トップ » セミナー » 読むゼミ

読むゼミ

講演内容を文章に要約した抄録です。講演開催から2週間程度で掲載していますので、ご利用ください。
※読むゼミ原稿は、日経センター担当者が録音テープをもとにまとめ、講師のチェックを受けています。
※半年ごとにまとめて掲載しています。過去のセミナー(バックナンバー)は下の窓の「開催時期」から時期を選択いただき、ボタンを押すと表示されます。

「聴くゼミ」はこちら。

連続セミナー「論争マイナス金利政策」の講演録集はこちら / 『激論 マイナス金利政策』出版しました NEW!

バックナンバー(開催時期)

2017年1月〜6月開催のセミナー

<大阪>働き方改革の行方 ― 同一労働同一賃金と長時間労働
2017年4月12日(水) 開催  (掲載日:2017年4月21日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
水町勇一郎・東京大学社会科学研究所教授
要旨
時間外労働に上限規制を導入―非正規処遇改善へ指針も整備
@政府の働き方改革実現会議はこのほど働き方改革実行計画をまとめた。議論したテーマは9項目に上るが、最重要課題は、同一労働同一賃金の実現による正規雇用労働者・非正規雇用労働者の待遇差解消と長時間労働の是正、この2点である。
A長時間労働の是正では、法改正による時間外労働の上限規制の導入と、勤務間インターバル制度の普及を打ち出している。また、現行制度で時間外労働の限度基準告示の適用除外となっている自動車運転、建設事業についても5年後に上限規制を導入する。
B同一労働同一賃金の実現に向けては、ガイドラインの策定と法改正の2点を実行することになっている。ガイドライン案はすでに具体的な内容が示されており、均等・均衡待遇を確保することと、賃金だけでなくすべての待遇を対象とすることがポイントだ。このガイドライン案を基に、今後法改正の立案作業が進む。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(水町氏)
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第4回
通商政策とグローバル化の行方
2017年4月10日(月) 開催  (掲載日:2017年4月17日)
日本経済研究センター
講師
ミレヤ・ソリス・米ブルッキングス研究所上級研究員兼日本研究部長
要旨
保護主義の行方なお不透明―日本はTPPでリーダーシップを
@環太平洋経済連携協定(TPP)離脱を決めたトランプ大統領は、保護主義を前面に押し出し、米国民からの支持をあつめた。米国の市場開放を経済の悪化や失業率の増加の原因としているが、原因の多くは技術革新と生産性向上によるものである。また、労働者への職業教育に投資をしてこなかった結果、雇用の硬直化が進み、失業期間の長期化につながる。
Aトランプ政権は現在の貿易赤字を米国の経済成長や国益にかなっていないと考えている。国内産業の保護を重要視し、多国間の通商ルールを無視し、自国が有利な通商協定を結ぼうとしている。しかし、米国議会やビジネス界からは反対の声も上がっている。関税をかけることで、相手国が報復関税をかける悪いシナリオを危惧している。
B米国が内向き政策をとる間に、日本がTPPのリーダーシップをとり、米中が台頭してくるのを防ぐことができる。TPPに他の加盟国が加われる枠組みを用意すれば米国も再交渉してくる余地もある。優位に立とうとする米国と日本が二国間協議をする際は慎重にするべきだ。だがエネルギー、インフラ分野など議論できるテーマもある。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪特別連続セミナー どうなる財政 どうする財政≫第1回
財政再建と日本経済
2017年3月28日(火) 開催  (掲載日:2017年4月17日)
日本経済研究センター
講師
吉川 洋・立正大学経済学部教授
司会)河越正明・日本経済研究センター主任研究員
要旨
社会保障、消費増税と一体で―財政再建、経済成長頼みでは無理
@日本の財政赤字が膨らんでいる理由は、社会保障費が拡大していることに尽きる。少子高齢化の進展や、正規・非正規社員といった格差への対応など、その役割はますます高まっている。社会保障の給付総額は約118兆円(2016年度)で、財源は6割が保険料、残り4割が公費だ。公費が税金で賄われていればよいが、十分でなく、それが財政赤字になっている。
A財政再建には経済成長が必要という考えは正しいが、それだけでは解決できない。人口が減少してもそれなりに経済成長できるというのが私の持論だ。しかし景気を引き合いに出して消費税アップから逃げてはいけない。財政再建のためには正面から歳入・歳出にメスを入れなければいけない。
B最近話題の「シムズ理論」は数学的モデルとしては正しくても、現実の経済を描写する上では論外。今日のマクロ経済学の病理だ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第3回
中国からみた米国、日本との関係―2017年の展望
2017年3月7日(火) 開催  (掲載日:2017年4月4日)
日本経済研究センター
講師
宮本雄二・元駐中国大使、宮本アジア研究所代表
朱建栄・東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部教授
金堅敏・富士通総研主席研究員
杜進・拓殖大学国際学部教授
モデレーター)伊集院敦・日本経済研究センター首席研究員
要旨
経済制裁回避へ、対米譲歩の動きも―「中国の夢」実現へ、協調の道さぐる
@トランプ米大統領は、貿易面での対中制裁を口にしている。中国政府は表向き推移を見極めている構えだが、人民元を高めに誘導したり、米国債を買い増したりするなど、対米譲歩と取れる動きも始めた。実際に貿易制裁が実施されれば、中国はもちろん、中国に部品などを輸出する日本など周辺国への影響も大きい。
A北朝鮮の核開発が進む中、中国政府は国連の対北朝鮮制裁で初めて米国と協調したほか、一時、南シナ海の領有権をめぐって緊張の高まった米国や東南アジア諸国とも融和姿勢に転じている。中国国内では、もはや北朝鮮は緩衝地帯にはならないとの意見も増えており、政治・外交面でも、北朝鮮問題で日米韓との協力を模索しているようにみえる。
B習近平国家主席の最大の目標は「中国の夢」の実現であり、そのためには安定的な経済成長を持続する必要がある。権力闘争を伴う腐敗の撲滅や構造改革はそのための手段とみることができる。一方、中国ではネット経済や環境などニューエコノミー分野の「創新(イノベーション)」が進んでおり、こうした分野では米国や日本と協調の余地が大きい。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(宮本氏)
セミナー資料(朱氏)
セミナー資料(杜氏)
<大阪>金融政策と財政コスト
2017年3月6日(月) 開催  (掲載日:2017年3月21日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
小黒一正・法政大学経済学部教授
左三川郁子・日本経済研究センター主任研究員
要旨
異次元金融緩和は早晩限界に―急がれる日銀の財務内容改善
@日銀は長期国債を年間80兆円のペースで購入するなどの異次元の金融緩和を進めてきたが、政府が目標とする年2%のインフレ率は達成できておらず、異次元緩和政策の限界が見えてきた。
A国債の大量購入により、日銀のバランスシートは悪化しており、オーバー・パーで国債を購入したことによる10兆円のアモチ損、12兆円に上るETF、デフレ脱却後の金利正常化過程で発生が予想される逆ザヤというリスクも、日銀は抱えている。
B仮に日銀が国債をすべて買い切っても、財政再建は不可能だ。社会保障と税の一体改革を進めることで財政再建を目指すべきである。日銀の財務改善のため、損失補てんを可能とする日銀法の改正や、財務省・日銀・金融庁を中心とする危機管理体制の強化も急がれよう。また、金融政策に限界があるといっても、「物価水準の財政理論」の採用は、今の財政状況では危険である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料@(小黒氏)
セミナー資料A(小黒氏)
セミナー資料(左三川主任研究員)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
ESPフォーキャスト調査特別セミナー
匠に学ぶ景気の読み方―予測精度を高める工夫は
2017年2月22日(水) 開催  (掲載日:2017年3月10日)
日本経済研究センター
講師
新家義貴・第一生命経済研究所主席エコノミスト
花田普・三井住友信託銀行経済調査チーム長
司会)小峰隆夫・日本経済研究センター研究顧問、ESPフォーキャスト調査委員長
要旨
設備投資・生産増で17年度景気は回復―正確な現状把握が予測の基本―
@2015年度の優秀フォーキャスター新家氏と花田氏は、景気は回復に向かい、17年度は1%以上の成長が期待できるとの見方で一致した。花田氏は雇用に加え生産の回復が明確になってきた点を評価、新家氏は輸出回復を背景に設備投資が伸び、18年度には消費にも波及する可能性があるとした。両氏ともリスクとして、米国の経済政策など海外要因を挙げた。
A予測の心構えとして、新家氏は結論ありきでデータを見るのではなく、正確な現状把握をしたうえで予測すること、構造と循環を区別すること、「べき論」や従来の予測に固執しないことを強調した。花田氏は物価の予測精度を上げるために、ガソリン価格・電気代を注視していたことや、名目成長率に響く輸出入価格を精査していた経験を披露した。
B日経センターは初めて実施したESPフォーキャスターを対象とする「予測スタイル調査」の結果を紹介した。足元の四半期予測は積み上げを重視するボトムアップ型、より長い次年度予測は大局観を重視するトップダウン型予測が相対的に多いことがわかった。潜在成長率については、若いフォーキャスターほど低目を想定していることなどもわかった。
詳細(PDF)はこちら
スロートレードとアジア経済の成長戦略
2017年2月17日(金) 開催  (掲載日:2017年3月6日)
日本経済研究センター
講師
長井滋人・日本銀行国際局長
要旨
貿易量減少は構造的要因が過半―サービス業の生産性引上げで経済成長を
@世界の貿易量は2008年の金融危機後大きく下落し、世界のGDP伸び率を下回ったままである。このスロートレード現象は景気変動による循環的要因よりも構造的要因によるところが大きい。グローバル・バリュー・チェーン展開の飽和、中国による内製化の進展、投資から消費主導の成長への移行といった要因が作用している。
Aスロートレードの時代に日本やアジア各国が今後の成長を高めていくには、モノの輸出中心の成長モデルを脱却し、サービス業の生産性引き上げを通じて高付加価値化を図っていくことが重要である。
B米国の保護主義的動きの背景には、IT化、グローバル化による中間層の職の喪失や格差拡大に対する不満がある。経常赤字を補って余りある資本流入を活用した金融業の発展や金融緩和がもたらした住宅バブルが低中所得層の不満を覆い隠していたが、危機後はこうした金融を通じたグローバル化の恩恵も及びにくくなっている。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第2回
米国金融経済情勢を展望する
2017年2月15日(水) 開催  (掲載日:2017年3月1日)
日本経済研究センター
講師
竹中正治・龍谷大学経済学部教授
要旨
拡大に向かう米国貿易赤字と保護主義の行方―国境税で貿易赤字は縮小せず
@米国経済は景気回復の後半局面に入っている。FRBの金利、インフレ見通しが2017年には達成される可能性が高まった。こうした状況下で、トランプ政権が掲げる「10年間で2500万人」の雇用創出目標の達成は難しいだろう。
A経常収支(国内総生産(GDP)比率)と実質ドル相場の変化には強い負の相関があり、平均2年半のタイムラグがある。ドル相場が現行の実質ドル高水準を維持すると、米国は今後2〜3年、経常・貿易収支の赤字拡大に直面する。トランプ政権がこれを看過できない場合、保護主義、重商主義的な姿勢がより「狂暴化」するリスクを考えておく必要がある。
B2月28日に行われる大統領演説で、税制改革の内容がどこまで具体的に示されるかが注目される。80年代前半のレーガン政権の大規模減税では、景気の上振れ効果は2年続いた。
C国境税を導入しても、為替相場がドル高に変化し、輸出価格の下落、輸入価格の上昇もドル相場の上昇で相殺されるため、貿易・経常収支の赤字は縮小しない。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
トランプ大統領下の世界経済とアベノミクス
2017年2月10日(金) 開催  (掲載日:2017年2月27日)
日本経済研究センター
講師
竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
要旨
“とまどい”のダボス会議―世界経済、「乱気流」で不透明さ増す
@今年は“とまどい”のダボス会議。ブレグジットやトランプ大統領誕生など去年の予想がことごとく外れた、トランプ大統領の発言が矛盾し本音が分からない、米国の保護主義的孤立化が懸念される中で中国が自由貿易を唱えた――が主な要因だ。
A今年の世界経済の「乱気流」として、多くの国政選挙を控える欧州政治がどうなるか、中国が今後どの程度の速度で成長率を下げていくかに注目して欲しい。世界経済は当面緩やかな回復過程にあるが、中期的には、レーガノミクスに類似した現在の米国のポリシーミックスが持続可能でなくなった場合の調整過程にも留意が必要。
B日本の第四次産業革命への対応で今年政策課題になってくるものとして、リカレント教育(生涯教育、反復教育)、サンドボックス、ビッグデータベースの司令塔、大学のコンセッションがあり、それらを成長に上手く取り入れていくことが重要だ。
詳細(PDF)はこちら
<大阪>日本の直接投資と国際貿易―最新の実証研究を踏まえて
2017年2月6日(月) 開催  (掲載日:2017年2月21日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
清田耕造・慶應義塾大学産業研究所・経済学研究科教授
要旨
国外利益の国内還流が課題に―海外進出は雇用喪失と無関係
@直接投資によって海外進出に成功した企業は大きな利益を獲得している。海外への直接投資が進んでも、海外で得た利益が日本に環流すれば、投資先国だけでなく日本の経済厚生にもプラスになる。国外の利益の国内への還流が政策的課題の1つだ。
A企業の海外進出が雇用の喪失につながるものではないことは、これまでの多くの研究で明らかになっている。国内の労働者と代替しているのは、海外の労働者ではなく、国内の資本、例えば機械化の進展ではないかという研究もある。
B日本は資本集約的な財と熟練労働(技能労働)集約的な財に、現時点で比較優位を持っている。日本は熟練労働集約的な財の純輸出国ではなくなりつつあるが、少子高齢化や巨額の財政赤字という問題を抱えていることから、今後も人的資本の蓄積を通じた熟練労働的な財に比較優位を見いだしていくべきである。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(清田氏)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
物価は何で決まるのか
2017年2月1日(水) 開催  (掲載日:2017年2月2日)
日本経済研究センター
講師
クリストファー・シムズ・米プリンストン大学教授
浜田宏一・米エール大学名誉教授、内閣官房参与
渡辺努・東京大学大学院経済学研究科教授
塩路悦朗・一橋大学大学院経済学研究科教授
岩田一政・日本経済研究センター理事長
司会)山崎浩志・日本経済新聞社編集局次長兼経済部長
要旨
 日本経済研究センターと一橋大学(後援・日本経済新聞社)は2月1日、米プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授(ノーベル経済学賞受賞)らを招き、「物価は何で決まるのか」と題したセミナーを日経ホールで開催しました。
開催概要(PDF)はこちら
資料 シムズ氏資料渡辺氏資料塩路氏資料岩田資料
国民経済計算からみた日本経済―2008SNAへの対応
2017年1月26日(木) 開催  (掲載日:2017年2月17日)
日本経済研究センター
講師
多田洋介・内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課長
要旨
研究開発、費用から投資に―見直しで名目GDP、大きく押し上げ―
@国民経済計算(SNA)は基礎となる産業連関表などの改定を踏まえ約5年に1回基準改定を行っている。今回の「平成23年基準改定」ではそれに加え、最新の国際基準「2008SNA」を新たに織り込んだ。
A最大の変更点は研究開発を新たに総固定資本形成(投資)として、その他の固定資本と同様に取り扱うようになった点。これを含む一連の見直し・改定によって2015年度の名目GDPは31.6兆円上方に数値が改定されることになった。
B今回の改定では建設部門産出額の推計方法を出来高ベースに変えるなど、推計方法の見直しや記録方法の改善を含め様々な改良・精緻化に取り組んでいる。一方、絶えず変化する経済を的確に捉えるためには、一次統計の改善、推計方法の開発の面で不断の努力が今後も必要である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
≪シリーズ 徹底研究トランプ政権≫第1回
日本はトランプ政権とどう向き合うべきか
2017年1月24日(火) 開催  (掲載日:2017年2月7日)
日本経済研究センター
講師
藤崎一郎・日米協会会長(前駐米大使)
要旨
日本は自由貿易重視貫け―日米安保条約は米国にも「得」なはず
@米国の大統領選でトランプ氏が選出された背景は@弱者への差別是正に対する飽きや反発をうまく利用したこと、Aウィスコンシン、ミシガン、ペンシルバニア3州の票を民主党が取り逃したこと、Bクリントン候補のメール事件――の3点と考えられる。
Aトランプ氏はロシアのプーチン大統領と蜜月関係を演出しようとするだろうが、本当の信頼関係は簡単には生まれないだろう。中国との関係も振り子のように言ったり来たりするが、これも接近することはないと見る。そうであれば、同盟国との関係を維持する方が「得」だろう。また、中近東ではイランとの関係、イスラエルとの関係が原因で緊張を高める可能性がある。
Bトランプ大統領はディール(取引)が得意なようだから、それを念頭に付き合わねばならない。日本は自由貿易を大事にする姿勢を見せ続けることが重要であり、EUや他の国との貿易協定をどんどん締結して、米国に自由貿易のメリットを示す対応をすべきだ。
詳細(PDF)はこちら
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
≪シリーズ どうなる中国経済≫第6回
成長と改革の両立はできるのか―2017年を展望する
2017年1月20日(金) 開催  (掲載日:2017年2月10日)
日本経済研究センター
講師
肖敏捷・SMBC日興証券シニアエコノミスト
要旨
中国の改革・開放に「外圧」―トランプ政権が後押し
@2016年の中国経済は大幅減速という大方の見方に反して、実質GDPは6.7%増に落ち着き、景気後退に対する懸念が後退した。しかし、中国経済に対する見方は分かれており、金融面では悪材料が噴出し悲観論を増幅する一方、製造業やサービス業では消費の底堅さの恩恵を受けている企業もある。
A公共投資主導の景気刺激策は重厚長大産業の成長につながる一方、深刻な大気汚染が発生している。今後も「景気か空気か」の政策論争は過熱するだろう。賃金上昇はこの10年で4〜5倍になるなど、中国に工場を持つ外国企業にとってコスト増となっている。
Bトランプ政権の中国批判により、米中の貿易摩擦は激しくなるだろう。しかし「テイク&ギブ」の米中関係が大きく崩れるとは想定しがたい。17年の中国経済は国内の投資環境を改善する「内圧」をいかに進めるかがカギとなる。また、トランプ政権による「外圧」が構造改革と市場開放を進める追い風となるかもしれない。
詳細(PDF)はこちら
<大阪>自動車産業の国際競争力強化の条件
2017年1月19日(木) 開催  (掲載日:2017年3月3日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
中西孝樹・ナカニシ自動車産業リサーチ代表
司会)塩田宏之・日本経済新聞社編集委員
要旨
ビジネスモデル再構築が必要な自動車産業―学ぶ点多い欧州の標準化戦略
@日本の自動車産業の収益基盤は強いが、過去の成功に支えられたものであり、将来の競争力を示すものではない。日本のものづくり力と欧州自動車産業の標準化、水平分業によるサービス力との競争は、国家間競争の様相を呈し始めている。
A今後は知能化、電動化、つながる化という技術革新が進む。欧州のフォルクスワーゲンなどは、環境規制に対応して電動車両へのシフト、内燃機関からの脱却を進めようとしている。米国では自動運転社会の実現を目指し、無人運転車の開発が進んでいる。
Bこうした各国の戦略に対応し、短期的には欧州の標準化戦略に学びつつ、長期的には日本独自の技術と新たなビジネスモデルの戦略的構築を進める必要がある。有力なサプライヤーを巻き込み、非効率な自前主義からの脱却を目指すべきだ。トヨタに次ぐ力強い2番手メーカーの台頭も望まれる。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(中西氏)
日本のAI研究最前線と世界戦略―理研、中核研究拠点の新たな取り組み
2017年1月18日(水) 開催  (掲載日:2017年2月1日)
日本経済研究センター
講師
杉山将・理化学研究所革新知能統合研究センター長、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
要旨
日本の強い分野に注力―企業と連携し迅速な実用化へ
@究極の人工知能(AI)とは汎化能力。教わっていないことを過去の事例から類推する能力のことだ。ビッグデータと深層学習の組み合わせ以外にも、低コスト・高精度の結果が得られる新しいアプローチ開発の可能性はある。モデルとデータ量だけでなく、学習法に関する研究も重要である。
A基礎研究は個人勝負の世界で、日本にも多くはないが優秀な理論研究者がいる。10年後を見据えて研究することで、研究費が少なくても、逆転のチャンスはある。応用研究は、iPS研究やモノづくり、ヘルスケアや防災・減災など、日本が元々強い分野や日本で行う必要がある社会的課題を厳選し、研究開発に注力することに活路がある。
BAIについては、理論と応用が非常に近い距離で研究が進み、進展が早い。論文が出てから実用化に取り組むのでは遅く、研究段階から産業界と連携して進めることが重要である。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
<大阪>新春特別セミナー「2017年の日本経済の課題」
2017年1月12日(木) 開催  (掲載日:2017年1月20日)
日本経済研究センター大阪支所
講師
小峰隆夫・日本経済研究センター理事・研究顧問/法政大学教授
要旨
生産性向上へ働き方改革必要―異次元金融緩和政策には限界
@日本の景気は一進一退から「やや好転」へと変化してきている。今後も緩やかながら回復は続くだろう。2017年度の成長率は、民間エコノミストの予測値の平均値1.09%を上回る可能性もある。政策効果などに加え、輸出の持ち直しが支えになる。
A波乱要因は世界経済だ。米国、欧州、中国はそれぞれ国や地域内に大きな矛盾を抱えており、何か事が起きれば回復のシナリオは狂う。異次元の金融緩和が行き詰まりを見せていること、財政再建の見通しが立たないことも、今後の不安材料である。
B長期的な課題としては、働き方の改革が挙げられる。デフレから脱却するためには、異次元の金融緩和よりも賃金の上昇が重要であると考えるからである。人口減社会で生産性を上げるためにも改革は必要だ。「同一労働同一賃金」への歩みをテコに、日本型の雇用慣行を変えていくべきである。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料(小峰氏)
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
新春特別セミナー
日本経済 停滞脱却への処方箋―アベノミクス5年目の展望
2017年1月11日(水) 開催  (掲載日:2017年1月26日)
日本経済研究センター
講師
岩田一政・日本経済研究センター理事長
要旨
2017年 世界経済4つのリスク―アベノミクス、成果は道半ば
@2017年の世界経済には4つのリスクがある。まず「米国第一主義」を掲げるトランプ新大統領の経済政策の行方だ。過大な企業債務と不動産バブルが深刻な中国経済や、英国の欧州連合(EU)離脱に端を発した欧州の求心力低下の動き、北朝鮮の核開発問題も気になる。トランプ政権のマクロ政策は18年までは持たず、中長期的には成長率が低下するだろうと予測した。
A5年目のアベノミクスは16年夏以降、第3ステージに入った。消費税増税を延期したうえで、量的・質的金融緩和(QQE)によるリフレーション政策から財政政策重視へと舵を切った。生産や輸出が持ち直して少し明るい兆しが出ているが、これまでの平均成長率は1%程度で道半ばと言える。
B安倍晋三首相が成長戦略の「1丁目1番地」に掲げる環太平洋経済連携協定(TPP)については、米国が枠組みに入らなくても、日本はその有効性に着目して維持すべきだ。
詳細(PDF)はこちら
資料
セミナー資料
聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
△このページのトップへ