中国の自動車市場は復活するか―その展望と日本企業の対応 *非公開収録

湯進・みずほ銀行法人推進部国際営業推進室主任研究員
開催:
02月28日(金) 15:00~16:30
会場:
日本経済新聞社東京本社ビル 6階セミナールーム2

■講師略歴
(たん じん)2008年みずほ銀行入行、中国の自動車・電子産業を中心に調査。2017年から現職、日系自動車関連の中国戦略を支援。著書に『2030中国自動車強国への戦略』。上海工程技術大学客員教授兼務

 

■要旨
技術革新を迫る時代の変化―新型肺炎が示した市場の構図

①中国の自動車市場は減税政策の終了、環境規制の強化、市場開放の拡大に加えて、消費者の高級車志向の高まりによって安定成長の時代を迎えている。生産能力の過剰が懸案だったこともあり、自動車業界には今後の大規模な再編が予想される。

②新型肺炎の発端となった湖北省には自動車産業の拠点が位置し、2020年に及ぼす影響の大きさは不透明だ。中国国内にとどまらず、海外の生産活動にもサプライチェーンを通じた打撃は必至であり、自動車産業における中国の存在感を改めて示す結果となった。

③従来の自動車技術では遅れを取り戻しにくいと中国政府は判断し、電気自動車などの新型エネルギー車の開発で国際競争力を一気に回復しようとしている。現時点では性能が満足されず、普及までには時間が必要だと思われる。しかし、中国では技術開発の動きが活発であり、スマート社会の到来を視野に入れた経営戦略の策定が、各国企業の急務になるだろう。