理事長メッセージ
激動の世界と日本、DX・脱炭素を加速
ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの顕在化や米中対立の影響で、経済のグローバル化が転機を迎えています。エネルギーや食糧価格は高騰し、景気悪化とインフレが併存するスタグフレーション圧力が世界で高まっています。日本でも資源高と円安で交易条件の悪化が加速しています。脱炭素社会への移行の遅れが懸念されますが、こうした制約下でも「デジタル・グリーン・エコノミー」へ産業構造を転換することが、経済成長へのカギを握ると考えています。
日本経済研究センターは、改革が時に当事者にとって痛みを伴うものであっても、それに臆さず発言することがシンクタンクとしての責任だと思っています。国内外の知見を結集、動員し、日本が直面する内外の課題を解決する方途を探ります。
代表理事・理事長
岩田 一政
各種事業・サービス
産・学・官の知力を結集

日本経済研究センターは、中立・非営利の立場から「的確な経済予測と機動的な政策提言」の使命を果たすべく各事業に取り組んでいます。短期経済予測をはじめ、経済構造も含めた中期や長期の経済予測、アジア経済予測、内外の経済問題に関する調査・研究、政策提言をおこなっています。このほか、企業からの研修生受け入れ、会員・一般向けセミナー、出版活動、研究奨励金交付などがあります。
産・学・官のネットワークづくりにも力を入れています。会員向け「社長朝食会」をはじめ、第一線のエコノミストとの意見交換を目的とした「経済動向研究会」、政策決定に深く関わる識者らを招く「政策懇談会」を定期的に開催しています。会員参加型の「デジタル社会研究会」なども充実させています。経営者、エコノミスト、政策当局者らを招待する「エコノミスト懇親会」は年末恒例の行事として定着しています。センターでは2018年9月、Webサイトをリニューアルしました。経済予測や政策提言をわかりやすくナビゲーションし情報発信を強化するとともに、産学官交流の場につなげていく考えです。経済財政問題などのテーマについて、識者がそれぞれの立場で意見を発信する「政策ブログ」も始めました。
国内外の大学・研究調査機関との連携では、学術論文誌「日本経済研究」の発行、「日経・経済図書文化賞」などがあります。日本を代表するグローバル企業約30社、シンクタンクなどと進めている「日米知的交流・共同研究プログラム」は政策形成に影響力を持つ方々を多数招き、意見交換を進めています。アジア地域を対象とした事業では、英文政策提言誌「AEPR」の発行をはじめ、若手研究者を招聘する「日経アジアスカラシップ制度」、現地エコノミストが予測する「アジア・コンセンサス調査」などが代表的です。