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短期経済予測 (2022年10-12月期~2025年1-3月期)

海外減速懸念も、内需下支えで景気回復続く

─コロナ禍で先送りの設備投資、挽回本格化の可能性─

主査:上野 陽一
  主任研究員 (短期経済予測主査)
総括:宮﨑 孝史
  副主任研究員
総括:高野 哲彰
  副主任研究員

2022/12/08

    • 日本経済研究センターでは、11月15日公表の予測(以下SA192)を改訂した。本改訂版(SA192R)は、12月8日に公表された2022年7~9月期の国内総生産(GDP)の2次速報値(2次QE)などを踏まえたものである。
    • 7~9月期実質GDP(2次QE)は前期比年率-0.8%と、1次QEの同-1.2%から幾分上方修正された。1次QEから不変との民間エコノミストの大方の事前予想を上回ってはいるが、概ね想定通りの結果である。
    • SA192Rでは、海外経済全体の成長率の見通しをSA192から不変とした。海外の国・地域について7~9月期GDPの改定値などを反映したものの、各国・地域の修正幅が大きくなかったためである。具体的には、わが国からの輸出額で加重平均した海外経済全体の成長率の見通しについて、2022年を前年比+3.2%、2023年は同+1.9%としている。
    • 海外経済全体の成長率見通しを不変としたため、国内経済の見通しはSA192から大きくは変更していない。すなわち、海外経済が減速する中でも、内需を支えに景気回復が続くとの見方を維持している。ただし、2次QEと同時に公表された2021年度年次推計の結果が反映され、2021年度の計数が上方修正されたため、実質GDP成長率の見通しは、2022年度をSA192の前年比+1.9%から同+1.7%へと下方修正した。2023年度については、SA192から不変であり、同+0.8%と予測している。
    • SA192Rでは設備投資は着実に増加していくと予測しており、これが景気の回復が続くとの見方を維持する要因の1つとなっている。設備投資の堅調さが続くかどうかは、コロナ禍やサプライチェーンの混乱によって先送りされた部分が挽回され、どの程度設備投資全体をけん引するかに依存している。資本ストック(民間企業設備)は、コロナ禍以降、毎期の減耗・除却分よりも設備投資が少額に止まったため、減少に転じており、先送り部分がかなり大きい。したがって、海外経済が減速する中でも、資本ストック復元を企図して、先送り部分が挽回されていけば、設備投資は着実に増加し、景気回復のけん引役となり得る。
    • 海外経済が減速する中でも、内需がしっかりと増加することで、景気回復が続くとみられるものの、海外経済がさらに落ち込むリスクには注意が必要である。そうしたリスクが顕在化した場合には、輸出低迷や、設備投資の先送り・手控えによって、わが国の景気が後退する可能性もあることから、海外経済の動向を引き続き丹念にフォローしていく必要がある。

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2022/11/28

【web説明会】第192回四半期経済予測

景気、海外の一段の減速でも内需支えに踏み止まる
—米国はマイナス成長の瀬戸際、輸出を通じた影響に注意—

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主査:上野 陽一/ 総括:宮﨑 孝史/ 総括:高野 哲彰

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主査:上野 陽一/ 総括:宮﨑 孝史/ 総括:高野 哲彰

2022/08/26

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2022年7-9月期~2024年1-3月期

主査:上野 陽一/ 総括:宮﨑 孝史/ 総括:高野 哲彰