<大阪>中国IT産業の発展要因と将来展望 ― 直面する課題と日本企業の対応策

岡野寿彦・
NTTデータ経営研究所シニアスペシャリスト
開催:
10月24日(水) 14:00~15:30
会場:
日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム

スマホ電子決済やシェア自転車だけでなく、最近は急速配送スーパーや無人コンビニなど中国のプラットフォーム・ビジネスは猛スピードで変革しています。新ビジネスはアジアから世界へと広がるのか、さらに新しいビジネスモデルが生まれるのか、注目すべきところです。中国IT産業の将来や直面する課題、日本企業の対応策について、中国でのビジネス経験が豊富な岡野氏が解説します。
講師略歴(おかの としひこ)
1986年NTT入社。北京NTT DATA系統集成有限公司 董事・総経理、NTTデータ製造システム事業本部 グローバルビジネス推進室長、上海通聯金融科技有限公司 執行副総裁などを経て2016年から現職。18年早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター研究員兼任。

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■講演録要旨
プラットフォーマーが急成長―ネットとリアルの融合進展へ
①中国IT産業の担い手であるプラットフォーマー、特に「BAT」と呼ばれる百度(バイドゥ)、アリババ、テンセントの3社は、マッチングの促進により、パートナー企業と消費者を結び付け、社会の「困りごと」を解決することで急成長してきた。
②中国政府は「インターネット+」を重要政策とし、「まずはやらせて必要に応じて規制する」をポリシーにしてきた。また、中国企業人の短期・効率的に儲けたいというトレーダー的志向、スピードがデジタル技術を活用したサービス開発に合致している。失敗を許容する社会風土や豊富な資金の出し手などがIT産業の発展を支えている。
③最近の動向として、ネット取引のパイは飽和しつつあり、プラットフォーマー間の競争のポイントは「ネットとリアルの融合」などに移っている。ただ、戦略と組織マネジメントの整合性をどう取るかなどの課題を彼らは抱えており、日本企業の事業機会にもつながる可能性もある。日本企業は「中国企業との戦略的提携」や「自社経営体制の現地化」に腹をくくって踏み出す必要があろう。

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