- 開催:
- 03月05日(火) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2
■講師略歴
(はたなか よしき) 1974年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。中東経済研究所カイロ事務所長、国際経済研究所主席研究員、国際開発センターエネルギー・環境室長などを経て、2016年から現職
■要旨
世代交代で大きな構造変化が起こる可能性も
- 石油の国際的な供給超過を見越して、サウジアラビアを中心とする主要産油国は減産を進めて石油価格の維持を図っている。米国は現状の価格がやや高いと認識しているが、地政学的な思惑や国内生産の増加から、積極的には介入していない。ロシアは米国・湾岸諸国の動向を見ながら生産量を調整し、自国の利益確保に余念がない。
- アラブ地域の大国であるサウジアラビアは、経済・社会改革による若年層の雇用創出、政治の民主化、王位継承、財政健全化の課題に直面している。もう1つの大国イランの経済情勢好転には、欧米との関係改善が不可欠だが、政治の路線対立が収束せず、道筋が不透明だ。政治に対する不満、環境問題も深刻な課題になっている。
- シリアの内戦終結が近づき、周辺諸国は国内の課題に目を向ける時期を迎えた。イスラエルとの外交関係も含め、アラブ諸国間での勢力争いが鮮明になっている。内外の状況変化を受けて、従来には無い独自の政策を打ち出すなど、各国は柔軟な対応を迫られている。