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短期経済予測 (2021年10-12月期~2024年1-3月期)

第188回<速報>国内景気、22年度央までしっかり反発も、その後弱含み

―23年度に設備投資を誘発できる税財政政策を―

主査:稲葉 圭一郎
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:田中 顕
  副主任研究員
総括:松尾 朋紀
  副主任研究員

2021/11/16

日本経済研究センターは、最近の金融経済情勢と11月15日に内閣府が公表した21年7-9月期のGDP速報(1次速報値)を踏まえて、「第188回四半期経済予測」(以下、SA188)を取りまとめ、21年9月時点の前回予測(以下、SA187R)を改訂した。

                    【ポイント】
  • わが国実質GDP成長率の予測値は21年度:3.2%、22年度:3.5%、23年度:0.1%。実質GDP水準は22年1-3月期においてコロナ禍前(18年度平均)を回復し、予測最終期(24年1-3月期)にはそれを2.1%上回る。
  • 21年度、わが国景気のリバウンドはマイルドなものにとどまる。今後、新型コロナウイルス・デルタ株の沈静化を受けて、人の移動が回復するもとで、潤沢な消費原資が先送りされた消費需要(以下、ペントアップ需要)を発生させるほか、政府消費も通院の回復や、新型コロナウイルス感染症用ワクチン3回目接種を受けて強含む。その一方で、資源・資材の供給制約が、海外経済成長の下振れと相まって、輸出ならびに設備投資を下押しする。
  • 22年度、景気は自律反発するもとで順調に回復する。供給制約が解消する中、①年度前半にペントアップ需要が順調に発生するほか、②米中経済の景気拡大が輸出・生産を堅調に推移させる。さらには、③官民双方による固定資本形成が堅調を持続する。
  • 23年度、わが国景気は伸び悩む。民間・政府消費が反動減となるほか、海外経済成長の鈍化が輸出の伸びを弱める。官民双方による固定資本形成が景気の底堅さを規定していく。設備投資の動向次第ではマイナス成長もあり得る。財政の中長期的な信認を傷つけない範囲で、同投資を誘発する税財政政策の実施が求められる。

<短期予測説明会を開催します>※会員限定

東京:11月26日(金) 14:00~15:30  / 大阪:12月1日(水) 14:00~15:30

Webセミナーライブ配信:11月26日(金) 14:00~15:30

 

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