米国政治どう変わる―中間選挙を受けて

久保文明・東京大学大学院法学政治学研究科教授
開催:
11月28日(水) 15:00~16:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2

■講師略歴
 1979年東京大学法学部卒。89年東京大学法学博士。筑波大学社会科学系助教授、慶應義塾大学法学部教授などを経て、2003年から現職。アメリカ学会前会長

 

■要旨

前途多難の内政運営―外交は予測困難な展開が継続-

  1. 今回の中間選挙は想定通りの結果と言えよう。中間選挙における「与党敗北の法則」が踏襲された形だ。また支持者の構成を見ると、共和党は低学歴層からの支持が強いことに加え、白人同士でも学歴差による支持政党の差異があることがわかる。
  2. 内政運営は困難が待ち受けている。民主党は下院で多数党になったことで、これまでの2年間出来なかった大統領のスキャンダル追及に力を注ぐだろう。トランプ大統領への弾劾裁判の可能性も十分にある。また議会が非常に強い権限を持つ予算決定においては、共和党・民主党が対立の様相を呈している。
  3. 中間選挙の結果による今後の外交政策への影響は小さいだろう。米国では外交政策、特に通商政策における大統領の権限が非常に強く、議会の介入余地は小さい。中国に対しては議会も含めより一層の強硬姿勢を強めることが見込まれるが、トランプ大統領の予測不可能な言動には今後も注意を要する。

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