- 開催:
- 10月12日(金) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2
FRBの金融政策については、利上げの最高到達点やバランスシート運営の行き先が注目されます。これらが、年末のECBの資産買い入れ終了とも相まって、資金の流れを含む世界の金融システムにどのような影響を与えるでしょうか。日銀出身で中央銀行ウォッチャーの井上氏に解説していただきます。
■講師略歴
1985年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。内外金融市場のモニタリングやBIS等の国際金融会議に参画。2008年から現職。イェール大学経済学修士
■要旨
米欧「影の銀行」の動向に留意―次の景気後退への対応に関心
- 米国の実体経済は個人消費の堅調に加え、幅広い業種の設備投資の増加に支えられて拡大基調が続いている。しかしトランプ政権が行った税制改革の効果は2020~21年にかけて薄れていくとの認識が一般的となっている。
- 米国ではシャドーバンキングを通じた与信が加速しており、増加額は銀行のそれを逆転している。伝統的な銀行金融が中心だった欧州でもシャドーバンキングのプレゼンスは増している。それぞれの金融システムの動向を見る際の留意点となっている。
- 米国では20年ころから始まると予想される景気後退に対する議論が始まっている。その時点で政策金利は3%程度に達していると見られるが、過去の水準と比べると低く、金融政策の対応余力や政策効果について心配な点も指摘されている。
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