コロナ禍の財政措置、わが国の成果は良好

▼ポイント▼

          • コロナ禍における財政措置の規模を国際比較すると、対名目GDP比率でみて、先進諸国、新興諸国、および発展途上諸国の順で大きい。それぞれ、19.1%、6.2%、および2.3%。わが国は、ドイツやイタリアとともに、ダントツのトップ3集団を形成。
          • その全般的な成果については、G7諸国の中で比較すると、20年4-6月期における実質GDP成長率の落ち込み幅や新型コロナウイルスによる死亡者数を勘案するかぎり、日本は最も良好であった。
          • 米独と比較すると、わが国の財政措置は、家計・企業の資金繰り支援の面においても、中央銀行による緊急措置と相まって、世界トップクラスの優れた結果を残したといえる。
          • 海外主要国にて長期的な視点から策定されている施策をみると、わが国財政政策の今後については、①ウィズ・コロナ時代のイノベーションの促進、および②コロナ禍が経済成長の基盤に及ぼすダメージの抑制、という性格付けを強化すべきことに気づかされる。

コロナ禍で注目高まる「METI POS小売販売額指標」

日本経済研究センターは10月16日、第3回「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を開催した。この日の2件目は、経済産業省大臣官房調査統計グループ総合調整室参事官(総合調整担当)井上学氏と同グループ調査分析支援室長田邉敬一氏から、『ビッグデータを活用した新指標開発事業について』と題して報告があった。新型コロナウイルスの影響下において足の早い個人消費の統計として最近注目が高まっている「METI POS小売販売額指標」などの話とともに、同事業の全体像と戦略について説明があった。

機械学習モデルの予測精度を評価

日本経済研究センターは10月16日、第3回「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を開催した。この日の1件目として日本銀行エコノミストの前橋昂平氏から、大規模時系列データに機械学習モデルや因子モデルを適用し、日本の主要マクロ経済指標の予測を試みた研究成果の報告があった。研究会では予測の手法と結果の評価、および利用データなど、多方面から活発に議論した。

コロナ対策、早いほど少ない死者と経済損失

▼ポイント▼

          • 各国の新型コロナウイルスへの政策対応の評価を、「感染による死亡者数」と「実質GDP成長率の減少率」を用いてスコア化した。日本は54カ国中12位だった。
          • スコアの上位国と下位国を比較すると、封じ込め政策を開始したタイミングに明確な差があった。早期に対策を開始した国ほど死亡者数と経済損失が少ないという傾向があった。
          • 日本の政策対応は、諸外国と比較して遅く、死亡者数はより増加してもおかしくなかった。しかし、日本は死亡者数が少なく、特殊な国だった。
          • 感染再拡大のリスクを踏まえると、世界各国において、迅速な意思決定を行う態勢の整備が求められる。

高頻度取引で株価形成はどう変わったか

日本経済研究センターは9月18日、第2回「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を開催した。株式市場の流動性と投資家行動を分析する「マーケット・マイクロストラクチャー」分野の第一線で活躍する早稲田大学教授宇野淳氏から、近年、株式市場で存在感を増している高頻度取引(HFT)により株価形成がどう変わったかについて、膨大なティックデータ(約定ごとの最小の値動き)を用いた実証研究の報告があった。既存の株価形成のパターンを基に1秒後を予測する HFTは、相場変動を増幅させる可能性が指摘される中で、流動性供給の役割を担っているという。研究会では統計解析の手法などについても活発に議論した。

位置情報と検索データをコロナ対策に応用

日本経済研究センターは7月10日、人工知能(AI)とビッグデータを利用し、経済分析や予測などを目的に経済モデルの構築に取り組む産官学のエコノミストや研究者らが集まり、相互に意見交換する「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を立ち上げた(コロナ禍のもと第1回はオンライン開催)。人間の位置情報解析を専門とするYahoo! Japan研究所 上席研究員 坪内孝太氏を迎え、スマートフォンから得た膨大な位置情報に検索データなどを組み合わせ、解析した結果を新型コロナなどの災害対策に応用する報告があった。研究会ではこうしたビッグデータの活用の可能性や解析手法などについて活発に議論した。