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アジア経済予測 アジア経済短期予測:中国・ASEAN4 (第7回 / 18年1-3月期~19年10-12月期)

輸出好調で楽観ムード拡大

―金利上昇とスマホ失速に懸念

主査:上原 正詩
  主任研究員
総括:田原 健吾
  データサイエンス研究室長兼主任研究員
髙橋 えり子
  副主任研究員
茂木 洋之 研究員
   
真鍋 和也 研究生
   

2018/02/28

 中国およびASEAN4カ国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)の合計5カ国を対象にした「アジア経済短期予測」を発表しました。

【中国・ASEAN4の現況と見通し】
 日米欧など世界経済の景気回復を受けて、アジア各国からの輸出は16年後半以降、好調が続いている。スマートフォン(スマホ)等向けの電子部品の輸出が各国で伸びているのに加え、インドネシアやマレーシアなどの資源国ではエネルギーや鉱産物の市況も改善している。輸出増の国内への波及効果もあり、各国の雇用・所得環境は良好で、堅調な消費を支えている。フィリピンなどではインフラ投資の進捗も内需の押し上げ要因となっている。17年の実質GDP(国内総生産)成長率は前回(17年8月)の予測よりも上振れし、中国は6.9%、ASEAN4は5.2%と、ともに16年より加速した。良好な外需環境は続くとの楽観ムードが広がっており、18年の見通しを中国は6.4%、ASEAN4は5.2%と前回からそれぞれ0.2ポイント引き上げた。特に輸出が好調なマレーシア、タイはそれぞれ0.7ポイント、0.5ポイント引き上げて5.2%、3.9%の成長になる見通し。内需主導のインドネシア、フィリピンはそれぞれ5.3%、6.9%と据え置いた。ただし17年の伸びと比べると、輸出依存度の高いマレーシア、タイは減速するか横ばいなのに対し、内需主導のインドネシア、フィリピンは僅かに加速する。ASEAN全体では0.2ポイント上方修正の5.2%となり、17年比横ばいとなる。
 巨額の企業債務を抱える中国は政府投資が成長を下支えしてきた面があるが、今後は債務調整局面を迎え、緩やかに成長率が落ちていくと見込む。19年は輸出の伸びもさらに鈍化し、6.2%に成長率が下がるとみている。中国経済の減速に伴い、中国依存度の高いマレーシア、タイの19年の成長率はそれぞれ4.7%、3.4%に減速する見通し。中国依存の相対的に小さいインドネシア、フィリピンは5.3%、6.9%と18年並みの高い成長を維持する見通しだ。ASEAN全体では5.0%に鈍化する。

【お知らせ】

※3月2日付日本経済新聞朝刊・国際1面に関連記事が掲載されました。
※2月28日 Nikkei Asian Reviewウェブサイトに記事が掲載されました: Asian export rebound to fuel faster economic growth in 2018

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