- 開催:
- 08月06日(火) 14:00~15:30
- 会場:
- 日経東京本社ビル10階 会議室
*会場注意6階セミナールーム2ではありません
■講師略歴
(いけうち さとし)2001年東京大学大学院博士課程単位取得退学。国際日本文化研究センター准教授などを経て、2018年から現職。近書に『【中東大混迷を解く】サイクス・ピコ協定 百年の呪縛』など
(まつお ひろふみ)1989年東京外語大学アラビア語学科卒、日本経済新聞社入社。現地で湾岸戦争、イラク戦争など中東の動乱や国際エネルギー情勢を取材。2011年から現職。近著に『「石油」の終わり』など
■要旨
局面変えたトランプショック―米イラン対立の構図を読み解く
①米国とイランの対立をめぐるペルシャ湾の緊張は、トランプ大統領がイランによるドローン撃墜に対する報復の軍事攻撃を見送ったことで局面が変わった。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、イスラエルなど対イラン強硬策をとってきた陣営は結束を失った(池内)。
②強硬策の根幹にあらねばならない大統領の軍事力行使の意思が揺らぎ、イスラエルのネタニヤフ政権が9月に控える再選挙の行方も見えない。突発事態の可能性は残るが、イスラエルの再選挙まではペルシャ湾での紛争は起こらない(池内)。
③米国にとって原油調達先としての中東の重要性は低下する一方、アジアの中東依存度はこれからも高まる。ホルムズ海峡の航行安全を最も必要とする中国が、米主導の有志連合構想にどう関与するのかが重要。原油に加え、液化天然ガス(LNG)の供給途絶への警戒も必要だ(松尾)。