- 開催:
- 12月03日(月) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム
中国を警戒する米国トランプ政権は中国製品に対する追加関税を発動、中国政府もこれに対抗し、米中貿易戦争が泥沼化しています。そのような中、経済成長の減速が懸念される中国では、イノベーション駆動型の経済発展モデルへの転換を図り、スマホ決済に代表される「ニューエコノミー」が急速に発展しています。中国・北京在住の西村氏が現地ならではの生の情報を交え、中国で現在起きていることや今後を展望します。
講師略歴(にしむら ゆうさく)
2002年より北京在住。10年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士を取得、同大学で日本人初の専任講師として採用される。同副教授を経て、18年より現職。日本銀行北京事務所客員研究員。専門は中国経済・金融。
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■講演録要旨
ネット活用を軸に消費が拡大
―社会問題解決型ビジネス生む
―補完関係で日本企業にチャンス
①米中貿易摩擦は報復合戦の様相を呈し、長期化する公算が大きくなっている。この貿易摩擦は短期的には輸出入に、中長期的には資本形成に悪影響を及ぼす。中国は対応策として、インフラ投資の強化、減税による消費喚起を打ち出している。
②その消費は順調に伸びている。特に成長が著しいのがネット消費である。ネットの活用を軸にした「中国新経済」は中国の経済成長の要と言える。共通する特徴は、信用の担保と社会問題の解決だ。社会問題解決型の新ビジネスが次々に生まれている。
③問題は「中国新経済」のビジネスモデルが「労働集約型」であること、国際化が遅れていること、スタートアップ企業が技術偏重型であることだ。日本の企業には中国の新興企業にはない経営ノウハウなどの強みがあり、日中企業の強みは補完関係にある。日本企業が中国で存在感を示せる可能性は高い。
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