- 開催:
- 11月14日(木) 14:00~15:30
- 会場:
- 日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2
■講師略歴
(かも ともき) 2002年慶応義塾大学大学院博士課程修了、博士(政策・メディア)。15年から現職。16−18年外務省外務事務官(在香港日本国総領事館領事)。専門は現代中国政治と外交、比較政治
■要旨
対香港、力の姿勢変わらず―背景に「中国の価値」の強化
①中国共産党には革命政党と執政政党という2つの側面がある。胡錦濤政権時代は後者の意識が強かったが、習近平政権成立後は革命政党としての意識が前面に出ている。「一国二制度」のうち「一国」が強調される背景には党の意識の変化がある。
②中国政府が進める「大湾区」プロジェクトの政策調整組織のなかで香港は、広東省よりも下に位置づけられている。香港はプロジェクトの中で有利な政策を引き出すために、習近平との距離の近さをアピールすることは効果的である。北京と香港の関係変化を考えるうえで、香港側のこうした変化に注目する必要がある。
③中国は流動化する国際情勢への対応として、「中国モデル(中国方案)」のコンセプトを打ち出している。経済成長と政治の安定に裏打ちされた自らのモデルに自信を深めており、対香港政策でも融和的な姿勢をとる可能性は小さい。