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短期経済予測 (2022年10-12月期~2025年1-3月期)

第192回<速報>景気、海外の一段の減速でも内需支えに踏み止まる

―米国はマイナス成長の瀬戸際、輸出を通じた影響に注意―

主査:上野 陽一
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:宮﨑 孝史
  副主任研究員
総括:高野 哲彰
  副主任研究員

2022/11/15

日本経済研究センターは、最近の金融経済情勢と11月15日に内閣府が公表した2022年7~9月期のGDP速報(1次速報値)を踏まえて、「第192回四半期経済予測」(以下、SA192)を取りまとめ、2022年9月時点の前回予測(以下、SA191R)を改訂した。

                    【ポイント】
  • SA192では、SA191R時点の想定を上回るグローバルな物価高騰・景気減速の下でも、わが国の景気は踏み止まり、内需主導で回復が続くとみている。すなわち、実質GDP成長率は、2022年度が前年比+1.9%、2023年度は同+0.8%と、+0.5%程度とみられる潜在成長率を上回って推移すると予測した。
  • 海外については、実質GDP成長率の見通しを大きく下方修正しており、グローバルな物価高騰の長期化を受けて、各国・地域の中央銀行による強力な金融引き締めが続くとの見方がその背景である。具体的には、2022年が前年比+3.2%(SA191R:同+3.1%)と実績値の予想比上振れを反映して上方修正となっているものの、2023年は同+1.9%(SA191R:同+2.5%)と大幅に下方修正した。
  • わが国の輸出については、海外経済の一段の減速に伴い、2023年度を下方修正した。設備投資は、為替レートの円安水準での推移やサービス業活動の正常化を背景に、売上高経常利益率の低下幅が限定的なものに止まり、高めの資本収益率が維持されるため、着実に増加していくと予測した。個人消費は、電気代や食料品などの物価上昇が実質所得を押し下げている点には注意が必要であるものの、サービス消費が正常化に向かう中で、景気回復を主導するとみている。
  • ベースラインのシナリオとして、わが国の景気は内需主導で回復していくと予想しているものの、不確実性は異例に高く、景気下振れのリスクがきわめて大きい。主なリスクは海外に起因しており、米欧においてインフレ高進が想定以上に長期化し、一段と強力な金融引き締めに迫られるリスクなどが挙げられる。予測力に優れるベイジアン・ベクトル自己回帰モデルを用いた分析でも、米国経済が2023年第4四半期時点でベースライン対比、1%以上下振れる可能性は25%程度と推計された。こうした場合には、輸出の停滞などを通じて、わが国景気に大きな影響を及ぼし得ると考えられるため、海外経済の動向を引き続き注意深く点検していく必要がある。

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東京:11月28日(月) 14:00~15:30

Webセミナーライブ配信:11月28日(月) 14:00~15:30

 

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