- 開催:
- 08月08日(水) 10:00~11:30
- 会場:
- 日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2
容易に大量のデータが入手できるようになり、データを分析し正しく読み解く力がビジネスの現場でも重要になっています。物事を決定する際に鍵となるのは「因果関係」ですが、残念ながら日本では「因果関係」と「相関関係」が多くの場合、混同されています。その違いを理解せずに経営判断をすると、大きな利益損失を招きかねません。正しいデータ分析の方法を数式を使わずに、分かりやすく説明していただきます。
■講師略歴
2011年カリフォルニア大学バークレー校博士課程修了(Ph.D)。スタンフォード大学経済政策研究所研究員、ボストン大学ビジネススクール助教授を経て、2015年から現職。『データ分析の力―因果関係に迫る思考法』で第60回日経・図書文化賞受賞
■講演録要旨
- データ分析は「因果分析」と「予測」の2つに大きく分かれるが、日本ではこの2つを混合して理解していることが多い。因果分析と予測を誤って解釈すると経営や政策の方向性を見誤る可能性がある。
- 「介入」による影響でどう変化するかを確認したい場合は因果分析が必要だが、あるデータを用いて関心事項の発生や存在を予測する場合は因果関係まで調べる必要はない。因果分析は人工知能(AI)だけでは解決が難しいが、予測であればAIが威力を発揮する。
- 近年では企業や政府内でデータ分析が活用されており、当初想定されていなかった効果も発見されている。どのような場面では因果分析が有効で、どのような場面では予測が有効かを判断することが大切である。