新型コロナで産業界総崩れ、深まる後退色
─米独への感染拡大が当面のリスク─
2020/03/09
日本経済研究センターでは、従来の予測(2月17日公表「第181回四半期経済予測」<以下、SA181 >)を改訂した(以下、SA181R)。これは、本日公表された19年10-12月期のGDP2次速報値(2次QE)や最近の経済指標の動きなどを踏まえている。
【改訂のポイント】
19年10-12月期の2次QEが公表され、実質成長率は、前期比-1.8%(同年率-7.1%)と、1次QEの前期比-1.6%(同年率-6.3%)から下方修正された。消費と設備投資が落ち込み、増税後の景気が大きく悪化した姿が再確認された。1-3月期は、中国経済が過去に例をみないほど停滞し、日本の製造業や観光業にもこの影響が及んでいる。さらに、2月下旬以降、新型コロナの感染が世界に拡散していることが判明し、日本も経済活動の自粛を強いられている。この影響で、娯楽・宿泊・建設といった非製造業が打撃を受ける。産業界が総崩れとなり、日本経済は景気後退色を深めている。1-3月期は2期連続のマイナス成長とみる。
▽実質GDPの見通し▽
【関連レポート】
※中国・ASEAN4短期経済予測レポート「新型コロナで中国の所得倍増目標は未達に―悪影響はASEANにも伝播―」(2020年1-3月期~2022年1-3月期)はこちら
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