特別セミナー
ポストコロナのデジタル戦略と産学融合―社会変革を駆動する大学

五神真・東京大学総長
開催:
06月22日(月) 00:00~00:00
会場:
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*収録動画の配信は終了いたしました

■講師略歴
(ごのかみ まこと) 1984年東京大学理学系研究科博士課程退学、理学部助手。98年工学系研究科教授、2010年理学系研究科教授。副学長、理学部長などを経て、15年から現職。専門は光量子物理学

■要旨
あるべき知識集約社会、先導を―半導体・量子技術で内外企業を橋渡し

①新型コロナウィルス感染症への対応では、データの活用が鍵となる。それは、知識、情報やそれから生まれるサービスが価値を産む知識集約型社会への転換を加速する。その転換がデータ独占・格差固定化など、社会を決定的な格差や分断に向かわせる悪い方向ではなく、個の違いに寄り添った、多様性を生かして活力とする包摂的なより良い社会、Society5.0への転換としなければならない。そのため、日本はSociety5.0の具体的なモデルと転換の道筋を示して世界を先導すべきだ。大学は知の集積によって、そこに大きく貢献できると考えている。

②東京大学ではダイキン工業など複数の大企業と、それぞれ組織対組織の包括的な連携のもとで共同研究を手掛ける大型の「産学協創」を推進。ベンチャー支援と合わせ、Society5.0実現に向けた新たな資金循環を生み出している。データ活用に必須のAI・IoT戦略のカギを握る半導体や量子技術では、先進的な外国企業への橋渡しの役割を担うことで日本企業の力を生かす。

③一連の新たな事業には先行投資が欠かせない。要件が緩和された長期大学債発行で先陣を切り、大学の役割を大きく広げて、社会変革に寄与していく。