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短期経済予測 (2022年1-3月期~2024年1-3月期)

第189回<速報>22年度、好発進もスタグフレーションのリスクあり

―ウィズコロナに向けて新たな行動様式や社会規範の構築を―

主査:稲葉 圭一郎
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:田中 顕
  副主任研究員
総括:松尾 朋紀
  副主任研究員

2022/02/16

日本経済研究センターは、最近の金融経済情勢と2月15日に内閣府が公表した21年10-12月期のGDP速報(1次速報値)を踏まえて、「第189回四半期経済予測」(以下、SA189)を取りまとめ、21年12月時点の前回予測(以下、SA188R)を改訂した。

                    【ポイント】
  • わが国実質GDP成長率の予測値は21年度:2.7%、22年度:2.6%、23年度:0.3%。実質GDP水準は23年7-9月期においてコロナ禍前(18年度平均)を回復し、予測最終期(24年1-3月期)にはそれを0.3%上回る。
  • 22年度、景気は反発する。新型コロナウイルス・オミクロン株の沈静化を受けて、人の移動が回復する中、潤沢な消費原資が先送りされた消費需要を発生させるほか、政府消費も同ウイルス向けワクチン3回目接種の実施や通常の通院の回復によって堅調を維持する。さらに、資源・資材・部品の供給制約が緩和していく中、製造・建築工事が進捗するもとで、官民双方による固定資本形成が強めとなる。米中の景気拡大を受けて輸出も増加する。この間、生産は増加する。
  • 鉱物・食糧資源の価格高と円の減価に反応して、企業物価、消費者物価いずれも上昇する。上昇率は企業物価の方が大きい。この結果、22年度の企業収益は増収となるものの減益だ。オミクロン株や別の変異株の流行に対応して人の移動や作業量が低下してしまう経済社会では、供給制約は持続あるいは強まる。この場合、企業物価が高止まりあるいは上昇し、スタグフレーション・リスクを煽っていく。この流れを絶つためには、新型コロナウイルスとの共存が可能になるよう、コロナ病床を拡充しつつ、行動様式や社会規範を早期に改定する必要がある。
  • 23年度、わが国景気は伸び悩む。民間・政府消費が反動減となる中、海外経済成長の鈍化が輸出の伸びを弱める。官民双方による固定資本形成が景気の底堅さを規定することになる。設備投資の動向次第ではマイナス成長もあり得る。財政の中長期的な信認を傷つけない範囲で、23年度設備投資を刺激する税財政措置を事前に導入することが有益である。

<短期予測説明会を開催します>※会員限定

東京:2月25日(金) 14:00~15:30  / 大阪:3月1日(火) 14:00~15:30

*コロナ感染対策に配慮して、東京・大阪会場での開催を中止します。
 Webセミナー(ライブ配信)へのお申し込みをお願いいたします。

Webセミナーライブ配信:2月25日(金) 14:00~15:30

 

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