字は縮小しない。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
アジア・コンセンサス調査関連セミナー
現地エコノミストに聞くアジア経済
2017年2月14日(火) 開催  
日本経済研究センター
講師
デンディ・ラムダニ・マンディリ銀行産業・地域研究部長(インドネシア)
アルビン・アン・アテネオ大学教授(フィリピン)
ナタポーン・トリラタナシリクン・カシコン銀行調査グループ部長(タイ)
ダルマキルティ・ジョシ・クリシル主席エコノミスト(インド)
浦田秀次郎・日本経済研究センター特任研究員/早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
要旨
詳細(PDF)はこちら
資料
ラムダニ氏(インドネシア)セミナー資料
アン氏(フィリピン)セミナー資料
トリラタナシリクン氏(タイ)セミナー資料
ジョシ氏(インド)セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
トランプ大統領下の世界経済とアベノミクス
2017年2月10日(金) 開催  (掲載日:2017年2月27日)
日本経済研究センター
講師
竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
要旨
“とまどい”のダボス会議―世界経済、「乱気流」で不透明さ増す
@今年は“とまどい”のダボス会議。ブレグジットやトランプ大統領誕生など去年の予想がことごとく外れた、トランプ大統領の発言が矛盾し本音が分からない、米国の保護主義的孤立化が懸念される中で中国が自由貿易を唱えた――が主な要因だ。
A今年の世界経済の「乱気流」として、多くの国政選挙を控える欧州政治がどうなるか、中国が今後どの程度の速度で成長率を下げていくかに注目して欲しい。世界経済は当面緩やかな回復過程にあるが、中期的には、レーガノミクスに類似した現在の米国のポリシーミックスが持続可能でなくなった場合の調整過程にも留意が必要。
B日本の第四次産業革命への対応で今年政策課題になってくるものとして、リカレント教育(生涯教育、反復教育)、サンドボックス、ビッグデータベースの司令塔、大学のコンセッションがあり、それらを成長に上手く取り入れていくことが重要だ。
詳細(PDF)はこちら
<大阪>日本の直接投資と国際貿易―最新の実証研究を踏まえて
2017年2月6日(月) 開催  (掲載日:2017年2月21日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
清田耕造・慶應義塾大学産業研究所・経済学研究科教授
要旨
国外利益の国内還流が課題に―海外進出は雇用喪失と無関係
@直接投資によって海外進出に成功した企業は大きな利益を獲得している。海外への直接投資が進んでも、海外で得た利益が日本に環流すれば、投資先国だけでなく日本の経済厚生にもプラスになる。国外の利益の国内への還流が政策的課題の1つだ。
A企業の海外進出が雇用の喪失につながるものではないことは、これまでの多くの研究で明らかになっている。国内の労働者と代替しているのは、海外の労働者ではなく、国内の資本、例えば機械化の進展ではないかという研究もある。
B日本は資本集約的な財と熟練労働(技能労働)集約的な財に、現時点で比較優位を持っている。日本は熟練労働集約的な財の純輸出国ではなくなりつつあるが、少子高齢化や巨額の財政赤字という問題を抱えていることから、今後も人的資本の蓄積を通じた熟練労働的な財に比較優位を見いだしていくべきである。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(清田氏)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
物価は何で決まるのか
2017年2月1日(水) 開催  (掲載日:2017年2月2日)
日本経済研究センター
講師
クリストファー・シムズ・米プリンストン大学教授
浜田宏一・米エール大学名誉教授、内閣官房参与
渡辺努・東京大学大学院経済学研究科教授
塩路悦朗・一橋大学大学院経済学研究科教授
岩田一政・日本経済研究センター理事長
司会)山崎浩志・日本経済新聞社編集局次長兼経済部長
要旨
 日本経済研究センターと一橋大学(後援・日本経済新聞社)は2月1日、米プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授(ノーベル経済学賞受賞)らを招き、「物価は何で決まるのか」と題したセミナーを日経ホールで開催しました。
開催概要(PDF)はこちら
資料 シムズ氏資料渡辺氏資料塩路氏資料岩田資料
国民経済計算からみた日本経済―2008SNAへの対応
2017年1月26日(木) 開催  (掲載日:2017年2月17日)
日本経済研究センター
講師
多田洋介・内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課長
要旨
研究開発、費用から投資に―見直しで名目GDP、大きく押し上げ―
@国民経済計算(SNA)は基礎となる産業連関表などの改定を踏まえ約5年に1回基準改定を行っている。今回の「平成23年基準改定」ではそれに加え、最新の国際基準「2008SNA」を新たに織り込んだ。
A最大の変更点は研究開発を新たに総固定資本形成(投資)として、その他の固定資本と同様に取り扱うようになった点。これを含む一連の見直し・改定によって2015年度の名目GDPは31.6兆円上方に数値が改定されることになった。
B今回の改定では建設部門産出額の推計方法を出来高ベースに変えるなど、推計方法の見直しや記録方法の改善を含め様々な改良・精緻化に取り組んでいる。一方、絶えず変化する経済を的確に捉えるためには、一次統計の改善、推計方法の開発の面で不断の努力が今後も必要である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第1回
日本はトランプ政権とどう向き合うべきか
2017年1月24日(火) 開催  (掲載日:2017年2月7日)
日本経済研究センター
講師
藤崎一郎・日米協会会長(前駐米大使)
要旨
日本は自由貿易重視貫け―日米安保条約は米国にも「得」なはず
@米国の大統領選でトランプ氏が選出された背景は@弱者への差別是正に対する飽きや反発をうまく利用したこと、Aウィスコンシン、ミシガン、ペンシルバニア3州の票を民主党が取り逃したこと、Bクリントン候補のメール事件――の3点と考えられる。
Aトランプ氏はロシアのプーチン大統領と蜜月関係を演出しようとするだろうが、本当の信頼関係は簡単には生まれないだろう。中国との関係も振り子のように言ったり来たりするが、これも接近することはないと見る。そうであれば、同盟国との関係を維持する方が「得」だろう。また、中近東ではイランとの関係、イスラエルとの関係が原因で緊張を高める可能性がある。
Bトランプ大統領はディール(取引)が得意なようだから、それを念頭に付き合わねばならない。日本は自由貿易を大事にする姿勢を見せ続けることが重要であり、EUや他の国との貿易協定をどんどん締結して、米国に自由貿易のメリットを示す対応をすべきだ。
詳細(PDF)はこちら
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪シリーズ どうなる中国経済≫第6回
成長と改革の両立はできるのか―2017年を展望する
2017年1月20日(金) 開催  (掲載日:2017年2月10日)
日本経済研究センター
講師
肖敏捷・SMBC日興証券シニアエコノミスト
要旨
中国の改革・開放に「外圧」―トランプ政権が後押し
@2016年の中国経済は大幅減速という大方の見方に反して、実質GDPは6.7%増に落ち着き、景気後退に対する懸念が後退した。しかし、中国経済に対する見方は分かれており、金融面では悪材料が噴出し悲観論を増幅する一方、製造業やサービス業では消費の底堅さの恩恵を受けている企業もある。
A公共投資主導の景気刺激策は重厚長大産業の成長につながる一方、深刻な大気汚染が発生している。今後も「景気か空気か」の政策論争は過熱するだろう。賃金上昇はこの10年で4〜5倍になるなど、中国に工場を持つ外国企業にとってコスト増となっている。
Bトランプ政権の中国批判により、米中の貿易摩擦は激しくなるだろう。しかし「テイク&ギブ」の米中関係が大きく崩れるとは想定しがたい。17年の中国経済は国内の投資環境を改善する「内圧」をいかに進めるかがカギとなる。また、トランプ政権による「外圧」が構造改革と市場開放を進める追い風となるかもしれない。
詳細(PDF)はこちら
<大阪>自動車産業の国際競争力強化の条件
2017年1月19日(木) 開催  (掲載日:2017年3月3日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
中西孝樹・ナカニシ自動車産業リサーチ代表
司会)塩田宏之・日本経済新聞社編集委員
要旨
ビジネスモデル再構築が必要な自動車産業―学ぶ点多い欧州の標準化戦略
@日本の自動車産業の収益基盤は強いが、過去の成功に支えられたものであり、将来の競争力を示すものではない。日本のものづくり力と欧州自動車産業の標準化、水平分業によるサービス力との競争は、国家間競争の様相を呈し始めている。
A今後は知能化、電動化、つながる化という技術革新が進む。欧州のフォルクスワーゲンなどは、環境規制に対応して電動車両へのシフト、内燃機関からの脱却を進めようとしている。米国では自動運転社会の実現を目指し、無人運転車の開発が進んでいる。
Bこうした各国の戦略に対応し、短期的には欧州の標準化戦略に学びつつ、長期的には日本独自の技術と新たなビジネスモデルの戦略的構築を進める必要がある。有力なサプライヤーを巻き込み、非効率な自前主義からの脱却を目指すべきだ。トヨタに次ぐ力強い2番手メーカーの台頭も望まれる。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(中西氏)
日本のAI研究最前線と世界戦略―理研、中核研究拠点の新たな取り組み
2017年1月18日(水) 開催  (掲載日:2017年2月1日)
日本経済研究センター
講師
杉山将・理化学研究所革新知能統合研究センター長、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
要旨
日本の強い分野に注力―企業と連携し迅速な実用化へ
@究極の人工知能(AI)とは汎化能力。教わっていないことを過去の事例から類推する能力のことだ。ビッグデータと深層学習の組み合わせ以外にも、低コスト・高精度の結果が得られる新しいアプローチ開発の可能性はある。モデルとデータ量だけでなく、学習法に関する研究も重要である。
A基礎研究は個人勝負の世界で、日本にも多くはないが優秀な理論研究者がいる。10年後を見据えて研究することで、研究費が少なくても、逆転のチャンスはある。応用研究は、iPS研究やモノづくり、ヘルスケアや防災・減災など、日本が元々強い分野や日本で行う必要がある社会的課題を厳選し、研究開発に注力することに活路がある。
BAIについては、理論と応用が非常に近い距離で研究が進み、進展が早い。論文が出てから実用化に取り組むのでは遅く、研究段階から産業界と連携して進めることが重要である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
<大阪>新春特別セミナー「2017年の日本経済の課題」
2017年1月12日(木) 開催  (掲載日:2017年1月20日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
小峰隆夫・日本経済研究センター理事・研究顧問/法政大学教授
要旨
生産性向上へ働き方改革必要―異次元金融緩和政策には限界
@日本の景気は一進一退から「やや好転」へと変化してきている。今後も緩やかながら回復は続くだろう。2017年度の成長率は、民間エコノミストの予測値の平均値1.09%を上回る可能性もある。政策効果などに加え、輸出の持ち直しが支えになる。
A波乱要因は世界経済だ。米国、欧州、中国はそれぞれ国や地域内に大きな矛盾を抱えており、何か事が起きれば回復のシナリオは狂う。異次元の金融緩和が行き詰まりを見せていること、財政再建の見通しが立たないことも、今後の不安材料である。
B長期的な課題としては、働き方の改革が挙げられる。デフレから脱却するためには、異次元の金融緩和よりも賃金の上昇が重要であると考えるからである。人口減社会で生産性を上げるためにも改革は必要だ。「同一労働同一賃金」への歩みをテコに、日本型の雇用慣行を変えていくべきである。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(小峰氏)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
新春特別セミナー
日本経済 停滞脱却への処方箋―アベノミクス5年目の展望
2017年1月11日(水) 開催  (掲載日:2017年1月26日)
日本経済研究センター
講師
岩田一政・日本経済研究センター理事長
要旨
2017年 世界経済4つのリスク―アベノミクス、成果は道半ば
@2017年の世界経済には4つのリスクがある。まず「米国第一主義」を掲げるトランプ新大統領の経済政策の行方だ。過大な企業債務と不動産バブルが深刻な中国経済や、英国の欧州連合(EU)離脱に端を発した欧州の求心力低下の動き、北朝鮮の核開発問題も気になる。トランプ政権のマクロ政策は18年までは持たず、中長期的には成長率が低下するだろうと予測した。
A5年目のアベノミクスは16年夏以降、第3ステージに入った。消費税増税を延期したうえで、量的・質的金融緩和(QQE)によるリフレーション政策から財政政策重視へと舵を切った。生産や輸出が持ち直して少し明るい兆しが出ているが、これまでの平均成長率は1%程度で道半ばと言える。
B安倍晋三首相が成長戦略の「1丁目1番地」に掲げる環太平洋経済連携協定(TPP)については、米国が枠組みに入らなくても、日本はその有効性に着目して維持すべきだ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
△このページのトップへ