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月次GDP

8月の月次GDP、前月比0.6%増

―外需がプラス寄与も回復ペース鈍く―

松尾 朋紀
  研究員

2020/10/12

日本経済研究センターがまとめた2020年8月の実質国内総生産(GDP)=月次GDP は、前月比+0.6%となった。国内民需は小幅なマイナス寄与だったが、EUやNIES・ASEANなど向けの輸出が伸びたことで外需が増加し、8月の月次GDPを押し上げた。

仮に7-9月期が7-8月の平均値の水準で推移した場合、2020年4-6月期と比べた実質GDPは、前期比年率換算で+12.6%となる。ただし、4-6月期の大きな落ち込み(前期比年率▲28.1%)からは半分も取り戻しておらず、回復のペースは鈍いと言える。

支出項目の主な内訳は以下の通り。

【外需】
  • 輸出、輸入がそれぞれ前月比+5.4%、同▲0.0%となったため、実質GDP成長率への寄与度は+0.8%ポイントだった。
【民需】
  • 民間住宅投資、民間企業設備投資、民間最終消費支出がそれぞれ前月比▲1.0%、同▲0.6%、同▲0.1%と前月から減少した。
  • 民間在庫変動と合わせた実質GDP成長率への国内民需の寄与度は▲0.1%ポイントとなった。
【公需】
  • 公的資本形成は前月比+0.6%、政府最終消費支出は同▲0.3%だったことから、公需の成長率への寄与度は▲0.0%ポイントとわずかなマイナスだった。
  • 国内民需と公需を合わせた内需の成長率への寄与度は▲0.2%ポイントだった。

【利用上の注意】

月次GDPと各需要項目は最新月の公表のたびに、過去に遡って修正が入ります。経済予測・分析への活用にあたっては、この点に注意していただくとともに、必ず最新月の公表分の時系列データをご使用ください。

修正の主な要因は下記の通りです。

1.内閣府『四半期GDP速報』公表と遡及修正

『四半期GDP速報』では直近四半期の公表・改定と同時に過去分が遡及修正されます。月次GDPと各需要項目の算出では四半期変換した値が『四半期GDP速報』に一致するように調整するため、『四半期GDP速報』の公表のたびに過去分を含めて変わります。

2.推計用基礎統計の遡及修正

月次GDPの各需要項目の推計に使う基礎統計が基準年変更による改定や季節調整のかけ直しに伴って遡及修正されると、推計値も変化します。

3.推計用説明変数の入れ替え

たとえば、民間最終消費支出は当初、総務省『家計調査』と日本自動車販売協会連合会の新車販売台数を使って推計しますが、内閣府「消費総合指数」公表後は説明変数をこれに入れ替えるため推計値が変わります。

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