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景気後退確率

8月の景気後退確率は31.7%

―在庫率改善などにより大幅低下

島村 勇太朗
  研究員

2023/10/10

 日本経済研究センターがまとめた2023年8月の景気後退確率は31.7%となり(図1)、21年12月(23.7%)以来の低水準となった。同確率は景気動向指数の先行指数(以下、先行CI)を基に、数ヵ月先の景気後退入りの可能性度合いを示す。8月は先行CIの値(速報値)が1.3pt大幅に上昇したことで、特に4月分から7月分の景気後退確率が大きく下方に遡及改訂された。大幅改善の背景として、鉱工業用生産財在庫率指数、最終需要財在庫率指数などが先行CIに大きくプラス寄与したことが挙げられる。なお消費者態度指数は前月からマイナス寄与に転じたものの、それをカバーできるプラス寄与であった。

【図1 景気後退確率(2023年8月)】

【表1 景気後退確率と先行CIの推移(過去1年間)】

  * 2020年7月分公表時より、景気後退確率の推定方法を見直しました。詳しくは、こちらをご覧ください

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