米中対立下の世界と日本

竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
開催:
09月24日(火) 14:00~15:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階カンファレンスルーム

■要旨
規制緩和で第4次産業革命の体現を―問われる安倍政権の「レガシー」

①米中対立は貿易戦争ではなく、米国型資本主義と中国型国家資本主義の対立である。中国型の国家資本主義では、個人情報の保護などを時に度外視して、ビックデータを収集できる。これを人工知能と組み合わせることでイノベーションを生み出している。

②日本はよい技術を持っているものの、パーツでしかなく、企業・政府とも全体として構成できていない点が問題だ。統合型リゾート(IR)と組み合わせる形で、第4次産業革命を体現するようなスーパーシティが出てくれば、世界からも注目されるだろう。

③これからの安倍政権は将来につながる「レガシー」を問われている。安倍総理は4期目を目指すつもりはないようだが、残りの任期の間に、規制緩和や民間に運営を任せる「コンセッション」の積極活用を通じて政権の「レガシー」を残して欲しい。