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中期経済予測 ( 第48回(標準シナリオ)中期経済予測 / 2021-2035年度 )

DX社会の構築なければ、30年代はマイナス成長に

米中対立激化なら20年代後半にもマイナス成長の可能性

 

2021/12/07

 新型コロナウイルス収束後の日本経済はどうなるのか。人口減少や高齢化といった構造問題はコロナ前からあった。国内外のコロナの感染拡大が22年度中に収束したとしても、日本経済にはコロナの傷跡が残る公算が高く、脱炭素制約も加わり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)社会を実現させなければ成長持続は難しい。
 DX社会を構築できず、投資や生産性をめぐる現在の環境を改革できなければ、低迷する成長力(潜在成長率)の底上げは困難となる。人口減少や高齢化によって労働投入量が大きくマイナスに寄与し、資本(設備投資)や全要素生産性(TFP、技術進歩や創意工夫、ビジネスモデルの構築などによる生産性向上)ではカバーできない状況になる(図表)。31~35年度の平均成長率は▲0.1%と恒常的なマイナス成長に陥る。
 コロナ禍における大型の経済対策が国債の増発によって行われたことで、感染拡大の収束後、景気が回復しても、日本経済の成長力が低下を続ければ、政府の債務返済負担が長年にわたって残ることなどから、経済回復の勢いが削がれる可能性もある。

 

 

 主任研究員・小林辰男、出口恭子、副主任研究員・宮﨑孝史、特任研究員・落合勝昭、研究生・泉谷諒(大成建設より派遣)で執筆した。
 米国経済の予測は、副主任研究員・高野哲彰(アジア経済中期予測班)、研究生・丸山大介(日本経済新聞社から派遣)と協働で作成した。

コロナ危機を経ても、日本経済がDXを加速させることで、経済成長軌道を再び描けるようにする「改革シナリオ」を取り込んだ中期経済予測を2022年3月に公表します。その際、今回公表する「標準シナリオ」についても改訂します。

 

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