2月の月次GDP、前月比1.2%減
―サービス消費反発も、外需が押し下げ―
2021/04/07
日本経済研究センターがまとめた2021年2月の実質国内総生産(GDP)=月次GDP は、前月比▲1.2%と4カ月連続のマイナス成長となった。個人消費では1月の緊急事態宣言再発出に伴う落ち込みからサービス関連の反発がみられるなど民需はプラスとなったが、外需が実質GDPを押し下げた。仮に2021年1-3月期が1、2月の平均値の水準で推移した場合、2020年10-12月期と比べた実質GDP成長率は年率▲8.6%となる。
支出項目の主な内訳は以下の通り。
- 民間企業設備投資と民間最終消費支出がそれぞれ前月比+1.3%、同+1.2%と増加した。民間住宅投資も同+1.1%と3カ月連続の上昇だった。
- 民間在庫変動と合わせた実質GDP成長率への国内民需の寄与度は+0.8%ポイントと4カ月ぶりにプラスに転じた。
- 政府最終消費支出は前月比+0.3%、公的資本形成は同▲0.8%だったことから、公需の成長率への寄与度は+0.0%ポイントとわずかなプラスだった。
- 国内民需と公需を合わせた内需の成長率への寄与度は+0.8%ポイントだった。
- 輸出、輸入がそれぞれ前月比▲5.5%、同+5.4%となったため、実質GDP成長率への寄与度は▲2.0%ポイントと大きかった。輸出の減少は、中華圏の春節時期のずれにより、同圏への輸出が1月に前倒しされたことなどによる。
【利用上の注意】
月次GDPと各需要項目は最新月の公表のたびに、過去に遡って修正が入ります。経済予測・分析への活用にあたっては、この点に注意していただくとともに、必ず最新月の公表分の時系列データをご使用ください。
修正の主な要因は下記の通りです。
1.内閣府『四半期GDP速報』公表と遡及修正
『四半期GDP速報』では直近四半期の公表・改定と同時に過去分が遡及修正されます。月次GDPと各需要項目の算出では四半期変換した値が『四半期GDP速報』に一致するように調整するため、『四半期GDP速報』の公表のたびに過去分を含めて変わります。
2.推計用基礎統計の遡及修正
月次GDPの各需要項目の推計に使う基礎統計が基準年変更による改定や季節調整のかけ直しに伴って遡及修正されると、推計値も変化します。
3.推計用説明変数の入れ替え
たとえば、民間最終消費支出は当初、総務省『家計調査』と日本自動車販売協会連合会の新車販売台数を使って推計しますが、内閣府「消費総合指数」公表後は説明変数をこれに入れ替えるため推計値が変わります。
キーワード
バックナンバー
- 2021/04/07
-
2月の月次GDP、前月比1.2%減
―サービス消費反発も、外需が押し下げ―
- 2021/03/11
-
1月の月次GDP、前月比0.8%減
―緊急事態宣言がサービス消費を押し下げ―
- 2021/02/08
-
12月の月次GDP、前月比0.4%減
―マイナス成長は7カ月ぶり、サービス消費手控えで―
- 2021/01/12
-
11月の月次GDP、前月比0.5%増
―伸びは鈍化、民需が3ヵ月ぶりマイナス寄与―
- 2020/12/11
-
10月の月次GDP、前月比1.8%増
―5カ月連続の増加、サービス消費など国内民需が回復―