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アジア経済予測 アジア経済中期予測

日本への出稼ぎ労働者、2032年に頭打ち

―現地給与上昇と円安で旨味薄れる
―“稼げる”韓国、中東などに流出も

富山 篤
  アジア予測室長兼主任研究員
田中 顕
  副主任研究員
下田 吉輝
  研究員

2022/11/15

アジア中期経済予測班では、12月に公表する中期予測に先駆け、随時レポートを公表してまいります。今回は、第1弾として、アジアの出稼ぎ労働者の動向について分析しました。

【概要】

日本に多く出稼ぎに来ている東南アジア各国(ベトナム、インドネシア、タイ)の現地給与はリスクシナリオで2030~2032年に日本の給与水準の50%を超え、日本に来る旨味が薄れる

出稼ぎ労働者層の過去の賃金水準と、名目GDPの伸び率から2035年までの現地給与を試算。日本の賃金上昇率は低いので、差がすぐに縮まり、出稼ぎのモチベーションが落ちる

円安による給与の目減り、厳しい労働環境や職場でのいじめなど技能実習生らの苦境、監理団体などに支払う諸費用の多さから日本に来る意欲は減退傾向に拍車がかかる。より稼げる韓国、台湾、中東、欧州などに出稼ぎ労働者が流れる可能性あり

技能実習生の手取りの半分は生活費 技能実習生の手取りの半分は生活費

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