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読むゼミ

講演内容を文章に要約した抄録です。講演開催から2週間程度で掲載していますので、ご利用ください。
※読むゼミ原稿は、日経センター担当者が録音テープをもとにまとめ、講師のチェックを受けています。
※半年ごとにまとめて掲載しています。過去のセミナー(バックナンバー)は下の窓の「開催時期」から時期を選択いただき、ボタンを押すと表示されます。

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バックナンバー(開催時期)

2017年7月〜12月開催のセミナー

決め方の科学―多数決は万能か
2017年9月7日(木) 開催  (掲載日:2017年9月21日)
日本経済研究センター
講師
坂井豊貴・慶應義塾大学経済学部教授
要旨
決め方次第で結果は変わる―多数決の問題点と活かし方
@集団の意思決定においてよく用いられる多数決には、票の割れという致命的な欠陥がある。米国大統領選挙や日本の国政選挙において、泡沫的な三番手の候補者の存在が結果を左右する事態が生じている。
A改善策として決選投票を行う制度もあるが、「1位に3点、2位に2点、3位に1点」を与えるボルダルールが優れた決め方であり、スロベニアの国政選挙や書籍の賞の選考で活用されている。
B一次元の選択問題においては、中位ルールを採用し、各人の選択結果の真ん中に決定することが望ましいことが知られており、日本の裁判員制度での量刑判断において活用されている。
C多数決で正しい判断をする確率を上げるためには、他者の意思決定に影響を与えるボスがいないこと、多数決に「私達の社会にとって必要か」という共通の目標があることが必要である。
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資料
セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
健康経営で生産性向上―メンタル医療医からの提言
2017年9月5日(火) 開催  (掲載日:2017年9月20日)
日本経済研究センター
講師
石蔵文信・大阪大学人間科学研究科未来共創センター招聘教授
要旨
ストレス軽減で生産性高めよ―うつ病問題には「連携」と「積極治療」
@うつ病を治す必要はない。重要なのは、仕事ができる程度まで症状を回復させることだ。仕事熱心で真面目な人ほど、うつになりやすいが、治療途中で無理をせず、医師や家族と協力しながら時間をかけて治療に取り組むことが回復の秘訣だ。
A企業における従業員の職務ストレスは、人命の喪失や生産性の低下等によって人的・社会的・経済的損失をもたらす。リスクマネジメントの一環として、うつがどのような病気かを理解すること、早期に従業員のストレス兆候を発見すること、ストレスチェックの仕組みを充実させることが求められる。
B一般医と精神科医、弁護士等の連携を深める「G-Pネットワーク」により自殺者数が減少した。メンタルコンサルタントとして産業医へ助言も行っている。ストレスを軽減し働きやすい職場をつくること、そして生産性を向上させることが「健康経営」の極意だ。
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<大阪>ホワイトハウスの政策遂行力と日米関係
2017年9月5日(火) 開催  (掲載日:2017年9月12日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
渡辺靖・慶應義塾大学環境情報学部教授
要旨
米国のリベラルな潮流は不変―格差縮小へ国際的協調が必要
@排外主義、自国第一主義を掲げるトランプ政権は、格差が拡大する中で、受けられるべき恩恵が受けられないという不満を持つ白人労働者層に支えられ、一定の支持率を保っている。
Aただ、ロシアゲート問題に代表されるスキャンダルや、ホワイトハウス内の混迷が、政権のアキレス腱だ。オバマケアの改廃や税制改革などの経済政策は計画通りに遂行できず、外交・安保政策についても、対北朝鮮政策が手詰まりに陥っている。
B米国社会を長期的に見れば、リベラリズムの潮流は変わらず、むしろ強まると私は見る。ただ、国家主権に重きが置かれるあまりグローバル化が後退しており、自由と民主主義の支え手であるミドルクラスの縮小が進む懸念も出ている。リベラルな国際秩序を保つため、日本は米国との関係を強化し、格差の縮小で自国第一主義などを排するグローバルな枠組みづくりを進めるべきだ。
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セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
企業を襲うサイバー脅威―どう備えるべきか
2017年8月23日(水) 開催  (掲載日:2017年9月15日)
日本経済研究センター
講師
高野聖玄・スプラウト社長
要旨
サイバー攻撃と闇市場の存在―情報資産を守るためにリスクの把握と侵入調査を
@近年、多様化するサイバー攻撃により、グローバルに情報漏洩が増加している。世界的にみて日本はサイバーインテリジェンス(諜報活動)への対応が遅れており、日本企業をとりまくサイバーリスクは年々高まっている。
Aサイバー攻撃急増の一因として、インターネットの深淵、“ダークウェブ”にある闇市場の存在が挙げられる。闇市場では違法薬物や銃器に加えて、ハッキングツールや流出情報が簡単に売買されており、これがサイバー攻撃の急増につながっている。
Bサイバー空間においては、守る側よりも攻める側の方が圧倒的に有利であり、何か一つのサービスやソリューションを導入すれば解決するわけではない。そのような状況で、企業は、自社の持つ情報資産が置かれている状態を知ることに加えて、資産の重要度に応じた適切な対策を取ることが肝要である。
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≪シリーズ スタートアップ経済≫第3回
深圳のイノベーションエコシステム―メイカーズのモノづくり最前線
2017年8月3日(木) 開催  (掲載日:2017年9月4日)
日本経済研究センター
講師
高須正和・メイカーフェア深圳運営委員
要旨
深圳は「メイカームーブメント」最適地―模倣品を超え、高品質で魅力ある製品を
@ソフトウェア・Web開発のビジネスは、2000年半ばまでにオープンソース・ソフトとその恩恵を受けたクラウドが普及し開発コストが劇的に下がったことで誰もが参入できるようになった。同じようなことが2011年ぐらいからハードウェアの世界でも起きている。
Aハードウェア専門の米アクセラレーター「HAX」は中国・深圳でモノ作り起業家の育成に乗り出している。プリント基板の製作請負のSeeedのような企業もあり、「メイカームーブメント」にとって深圳は最も適した場所だ。
B一方で中国にはすぐに模倣品は出てくる問題がある。本物よりも素早く、しかも低価格で市場に出てくることもある。対抗するにはハイクオリティで魅力のある製品を作るしかない。深圳発のスタートアップで成功事例が数多く出てくるかどうかは、それを実現できるかどうかにかかっている。
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トランプ時代の米中関係―貿易不均衡是正へ「100日計画」
2017年7月28日(金) 開催  (掲載日:2017年8月18日)
日本経済研究センター
講師
呉軍華・日本総合研究所理事・主席研究員
要旨
米中関係は「冷和」の時代へ―ポスト冷戦時代の終焉、世界は歴史的転換期に
@米中両国は4月初めの首脳会談で貿易不均衡是正に向けて100日計画を策定することで合意。5月に段階的成果として10項目の合意達成を発表するも、100日経過後も目立った進展はなかった。貿易不均衡が問題視されるのは、その背景に米中経済力の変化があり、中国の台頭による覇権争いがあるからである。
A米中関係を理解するうえで大切なことは、世界がトランプ政権誕生を機にポスト冷戦時代の終焉を迎えたことだ。それまでポスト冷戦時代を構成していた3つのファクターである米国経済一極集中、民主主義などの普遍的価値観、グローバル化といった構成要素が崩れ始めた。
Bそうした歴史的な転換期を迎える中、米中関係は「冷和」時代に。今後の両国の関係は「冷」のファクターが強い。対立を対決にしないためのマネージメントが求められていく。
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ロジスティクス危機打開への視点
2017年7月20日(木) 開催  (掲載日:2017年8月10日)
日本経済研究センター
講師
橋本雅隆・明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授
要旨
ネット通販の成長と物流―生活者と共に築く物流基盤の重要性
@近年、ネット通販の拡大から宅配便等の小口短距離貨物の輸送量が増加しており、物流事業者の負荷が増大している。さらにはドライバーの不足、高齢化が問題を一層深刻にしており、宅配便のオーバーフローなど、ロジスティクス(物流)の危機が顕在化し始めている。
Aネット通販の拡大には、物流機能の拡大、取扱商材の拡充といった通販企業の戦略が存在する。ネット通販市場はネットワーク外部性を保有することから、規模の拡大につれて加速度的に成長する。
B宅配便オーバーフローの直接要因は通販市場の拡大だが、その底流には商流と物流の分断構造、IoT活用の遅れなど、流通業界全体の問題が存在する。
C物流業界の問題解決に向けては、ネットワークの共同化、荷主と物流事業者のマッチングなど、限られた物流資源を効率よく、長く使い続けるプラットフォームが必要である。将来的には事業者だけではなく、生活者を含めて社会的な価値を共有できる基盤の構築を目指すべきである。
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FRBの出口戦略―再投資政策と利上げのバランス
2017年7月13日(木) 開催  (掲載日:2017年8月2日)
日本経済研究センター
講師
井上哲也・野村総合研究所金融ITイノベーション研究部長
要旨
バランスシートは2兆ドル台後半へ―米国債の需給バランスが大きく崩れるリスクは低い
@米国経済の基調は強く、個人消費や設備投資が堅調に推移している。一方、インフレ期待は足許で軟化し、米連邦準備理事会(FRB)のデュアル・マンデート達成になお不透明感も残る。
A中立政策金利の水準やバランスシートの均衡規模を含む、金融政策に対するFRBと市場の見方には乖離が生じており、より円滑なコミュニケーションが必要である。
B保有資産削減が一巡した後のFRBのバランスシートは2兆ドル台後半となる見通し。FRBの負債である銀行券に対する需要が名目国内総生産(GDP)に連れて高まるため、2008年の金融危機前の水準には戻らない。
CFRBがバランスシートを縮小しても、世界的に緩和的な金融環境を背景とした海外投資家の需要に支えられ、米国債の需給バランスが大きく崩れるリスクは低い。
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企業の実態に迫れるか―財務データ分析の最前線から
2017年7月12日(水) 開催  (掲載日:2017年8月22日)
日本経済研究センター
講師
薄井彰・早稲田大学商学学術院教授
要旨
利益操作検出のモデル開発
@会計利益は発生主義に基づいて計測されるので、実態のキャッシュフローとは異なる。実態のキャッシュフローと会計利益との差額はアクルーアル(Accruals)と呼ばれ、実物のキャッシュフローよりも比較的裁量の余地がある。そのため、経営者がアクルーアルを用いて、利益操作をしている可能性がある。
A観測される実際アクルーアルは通常の営業範囲で発生する正常アクルーアルとそれ以外の異常アクルーアルに分解される。現在、実証的な会計研究の領域では、利益操作の摘出モデルの開発が精力的に進められている。アクルーアルベースの利益操作摘出モデルは、(1)正常アクルーアルの推計、(2)実際アクルーアルとその推計値の差額から異常アクルーアルを計測、(3)異常アクルーアルの統計的な仮説検定を行う。
Bシミュレーションの結果、企業が公表している財務諸表データだけで、利益操作を十分に把握することには限界があることが明らかになった。より利益操作の摘出力を上げるには、個別の勘定科目の利益操作モデルの開発や経営者の発言などの定性的データの活用も必要である。
C詳細なデータが入手可能な公認会計士や監査役、監査委員会あるいは監査等委員会のモニタリングにより、利益操作自体を防ぐことも重要である会計不正の一層の防止策が必要となる。
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<大阪>中国経済の動向と沸き立つ新ビジネス
2017年7月11日(火) 開催  (掲載日:2017年7月31日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
金堅敏・富士通総研主席研究員
要旨
中国で拡大する「ユニコーン」企業―既存の大企業との連携が課題
@中国経済は安定成長するとはまだ言い切れない状態だ。消費は安定しており、輸出も回復基調にあるが、設備投資が弱い。企業の債務問題も、構造的な問題として重くのしかかっている。
A中国に求められるのは「抓新放旧」。古い経済を縮小しつつ新しい経済を伸ばす新陳代謝だ。最近の中国では新技術、新産業、新業態の「三新経済」がキーワードになっている。その基盤となるのはネット経済と実体経済の融合だ。これからの政策手段は構造改革やイノベーションを重視するものとなる。
B新たなイノベーションには、大学や大企業にベンチャー企業も加えた連携システムで進めなければならない。そのベンチャー企業の創業ブームが、中国で今起きている。「ユニコーン」というメガベンチャーも拡大中だ。世界のトップ企業と肩を並べるまでに成長した革新的企業は、日本にとっても脅威となる。
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セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
激動の為替マーケットを展望する
2017年7月11日(火) 開催  (掲載日:2017年7月26日)
日本経済研究センター
講師
植野大作・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト
司会)越中秀史・日本経済新聞社編集局次長 チーフ・エディター
要旨
米景気拡大続きドル高へ―ユーロは長期投資の仕込み時か
@短期的にドルの上値は重いが、今年度末には1ドル=115〜120円へとドル高が進むと予想する。当面は財政政策の不透明感、大統領の支持率低下による地政学リスク、強硬な通商政策への恐れが上値を抑える。ただ米国経済の拡大は底堅く、順調に利上げを実施することから、年度末にかけてのトレンドはドル高となる。
Aただし米国経済の堅調な拡大という前提が崩れると、1ドル=105円を割り込むドル安が進む可能性もある。他方で、仮にトランプ大統領の早期辞任となると、新大統領の政策実行力への期待から、120円以上にドル高が進むことも考えられなくはない。
Bユーロはイタリア総選挙まで政治的不透明感が解消せず、米利上げによるドルとの金利差が拡大すれば再びユーロ安圧力が強まる。ただ来年には欧州もテーパリング、利上げ期待の台頭が見込まれ、1ユーロ=1.1ドルを割り込むまで下がれば概ね底値と思われる。
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