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読むゼミ

講演内容を文章に要約した抄録です。講演開催から2週間程度で掲載していますので、ご利用ください。
※読むゼミ原稿は、日経センター担当者が録音テープをもとにまとめ、講師のチェックを受けています。
※半年ごとにまとめて掲載しています。過去のセミナー(バックナンバー)は下の窓の「開催時期」から時期を選択いただき、ボタンを押すと表示されます。

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バックナンバー(開催時期)

2017年7月〜12月開催のセミナー

AIのビジネス活用―金融、ヘルスケアで導入進む“KIBIT”
2017年10月19日(木) 開催  (掲載日:2017年11月13日)
日本経済研究センター
講師
武田秀樹・FRONTEO取締役最高技術責任者
要旨
普及のカギは導入時の手軽さ―AIの判断を活かす力が必要に
@人工知能(AI)というと、何でもできるジェネラライズドAI(汎用型人工知能)を思い浮かべるかもしれないが、これはまだ実現していない。現在、産業活用されている人工知能は、適応領域をある範囲に絞ったスペシャライズドAI(特化型人工知能)である。
A人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」はテキストデータを対象に、従来の手法では困難な、他のデータと区別しづらい価値あるデータの抽出を目的として開発され、様々な分野で活用されている。
BAIの普及に向けた技術開発側の課題は導入時の手軽さであり、導入する企業側の課題は、AI活用はビジネス競争力をつけるための手段の一つにしかすぎないと認識することである。 CAIによる変化に適応するためには、人間の代替としてAIが予測したものを、人間がどのように判断するかというデシジョンリテラシーが重要である。
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セミナー資料
為替はどう動くのか 不確実性時代のマーケットを展望する
2017年10月17日(火) 開催  (掲載日:2017年10月30日)
日本経済研究センター
講師
池田雄之輔・野村證券チーフ為替ストラテジスト
司会)越中秀史・日本経済新聞社編集局次長 チーフ・エディター
要旨
米利上げ回数がドル円を左右―ドル円を決める次期FRB議長の利上げ戦略
@為替市場はあらゆるものを材料視して動く。そのため、見せかけの相関にとらわれすぎず因果関係を正しく見ることが必要だ。その上で、その時点における相関の良い指標を活用していくことが重要となる。ドル円は需給と金利差が大きなファクターで、「今」相関が良いのは米国10年金利だと考えている。
Aトランプ大統領の発言には注意が必要で、会談相手やその場の雰囲気に流される。発言内容をそのまま受け取ってはミスリーディングにつながる場合もある。
B米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ回数をしっかり予想できればドル円水準の目安となる。利上げ回数にはFRB議長の人選と、その後の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権の分析が重要となる。
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セミナー資料
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<大阪>IoTで地域と産業はどう変わるか
2017年10月11日(水) 開催  (掲載日:2017年10月24日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
荘司洋三・情報通信研究機構ソーシャルイノベーション推進研究室長
要旨
データの地産地消で価値創造―通信と地域資源の融合が重要
@「データの地産地消」サービスが、地域に安全・安心・便利などの価値を提供し、地域を活性化させる。そのサービスを実現するのは「地域IoT基盤」だ。ビッグデータやクラウドを必要としない、地域の「今の情報」を利活用するネットワークである。
A「地域IoT基盤」を構築するための有効な方法は、国際標準規格に基づく無線通信システムの「Wi-SUN」と地域の既存資源を融合させることだ。情報通信研究機構は飲料メーカーやタクシー会社と連携。「Wi-SUN」などの無線通信機器を飲用自販機に設置し、地域のIoT基盤として活用する実証実験を行っている。
BIoTサービスの持続可能性を高め地域社会に浸透させるためには、オープンプラットフォームと異分野・異業種の連携によるエコシステム作りが欠かせない。事業者と消費者の間に非営利的なIoT基盤を構成するために、あらゆるステークホルダーが資源を提供し合う仕組みを構築することが、そのカギとなる。
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セミナー資料

金融緩和の出口問題の本質は何か
2017年10月10日(火) 開催  (掲載日:2017年10月20日)
日本経済研究センター
講師
池尾和人・慶應義塾大学経済学部教授
要旨
日本はインフレ税に頼らず公債を維持できるか―財政的余裕がないと、出口なき緩和を続ける悲劇に
@米連邦準備制度理事会(FRB)が出口に向かう中、日銀の出口戦略についても関心が集まっている。出口に際しては日銀の財務が著しく悪化することが懸念されている。しかし、中央銀行は政府の子会社のような存在であり、子会社の財務状態だけをみていても不十分である。親会社(政府)の財務状態も合わせてみる必要がある。
A物価水準は、一般的には財政政策と金融政策の相互作用で決まると考えられる。要するに、金融政策の変化に対して財政政策がどのように反応するかで、結果は変わってくる。このことは、出口問題についても同断である。
B金融緩和を正常化すると、日銀が保有している国債に巨額の評価損が出るのは事実だが、日銀と政府を合わせた統合政府レベルで考えれば問題ではない。真の問題は、国債の利払い費が上昇することである。利払い費の増大をインフレ税に頼ることなく吸収できるだけの財政的余裕が政府にあるかが問われることになる。その財政的余裕がないと、日銀は出口なき緩和を続けざるを得なくなる。
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セミナー資料
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AI×IoT×ビッグデータ活用の2018年
2017年10月3日(火) 開催  (掲載日:2017年10月19日)
日本経済研究センター
講師
杉本昭彦・前日経ビッグデータ編集長
要旨
拡大しつづけるIT化の潮流―日本企業は波に乗れるか
@あらゆる産業で人工知能(AI)、IoT、ビッグデータを活用した新たなビジネスが相次いで誕生している。GAFA(ガーファ)と呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社は、巨大なプラットフォーマーとなり市場を牽引している。
A日本企業もIT化の波に乗るべく、デジタル戦略を次々と打ち出しており、生産効率の向上や顧客のニーズに合ったサービスの提供を目指す。
B2018年以降は深層学習の高度化、データに基づくリアルタイムな価格設定、製造業のサービス業化という3つのトレンドにより、AI、IoT、ビッグデータがもたらす影響はさらに大きくなるだろう。
C国内でもAIスタートアップの上場ラッシュや官民が連携したプロジェクトの発足などにより、新たなビジネスが生まれたり、働き方改革が促進されたりと、様々な動きが出てくるだろう。
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セミナー資料
≪シリーズ スタートアップ経済≫第4回
加速する中国のキャッシュレス経済―イノベーションが進む現状と今後の展開
2017年9月26日(火) 開催  (掲載日:2017年10月13日)
日本経済研究センター
講師
趙瑋琳・富士通総研経済研究所上級研究員
要旨
アリペイなどスマホ決済が急速に普及―自転車シェアなど新サービスの原動力に
@中国ではデパートや街の屋台で、QRコードにスマホをかざすだけで買い物ができるようになり、財布を持たない人も増えている。タクシーの配車やランチの配達でもスマホなどを使ったモバイル決済が急速に普及している。
Aモバイル決済サービスはアリババ集団の関連会社、螞蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル)の「支付宝(アリペイ)」と騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」が2大勢力。この2社だけでモバイル決済市場の9割超のシェアを持つ。
Bスマホ決済はシェア自転車など新サービスを生み出す原動力ともなっている。中国政府はフィンテックの育成に力を入れ、イノベーションによる経済活性化を国家戦略にしている。そのためには自由でオープンな市場環境づくりが必要だ。
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セミナー資料
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世界の新秩序と日本経済
2017年9月19日(火) 開催  (掲載日:2017年10月5日)
日本経済研究センター
講師
竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
要旨
民間活力生かす改革加速を―第4次産業革命の風に乗れ
@緩やかな回復過程にある世界経済にはいくつかの「乱気流」が存在する。英国のEU離脱(ブレグジット)や米トランプ大統領の政策、そして北朝鮮の問題である。さらに世界中に「インシビリティ」(節度を欠く言動)が広がっているのも懸念材料だ。
A日本は第4次産業革命への政策対応が米英に比べ4〜5年遅れている。6月の成長戦略に盛り込んだビッグデータ整備の司令塔組織や、規制を白紙にして試行錯誤ができるサンドボックス(砂場)型特区を生かし、第4次産業革命の風に乗ることが重要だ。
B社会人が技術を学び直すリカレント教育も、サイバーセキュリティやIT(情報技術)人材の不足を補う上で欠かせない。空港や公有施設の運営を企業に委ねるコンセッションの推進も含め、民間活力を生かす改革を加速すべきだ。
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徹底討論ASEAN経済―インドネシア・フィリピン編
2017年9月14日(木) 開催  (掲載日:2017年9月28日)
日本経済研究センター
講師
福地亜希・三菱東京UFJ銀行経済調査室調査役
菊池しのぶ・みずほ総合研究所アジア調査部主任研究員
モデレーター)牛山隆一・日本経済研究センター主任研究員
要旨
インドネシア経済、脱資源が課題―フィリピン、投資拡大で勢い
@インドネシアは石炭や石油など資源関連輸出への依存が高い産業構造を持つ。2010年頃からの中国の景気減速にともなう需要減の影響を受け、一時は6%を超えた成長率は足元で5%前後にまで減速した。ジョコ政権は製造業の育成に向けてインフラ投資の積極化や外資規制緩和などを進め、一部では成果も出ているが、予算執行遅れや財政赤字拡大など課題も多い。
Aフィリピン経済は前アキノ政権や現ドゥテルテ政権による積極的なインフラ投資と力強い個人消費を追い風に成長率を高め、直近では6%台後半の水準にある。一方で内需拡大による輸入増は経常収支の悪化やペソ安を招いているほか、インフラの質の低さ、厳しい外資規制は海外からの直接投資の抑制要因となっており、7%台への加速は簡単ではない。
Bインドネシア、フィリピンとも財政赤字が慢性化しており、インフラ投資のための予算確保が課題。高い支持率を得ている中で、両国の指導者が税制改革などの懸案にどう取り組むかが目先の焦点となる。
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セミナー資料(福地氏)
セミナー資料(菊池氏)
<大阪>ロボットが変えるこれからの社会
2017年9月13日(水) 開催  (掲載日:2017年9月26日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
富田直美・hapi-robo st社長、H.I.S.取締役CIO、ハウステンボス取締役CTO
要旨
進化し続ける「変なホテル」―重要なのは人間の考える力
@日本のロボット市場は幕開けの段階である。2015年でおよそ1.6兆円に過ぎなかった国内のロボット市場は、20年後の35年には9.7兆円に拡大する見通しだ。その市場の半分余りはサービスロボットが占めるようになる。
A長崎県佐世保市のハウステンボスに開業した「変なホテル」はフロント、清掃をはじめ、様々な業務をロボットが担当するホテルだ。お客様の苦情を聞き、満足いただけるように改善を重ねていく、「アジャイル」型の「変化するホテル」である。マーケティングの奏功により、業績は好調が続いている。
Bお客様からの苦情を聞き不完全な部分を埋めていくのは、マネジメントする人間だ。ロボットが社会を変えていく時代にあっても、重要なのは人間力である。ロボットはネットワークの末端のデバイスに過ぎない。それをどう発展させるかが問われる。
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決め方の科学―多数決は万能か
2017年9月7日(木) 開催  (掲載日:2017年9月21日)
日本経済研究センター
講師
坂井豊貴・慶應義塾大学経済学部教授
要旨
決め方次第で結果は変わる―多数決の問題点と活かし方
@集団の意思決定においてよく用いられる多数決には、票の割れという致命的な欠陥がある。米国大統領選挙や日本の国政選挙において、泡沫的な三番手の候補者の存在が結果を左右する事態が生じている。
A改善策として決選投票を行う制度もあるが、「1位に3点、2位に2点、3位に1点」を与えるボルダルールが優れた決め方であり、スロベニアの国政選挙や書籍の賞の選考で活用されている。
B一次元の選択問題においては、中位ルールを採用し、各人の選択結果の真ん中に決定することが望ましいことが知られており、日本の裁判員制度での量刑判断において活用されている。
C多数決で正しい判断をする確率を上げるためには、他者の意思決定に影響を与えるボスがいないこと、多数決に「私達の社会にとって必要か」という共通の目標があることが必要である。
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セミナー資料

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健康経営で生産性向上―メンタル医療医からの提言
2017年9月5日(火) 開催  (掲載日:2017年9月20日)
日本経済研究センター
講師
石蔵文信・大阪大学人間科学研究科未来共創センター招聘教授
要旨
ストレス軽減で生産性高めよ―うつ病問題には「連携」と「積極治療」
@うつ病を治す必要はない。重要なのは、仕事ができる程度まで症状を回復させることだ。仕事熱心で真面目な人ほど、うつになりやすいが、治療途中で無理をせず、医師や家族と協力しながら時間をかけて治療に取り組むことが回復の秘訣だ。
A企業における従業員の職務ストレスは、人命の喪失や生産性の低下等によって人的・社会的・経済的損失をもたらす。リスクマネジメントの一環として、うつがどのような病気かを理解すること、早期に従業員のストレス兆候を発見すること、ストレスチェックの仕組みを充実させることが求められる。
B一般医と精神科医、弁護士等の連携を深める「G-Pネットワーク」により自殺者数が減少した。メンタルコンサルタントとして産業医へ助言も行っている。ストレスを軽減し働きやすい職場をつくること、そして生産性を向上させることが「健康経営」の極意だ。
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<大阪>ホワイトハウスの政策遂行力と日米関係
2017年9月5日(火) 開催  (掲載日:2017年9月12日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
渡辺靖・慶應義塾大学環境情報学部教授
要旨
米国のリベラルな潮流は不変―格差縮小へ国際的協調が必要
@排外主義、自国第一主義を掲げるトランプ政権は、格差が拡大する中で、受けられるべき恩恵が受けられないという不満を持つ白人労働者層に支えられ、一定の支持率を保っている。
Aただ、ロシアゲート問題に代表されるスキャンダルや、ホワイトハウス内の混迷が、政権のアキレス腱だ。オバマケアの改廃や税制改革などの経済政策は計画通りに遂行できず、外交・安保政策についても、対北朝鮮政策が手詰まりに陥っている。
B米国社会を長期的に見れば、リベラリズムの潮流は変わらず、むしろ強まると私は見る。ただ、国家主権に重きが置かれるあまりグローバル化が後退しており、自由と民主主義の支え手であるミドルクラスの縮小が進む懸念も出ている。リベラルな国際秩序を保つため、日本は米国との関係を強化し、格差の縮小で自国第一主義などを排するグローバルな枠組みづくりを進めるべきだ。
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セミナー資料

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企業を襲うサイバー脅威―どう備えるべきか
2017年8月23日(水) 開催  (掲載日:2017年9月15日)
日本経済研究センター
講師
高野聖玄・スプラウト社長
要旨
サイバー攻撃と闇市場の存在―情報資産を守るためにリスクの把握と侵入調査を
@近年、多様化するサイバー攻撃により、グローバルに情報漏洩が増加している。世界的にみて日本はサイバーインテリジェンス(諜報活動)への対応が遅れており、日本企業をとりまくサイバーリスクは年々高まっている。
Aサイバー攻撃急増の一因として、インターネットの深淵、“ダークウェブ”にある闇市場の存在が挙げられる。闇市場では違法薬物や銃器に加えて、ハッキングツールや流出情報が簡単に売買されており、これがサイバー攻撃の急増につながっている。
Bサイバー空間においては、守る側よりも攻める側の方が圧倒的に有利であり、何か一つのサービスやソリューションを導入すれば解決するわけではない。そのような状況で、企業は、自社の持つ情報資産が置かれている状態を知ることに加えて、資産の重要度に応じた適切な対策を取ることが肝要である。
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≪シリーズ スタートアップ経済≫第3回
深圳のイノベーションエコシステム―メイカーズのモノづくり最前線
2017年8月3日(木) 開催  (掲載日:2017年9月4日)
日本経済研究センター
講師
高須正和・メイカーフェア深圳運営委員
要旨
深圳は「メイカームーブメント」最適地―模倣品を超え、高品質で魅力ある製品を
@ソフトウェア・Web開発のビジネスは、2000年半ばまでにオープンソース・ソフトとその恩恵を受けたクラウドが普及し開発コストが劇的に下がったことで誰もが参入できるようになった。同じようなことが2011年ぐらいからハードウェアの世界でも起きている。
Aハードウェア専門の米アクセラレーター「HAX」は中国・深圳でモノ作り起業家の育成に乗り出している。プリント基板の製作請負のSeeedのような企業もあり、「メイカームーブメント」にとって深圳は最も適した場所だ。
B一方で中国にはすぐに模倣品は出てくる問題がある。本物よりも素早く、しかも低価格で市場に出てくることもある。対抗するにはハイクオリティで魅力のある製品を作るしかない。深圳発のスタートアップで成功事例が数多く出てくるかどうかは、それを実現できるかどうかにかかっている。
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トランプ時代の米中関係―貿易不均衡是正へ「100日計画」
2017年7月28日(金) 開催  (掲載日:2017年8月18日)
日本経済研究センター
講師
呉軍華・日本総合研究所理事・主席研究員
要旨
米中関係は「冷和」の時代へ―ポスト冷戦時代の終焉、世界は歴史的転換期に
@米中両国は4月初めの首脳会談で貿易不均衡是正に向けて100日計画を策定することで合意。5月に段階的成果として10項目の合意達成を発表するも、100日経過後も目立った進展はなかった。貿易不均衡が問題視されるのは、その背景に米中経済力の変化があり、中国の台頭による覇権争いがあるからである。
A米中関係を理解するうえで大切なことは、世界がトランプ政権誕生を機にポスト冷戦時代の終焉を迎えたことだ。それまでポスト冷戦時代を構成していた3つのファクターである米国経済一極集中、民主主義などの普遍的価値観、グローバル化といった構成要素が崩れ始めた。
Bそうした歴史的な転換期を迎える中、米中関係は「冷和」時代に。今後の両国の関係は「冷」のファクターが強い。対立を対決にしないためのマネージメントが求められていく。
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ロジスティクス危機打開への視点
2017年7月20日(木) 開催  (掲載日:2017年8月10日)
日本経済研究センター
講師
橋本雅隆・明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授
要旨
ネット通販の成長と物流―生活者と共に築く物流基盤の重要性
@近年、ネット通販の拡大から宅配便等の小口短距離貨物の輸送量が増加しており、物流事業者の負荷が増大している。さらにはドライバーの不足、高齢化が問題を一層深刻にしており、宅配便のオーバーフローなど、ロジスティクス(物流)の危機が顕在化し始めている。
Aネット通販の拡大には、物流機能の拡大、取扱商材の拡充といった通販企業の戦略が存在する。ネット通販市場はネットワーク外部性を保有することから、規模の拡大につれて加速度的に成長する。
B宅配便オーバーフローの直接要因は通販市場の拡大だが、その底流には商流と物流の分断構造、IoT活用の遅れなど、流通業界全体の問題が存在する。
C物流業界の問題解決に向けては、ネットワークの共同化、荷主と物流事業者のマッチングなど、限られた物流資源を効率よく、長く使い続けるプラットフォームが必要である。将来的には事業者だけではなく、生活者を含めて社会的な価値を共有できる基盤の構築を目指すべきである。
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FRBの出口戦略―再投資政策と利上げのバランス
2017年7月13日(木) 開催  (掲載日:2017年8月2日)
日本経済研究センター
講師
井上哲也・野村総合研究所金融ITイノベーション研究部長
要旨
バランスシートは2兆ドル台後半へ―米国債の需給バランスが大きく崩れるリスクは低い
@米国経済の基調は強く、個人消費や設備投資が堅調に推移している。一方、インフレ期待は足許で軟化し、米連邦準備理事会(FRB)のデュアル・マンデート達成になお不透明感も残る。
A中立政策金利の水準やバランスシートの均衡規模を含む、金融政策に対するFRBと市場の見方には乖離が生じており、より円滑なコミュニケーションが必要である。
B保有資産削減が一巡した後のFRBのバランスシートは2兆ドル台後半となる見通し。FRBの負債である銀行券に対する需要が名目国内総生産(GDP)に連れて高まるため、2008年の金融危機前の水準には戻らない。
CFRBがバランスシートを縮小しても、世界的に緩和的な金融環境を背景とした海外投資家の需要に支えられ、米国債の需給バランスが大きく崩れるリスクは低い。
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聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
企業の実態に迫れるか―財務データ分析の最前線から
2017年7月12日(水) 開催  (掲載日:2017年8月22日)
日本経済研究センター
講師
薄井彰・早稲田大学商学学術院教授
要旨
利益操作検出のモデル開発
@会計利益は発生主義に基づいて計測されるので、実態のキャッシュフローとは異なる。実態のキャッシュフローと会計利益との差額はアクルーアル(Accruals)と呼ばれ、実物のキャッシュフローよりも比較的裁量の余地がある。そのため、経営者がアクルーアルを用いて、利益操作をしている可能性がある。
A観測される実際アクルーアルは通常の営業範囲で発生する正常アクルーアルとそれ以外の異常アクルーアルに分解される。現在、実証的な会計研究の領域では、利益操作の摘出モデルの開発が精力的に進められている。アクルーアルベースの利益操作摘出モデルは、(1)正常アクルーアルの推計、(2)実際アクルーアルとその推計値の差額から異常アクルーアルを計測、(3)異常アクルーアルの統計的な仮説検定を行う。
Bシミュレーションの結果、企業が公表している財務諸表データだけで、利益操作を十分に把握することには限界があることが明らかになった。より利益操作の摘出力を上げるには、個別の勘定科目の利益操作モデルの開発や経営者の発言などの定性的データの活用も必要である。
C詳細なデータが入手可能な公認会計士や監査役、監査委員会あるいは監査等委員会のモニタリングにより、利益操作自体を防ぐことも重要である会計不正の一層の防止策が必要となる。
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<大阪>中国経済の動向と沸き立つ新ビジネス
2017年7月11日(火) 開催  (掲載日:2017年7月31日)
日本経済研究センター 大阪支所
講師
金堅敏・富士通総研主席研究員
要旨
中国で拡大する「ユニコーン」企業―既存の大企業との連携が課題
@中国経済は安定成長するとはまだ言い切れない状態だ。消費は安定しており、輸出も回復基調にあるが、設備投資が弱い。企業の債務問題も、構造的な問題として重くのしかかっている。
A中国に求められるのは「抓新放旧」。古い経済を縮小しつつ新しい経済を伸ばす新陳代謝だ。最近の中国では新技術、新産業、新業態の「三新経済」がキーワードになっている。その基盤となるのはネット経済と実体経済の融合だ。これからの政策手段は構造改革やイノベーションを重視するものとなる。
B新たなイノベーションには、大学や大企業にベンチャー企業も加えた連携システムで進めなければならない。そのベンチャー企業の創業ブームが、中国で今起きている。「ユニコーン」というメガベンチャーも拡大中だ。世界のトップ企業と肩を並べるまでに成長した革新的企業は、日本にとっても脅威となる。
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セミナー資料

聴くゼミ(音声)JCER NET メンバー限定
激動の為替マーケットを展望する
2017年7月11日(火) 開催  (掲載日:2017年7月26日)
日本経済研究センター
講師
植野大作・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト
司会)越中秀史・日本経済新聞社編集局次長 チーフ・エディター
要旨
米景気拡大続きドル高へ―ユーロは長期投資の仕込み時か
@短期的にドルの上値は重いが、今年度末には1ドル=115〜120円へとドル高が進むと予想する。当面は財政政策の不透明感、大統領の支持率低下による地政学リスク、強硬な通商政策への恐れが上値を抑える。ただ米国経済の拡大は底堅く、順調に利上げを実施することから、年度末にかけてのトレンドはドル高となる。
Aただし米国経済の堅調な拡大という前提が崩れると、1ドル=105円を割り込むドル安が進む可能性もある。他方で、仮にトランプ大統領の早期辞任となると、新大統領の政策実行力への期待から、120円以上にドル高が進むことも考えられなくはない。
Bユーロはイタリア総選挙まで政治的不透明感が解消せず、米利上げによるドルとの金利差が拡大すれば再びユーロ安圧力が強まる。ただ来年には欧州もテーパリング、利上げ期待の台頭が見込まれ、1ユーロ=1.1ドルを割り込むまで下がれば概ね底値と思われる。
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