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短期経済予測
(第184回改訂 /2020年10-12月期~2023年1-3月期)
GDP「基準改定」で0.3%上方修正も、基本シナリオに変更なし
─失速リスクはらみ22年度まで回復持続─
2020/12/09
日本経済研究センターでは、11月時点の予測(「景気回復、失速リスクはらみながらも22年度末まで持続:外需は堅調持続、民需は21年度後半から伸び悩みへ」、以下SA184)を改訂した。本改訂版(SA184R)は、昨日公表された20年7-9月期のGDP2次速報値(2次QE)や最近の経済の動きなどを踏まえたものである。
【ポイント】
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- 景気展開の基本シナリオを維持するもとで、SA184Rにおける実質GDP成長率の予測改訂はごく小幅だ。わが国景気の回復は失速リスクをはらみながら22年度末まで持続する。23年1-3月期におけるGDPの水準はコロナ禍前を0.1%上回る。
- SA184Rにおける20年度の0.3%ポイント上方修正は、今般実施されたGDP統計「基準改定」によるもの。20年度残りの期間の実質成長率の予測値はSA184から変更していない。21年度の同成長率の予測値(4.1%)はゲタを除いた実力ベースで1.3%の成長と、SA184から0.1%ポイントの上方修正。22年度(1.7%)は実力ベースでみてSA184と同じである。
- 21年度の上方修正の主因は公的需要だ。SA184にて「5年で10兆円」(事業規模ベース)と仮定していた「国土強靭化」計画上の緊急対策を、SA184Rでは「5年で15兆円」に改めた。同様に、「21年5月末まで延長」と仮定していた「Go To事業」についても「Go Toトラベルは21年6月末まで延長」に改めた。
- SA184Rでは、20年7-9月期の財務省『四半期別法人企業統計』を踏まえて、見通し期間を通じて、経常利益の予測水準が上方修正されている。
- 「基準改定」の結果、19年度はマイナス成長となった(旧:0.0%→新:-0.3%)。
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