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アジア経済予測 中国・ASEAN4短期経済予測 (2022.3/ 22年1-3月期~23年1-3月期)

中国・ASEAN4、ウクライナ危機の影響は限定的

主査:稲葉 圭一郎
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:田中 顕
  副主任研究員
アジア予測班:髙橋 えり子
  ESP事業室長兼副主任研究員
小花 利輝 研究生
   

2022/03/17

 中国およびASEAN4ヵ国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)の合計5ヵ国を対象にした「中国・ASEAN4短期経済予測」を発表しました。

【概要】

  • 中国の21年10-12月期における実質GDPの前年比は4%増。対米輸出や民間消費を主因に前回予測(3%)を上振れた。21年の実質成長率は8.1%で着地。今後についても底堅い景気展開が続くと予測。エネルギー自給率が高いうえに、ロシアからの原油・天然ガス輸入は価格・量の両面で問題なく継続される公算が大きいため、世界的なエネルギー価格高騰の悪影響は限定的にとどまり得る。また、政府の必要に応じた柔軟かつ実効的な景気刺激策の発動も期待できる。実質GDP成長率の予測値は22年:5.4%、23年:5.0%。
  • ASEAN4の21年10-12月期における実質GDPの前年比は4.5%増。新型コロナウイルス感染状況の改善に伴う民間消費の強めの回復を受けて前回予測(2.5%)をかなり上振れた。主としてインドネシアとマレーシアだ。21年の実質成長率は3.5%で着地。今後については、資源輸入国であるタイとフィリピンではエネルギー価格上昇による民間消費下押しが作用するほか、タイでは同国を訪問する観光客の相応な部分を占めるロシア人の訪問が途絶する。もっとも、これらのことがASEAN4全体を下押しする効果は限定的である。実質GDP成長率の予測値は22年:5.6%、23年:4.4%。
  • 戦争が長期化した場合、鉱物・食糧資源価格の高止まりは中国・ASEAN4の景気展開に重荷となり始め得るほか、国際貿易・分業の攪乱は重大な下押し要因となっていく。

【中国・ASEAN4の見通し】

 

【関連レポート】

※短期経済予測最新レポート ウクライナ侵攻があおるスタグフレーション・リスク(第189回改訂/2022年1-3月期~2024年1-3月期)はこちら

※旧サイト(~2018.8月)のアジア経済予測レポート一覧はこちら

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