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長期経済予測 第二次報告

2060年の世界、米中が経済規模で拮抗

-日本は印、独に抜かれ世界第3位から転落-
-成長維持にはデジタル化加速、成長率を0.3ポイント増に-

 

2019/06/17

 デジタル化が加速し、米中貿易摩擦が激化するなか、主要7カ国について2060年までの長期経済予測を実施した。2060年の世界は米国と中国が経済規模で拮抗する。日本は人口減少・高齢化の影響が大きく、恒常的にマイナス成長に陥り、経済規模でインド、ドイツに抜かれ世界3位から転落する。それを回避するにはデジタル経済への対応を加速することが不可欠で、成功すればプラス成長も可能になる。保護主義が続いて大戦前のようなブロック経済になれば、世界経済が縮小し恐慌色を帯びる「悪夢のシナリオ」のリスクも否定できない。

「日本経済新聞2019 年7月26日付け朝刊に掲載された経済教室」の英文を公表しました。

 

<ポイント>

  • 2030年代に中国が世界一も、60年には米中経済は拮抗
  • 政治安定・経済開放度とデジタル経済対応への無形資産投資が成長力のカギに
  • データ流通の規制強化は成長を抑制、米欧先進国の低迷招く
  • 経済のブロック化、世界恐慌の引き金の可能性

 

図 日本はデジタル化へ対応できないと経済は縮小する

(注)名目ドル換算値を米GDPデフレーター(2014年=100)で実質化した値。
(資料)IMF, World Economic Outlook Database; 予測は日本経済研究センター

 

本稿は首席研究員・猿山純夫、主任研究員・田原健吾、小林辰男、副主任研究員・猪俣賢太郎、理事長・岩田一政が担当しました。

2019/7/12: 訂正とお詫び
長期経済予測の図表の一部に誤りがありました。 GDP規模、1人当たりGDPの図です。
要約の図1~3と、全体版のp13、p14 の該当部分を差し替えました。
ドル換算に用いる為替レートの設定に誤りがあり、主に日本の数値を修正しました。
お詫びして訂正します。

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