一覧へ戻る
JCER金融ストレス指数

JCER金融ストレス指数は0.034 2021年12月27日公表

- 日銀は大規模緩和を維持、CP・社債の買い入れは段階的縮小へ
- ストレスは低位維持もオミクロン型への懸念高まる

宮﨑 孝史
  副主任研究員

2022/01/31

<JCER金融ストレス指数 公表延期のお知らせ>

  JCER金融ストレス指数を構成する指標の1つである「ドル資金調達プレミアム(円・通貨ベーシス、1年)」のデータが、LIBORの恒久的な公表停止に伴い入手不可となりました。これに伴い、JCER金融ストレス指数の算出方法を見直すことといたしました。代替指標やデータの継続性などを検討するため、2022年1月のJCER金融ストレス指数は公表を延期いたします。日頃より同指数をご参照頂いている皆さまにはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

  JCER金融ストレス指数は、日本を対象として、日々のマーケットデータをもとに、金融システム全体が機能不全に陥り、実体経済にもマイナスの影響が生じる金融の「システミック・リスク」の高まりを捉えるための指標です。マーケットデータを使用しているため、リアルタイムに近い形で金融ストレスを定量的に把握することができます。
  本指数は、(1)株式市場(2)マネー・マーケット(3)債券市場(4)金融仲介(銀行セクター)(5)外国為替市場ーーの5つのサブ・マーケットから、それぞれ3つの個別指標を選択し構築しています。本指数は0から1の間の値をとり、1に近いほどストレスが高いことを示します。

最新の値: 0.034 <前週末比+0.005>
(2021年12月24日時点)

 

  本指数は、90年代末の金融システム不安や07-08年の世界金融危機の再来を検知するための指標として、欧州中央銀行(ECB)の「システミック・ストレス指標」を参考に、株価やその変動率、債券利回りのスプレッド、為替レートの変化率など金融市場におけるリスクを表す、以下の15個の基礎データを合成し作成しています。

株式市場: TOPIXのボラティリティ(対数リターンの絶対値)、TOPIXの過去2年間の最高値との比率、売買代金にもとづく流動性指標
マネー・マーケット: 3ヵ月物TIBORと3ヵ月物財務省証券のスプレッド、レポレート、ドル資金調達プレミアム(円・通貨ベーシス、1年)
債券市場: 10年物国債のボラティリティ(利回り変化の絶対値)、スワップ・スプレッド(2年物スワップレートと2年物国債の利回りの差)、BBB格社債スプレッド
金融仲介(銀行セクター): 銀行株への固有ショック(銀行株指数のリターンをTOPIXのリターンに回帰した残差の分散をGARCH(1,1)モデルで推定)、TOPIX銀行業株指数の過去2年間の最高値との比率、銀行セクターの社債スプレッド
外国為替市場: 円/ドルレート、円/ユーロレート、円/ポンドレートのボラティリティ(対数リターンの絶対値)

本指数の詳細については、以下のリポート、文献をご参照ください。
  日本経済研究センター(2019)「日銀のETF買い入れと地域金融のリスク―ストレス事象の発生で金融システム不安再燃も―」、2019年度金融研究班報告②:金融リスクの総点検、2019年12月25日(会員限定)
  Holló, D., Kremer, M. and Lo Duca, M., 2012. “CISS - A Composite Indicator of Systemic Stress in the Financial System,” Working Paper Series, No. 1426, European Central Bank, March 2012.

<お知らせ>
  新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場へのストレスが一時に比べ落ち着いてきたことに鑑み、週次で更新・公表してきた本指数の運用を変更いたします。今後は原則として月1回の更新とし、最終週の月曜日(休日の場合は翌営業日)に公表いたします。ただし、マーケットに大きな変動があった場合は、臨時で指数を更新、公表いたします。

バックナンバー

2022/11/28

JCER金融ストレス指数は0.051 2022年11月28日公表

- 米インフレ鈍化で利上げペース減速の期待が広がる
- TOPIXは約10ヵ月ぶりの高値圏、ストレス水準は低位

宮﨑 孝史

2022/10/31

JCER金融ストレス指数は0.054 2022年10月31日公表

- 米インフレは高止まり、欧州中央銀行は0.75%ポイントの利上げ
- 日銀は大規模緩和を継続、ストレス水準は低位

宮﨑 孝史

2022/09/26

JCER金融ストレス指数は0.054 2022年9月26日公表

- 米欧は大幅な利上げを継続、日銀は大規模緩和を維持
- 政府・日銀は約24年ぶりに円買い介入を実施、ストレスは依然として低水準

宮﨑 孝史

2022/08/29

JCER金融ストレス指数は0.043 2022年8月29日公表

- FRBは景気を犠牲にしてもインフレを抑制する姿勢を堅持
- 再び円安が進行する一方、ストレスは依然として低水準

宮﨑 孝史

2022/07/26

JCER金融ストレス指数は0.072 2022年7月26日公表

- 日銀は大規模緩和の継続を決定
- 米景気の先行き警戒感からドル安・円高に  ストレスは依然として低位

宮﨑 孝史