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短期経済予測 (2022年4-6月期~2024年1-3月期)

第190回<速報>22年度、出だしは好調も、後半には伸び悩みへ

―米国のインフレ展開次第でさらなる円安リスクあり―

主査:稲葉 圭一郎
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:松尾 朋紀
  副主任研究員

2022/05/19

日本経済研究センターは、最近の金融経済情勢と5月18日に内閣府が公表した22年1-3月期のGDP速報(1次速報値)を踏まえて、「第190回四半期経済予測」(以下、SA190)を取りまとめ、22年3月時点の前回予測(以下、SA189R)を改訂した。

                    【ポイント】
  • わが国実質GDP成長率の予測値は22年度:1.4%、23年度:0.6%。予測期間を通じて、実質GDP水準はコロナ禍前(18年度平均)を回復しない。予測最終期(24年1-3月期)にはそれを0.9%下回る。
  • 22年度、景気は回復する。年度前半、新型コロナの感染状況が小康状態になるもとで、潤沢な消費原資が先送りされた消費需要(以下、ペントアップ需要)を発生させるほか、政府消費も通常の通院の回復を受けて底堅く推移する。年度後半になると、ペントアップ需要の一巡から、民間消費は反動減を余儀なくされる。もっとも、資材・部品の供給制約が緩和し、製造・建築工事の進捗が可能となるもとで、官民双方による固定資本形成が強めの動きとなるほか、米中の景気動向を受けて輸出も増加する。景気回復が、資源価格高、国内物価高、および供給制約と相まって、輸入(控除項目)を促進する。年度後半、全体としては伸び悩みとなる。
  • この間、資源価格高と円安に反応して、企業物価、消費者物価いずれも上昇する。上昇率は企業物価の方が大きい。22年度の企業収益は増収となるものの、25%前後の大幅減益となる。
  • 23年度、わが国景気は伸び悩みを続ける。民間・政府消費が反動減となる一方で、海外経済成長の続伸を受けて輸出は堅調を維持する。官民双方による固定資本形成が景気の底堅さを規定することになる。設備投資の動向次第でゼロ成長に近づく。財政の中長期的な信認を傷つけない範囲で、設備投資を刺激する税財政措置を事前に導入することが有益となる。
  • Fedによる連続的かつ大幅な利上げによって22年末にFFレートは2-2.25%に達する。これに伴って、米国インフレ率は22年中には徐々に、23年入り後は順調に低下していく。このソフトランディングな見方の適否は労働需給にかかっている。労働需要がさほど減退しないゆえに名目賃金がしっかり上昇し、実質賃金が引き下がらない場合、追加利上げが必要となる。これはさらなる円安を伴い得る。

<短期予測説明会を開催します>※会員限定

東京:5月27日(金) 14:00~15:30

Webセミナーライブ配信:5月27日(金) 14:00~15:30

 

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