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ニュースコメント

12月短観、景況感は横ばいも、先行きに懸念

―貿易摩擦の悪影響が重しに―

主査:西岡 慎一
  主任研究員

2018/12/14

【12月短観のポイント】


日本経済研究センターは、日本銀行が12月14日に公表した「全国企業短期経済観測調査」の2018年12月調査について、そのポイントを整理した。概要は以下の通り。

  • 「最近」の業況判断DIは、概ね横ばいを維持した。ただし、「先行き」は大きめに悪化した。
  • 夏場の自然災害による悪影響が一巡した点、資源価格の下落がマージンを改善させた点、為替想定が円安方向に修正された点は、景況感を押し上げる方向に作用したとみられる。18年度の売上高計画や経常利益計画は上方修正されたほか、設備投資も強気の計画が維持されている。
  • もっとも、米中の貿易摩擦とこれによる中国経済の悪化への懸念が先行きの景況感を下押ししているとみられる。今後の海外需給に対する見方が悪化している点もこれを反映している可能性がある。先行きの景況感の悪化は、製造業だけでなく非製造業でも大きく、外需の弱さが内需に波及する経路に警戒を要する。

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