一覧へ戻る
ニュースコメント

12月短観、「レ」の字での緩やかな回復が続く

―先行き警戒感、非製造業を中心に強い―

稲葉 圭一郎
  短期経済予測主査・主任研究員

2020/12/14

【12月短観のポイント】


日本経済研究センターは、日本銀行が12月14日に公表した「全国企業短期経済観測調査」の2020年12月調査について、そのポイントを整理した。概要は以下の通り。

  • 「最近」に関する業況判断DI(全規模・全産業)は▲15%ポイントと、前回調査対比で小幅な改善であった。景況感はL字に近い「レ」の字での改善が続いている。景況感の水準という意味では、前回調査同様、製造業の方が非製造業よりも悪い。
  • 景況感の改善幅については、製造業は非製造業よりも大きい。非製造業の中では「対個人サービス」や「宿泊・飲食サービス」の改善幅が、製造業の中では自動車をはじめとする機械関連ならびに鉄鋼・金属の改善幅が目立った。
  • 雇用人員判断DI(全規模・全産業)は▲10%ポイントの「不足」超となっている。「不足」超幅は前回調査対比で拡大した。非製造業では「不足」超(▲20%ポイント)になっている一方で、製造業は「過剰」超(5%ポイント)だ。
  • 「先行き」に関する業況判断DI(全規模・全産業)は▲18%ポイントと「最近」に比べて小幅な悪化になっている。製造業は小幅改善、非製造業は小幅悪化。先行き警戒感は非製造業においてより強い。大きさと方向の両面において業種間でばらつきがある中で、特に「小売」の悪化見通しが目立つ。
  • 企業部門における将来期待は決して底割れしていない。設備投資はリーマン危機時のような大幅減少とはならないほか、物価全般に関する中長期的な見通しも底堅い。この間、緩和的な金融環境が維持されている。

バックナンバー

2021/07/01

6月短観、第3回緊急事態宣言下でも続いた景況感の「レ」の字型回復

―21年度設備投資、反転攻勢へ―

稲葉 圭一郎

2021/04/01

3月短観、先行き警戒感残りつつも、「レ」の字型の回復が続く

―景況感、製造業が非製造業を逆転―

稲葉 圭一郎

2020/12/14

12月短観、「レ」の字での緩やかな回復が続く

―先行き警戒感、非製造業を中心に強い―

稲葉 圭一郎

2020/10/01

9月短観、最近の景況感、「レ」の字で緩やかに回復

―先行き改善はごく小幅、目立ち始めた業種間格差―

主査:稲葉 圭一郎

2020/07/01

6月短観、すさまじい景気の悪化と底割れ回避の将来期待

―ウィズ・コロナ時代なりのイノベーションを―

主査:稲葉 圭一郎