世界経済と日本―ダボス会議を終えて

竹中平蔵・日本経済研究センター研究顧問
開催:
02月12日(水) 14:00~15:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階カンファレンスルーム

■要旨
第4次産業革命、2020年が転機に―競争力強化へ人と組織に投資を

①今年のダボス会議では、主催する世界経済フォーラムが事前に公表した「ステークホルダー・キャピタリズム」重視の提言を受けて、環境問題に注目が集まった。メルケル独首相も「2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする」と宣言したが、日本から閣僚クラスの参加はなかった。

②2020年の世界経済については、景気は弱含むが財政が下支えするという楽観的な見方が多かった。一方、第4次産業革命が経済社会を変えようとする中で、経済をどのように計測するか議論された。無形資産投資の扱いが焦点だが、日本企業は競争力強化へ人的資源や組織変更への投資加速が必要だ。

③2020年代から、第4次産業革命に伴う変化がいよいよ明確な形で出てくる。車の自動運転をみても、日本企業は自動車、センサー、カメラなど個別の技術力は高いが、政府の規制で実験が十分にできないなどの問題がある。規制緩和に道を開くスーパーシティー法案が早く成立するよう期待したい。