<大阪>徹底討論ASEAN経済-「陸のASEAN」をどう攻めるか
- 大泉啓一郎・日本総合研究所上席主任研究員
- 池部亮・専修大学商学部准教授
- モデレーター)牛山隆一・日本経済研究センター主任研究員
- 開催:
- 07月03日(火) 14:00~16:00
- 会場:
- 日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム
■開催概要 日本企業の重要な事業展開先ASEAN。その中でも域内最大の進出先タイ、成長力に富むCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)が位置し、越境インフラ整備で地域経済圏としての発展も期待される「陸のASEAN」がますます注目されています。日本企業はこの地域のビジネス機会をどう捉え、経営の舵取りをすべきか―。気鋭の専門家が熱く議論します。
■講演録要旨
タイの生産拠点集積地活用を―中国内拠点のベトナム移管も
①日本企業がASEAN諸国を攻めるためには、生産拠点がすでに集積しているタイを中心拠点とすべきだ。ただし、タイには労働力不足などの問題があるため、労働集約的な工程を近隣諸国に移管する「タイプラスワン」戦略を進める必要がある。
②ベトナムは地理的に近い中国との結びつきが強い。中国の政治的リスクや一極集中リスクなどを避けるために工場を分散立地する「チャイナプラスワン」の戦略で、中国からベトナムに生産拠点を移すことが、日本企業にとって望ましい戦略ではないか。
③日本企業は付加価値の高い製品やブランド力の強い製品を国内で生産する一方、汎用品はタイの拠点で生産するなどの切り分けが必要である。産業高度化政策の担い手となるバンコク周辺の東部経済回廊構想にも協力したい。ベトナムも今後、資本集約型、技術集約型産業がリーディング産業になる可能性がある。
--