ESPフォーキャスト調査特別セミナー
「五輪後」の景気を読む

愛宕伸康・岡三証券グローバル金融調査部チーフエコノミスト
増田貴司・東レ経営研究所取締役エグゼクティブエコノミスト兼東レ理事
モデレーター)小峰隆夫・ESPフォーキャスト調査委員会委員長
開催:
02月14日(金) 15:00~16:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2

■講師略歴
(あたご のぶやす) 1991年神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程修了、日本銀行入行。調査統計局物価統計課長、日経センター短期経済予測主査、総務人事局・人材開発課長などを経て、2015年から現職

(ますだ たかし) 1983年京都大学経済学部卒、旧日本債券信用銀行入行。2000年に東レ入社。19年6月から現職

 

■要旨
新型肺炎長期化で「リーマン級」落ち込みも―金融政策見直しの好機

①米中貿易摩擦などを背景に貿易量が縮小し、世界的な製造業の不振が続いていたが、足元は半導体需要の底打ちなどを受け、やや回復傾向にある。非製造業は好調が続いており、世界経済の減速に歯止めがかかり、製造業が回復すれば、日本経済はプラス成長を維持できる。

②当面の最大のリスク要因は「新型肺炎」だ。感染拡大が続くようだと、「リーマンショック」級の事態をもたらす恐れがある。東京オリンピック開催後に「昭和40年不況」のような反動が出る可能性は小さいため、「新型肺炎」が早期に収束しさえすれば、景気は持ち直すだろう。

③日銀の長期にわたる異次元の金融緩和政策は米国金利に影響している可能性もあり、再検証をすべきである。欧米の中央銀行が政策の枠組み見直しに動いており、日銀も修正に踏み出す好機である。