- 開催:
- 02月15日(金) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社大阪本社ビル 1階カンファレンスルーム
米国第一主義を掲げたトランプ政権の通商・外交政策は世界経済や国際政治にとって大きな不透明要因になっています。保護主義的な政策はどこまで続くのでしょうか。中国との摩擦は「米中冷戦」にまでつながっていくのでしょうか。米国内でどんな議論が繰り広げられているかを紹介しつつ、米国の政策の行方や、日本にはどのような影響がありうるかについて解説します。
■講師略歴(じつ てつや)1982年東京大学法学部卒、日本経済新聞社入社。経済部、米州総局(ニューヨーク)、欧州総局(ロンドン)、ワシントン支局長、経済金融部長、論説副委員長、上級論説委員などを経て、2018年より現職。専門は、米国経済・政治、国際経済・政治、経済政策。
現在、ウェブコラムで「実哲也の揺れるアメリカを読む」連載中
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■講演録要旨
「米国第一」政策、今年は成果重視に
―米中ハイテク対立は長期化へ
①自由貿易派が政権を去り、対中強硬論が議会などで強まっていることから、トランプ大統領は「米国第一」の管理貿易政策を追求しやすくなった。2019年は各国との取引の成果をより重視する方針で臨むだろう。
②日米貿易協議は今年ヤマ場を迎える。対日不信感が根強いトランプ氏は自動車への高関税を脅しに使って厳しい圧力をかけてくるだろう。結果的に輸出上限枠の設定などの譲歩を迫られる可能性もある。為替操作禁止の明文化も避けがたい。
③米中関係については、現在進行中の貿易協議がまとまって関税の引き上げ合戦が停止する可能性はある。ただ、国家主導の経済体制の転換を米国に求められれば中国も譲れない。対立はハイテク分野での覇権争いの 面も強まっている。このため両国間の緊張が高まり、特にハイテク分野では世界が2分される恐れもある。
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